【ワシントン=山田哲朗】米疾病対策センター(CDC)は8日、新型インフルエンザに感染しても、健康な人はタミフルやリレンザなど抗ウイルス薬による治療は原則として必要ないとする投薬指針を発表した。 抗ウイルス薬の供給には限りがあるほか、過剰投与で耐性ウイルスが出現する恐れが高まるため。CDCのアン・シュケット博士は同日の記者会見で「子供でも大人でも大多数は抗ウイルス薬は必要なく、自宅で休養することで治る」と述べた。 ただし、持病がある人や、健康な人でも重症化した場合には、ウイルス検査の結果を待たず抗ウイルス薬を投与することが必要としている。世界保健機関(WHO)も、抗ウイルス薬の投与は持病がある人など高リスク集団か、新型インフルエンザで症状が悪化しつつある人に絞るべきだと勧告している。これに対し日本では、健康な人でも感染した場合、抗ウイルス薬を投与する医療機関が多い。