何度も書いたが、アゴラで藤沢数希氏が指摘しているので、あらためて書いておこう。きのう政府は東電に1兆円の公的資金を払い込んで実質国有化したが、その本質は東電の債務を国民が負担することではない。いずれにしても東電は債務超過なので、国民負担は避けられない。問題は真っ先に責任を問われるべき株主と銀行を救済して、何の責任もない他の電力会社や納税者に負担を求めていることだ。 見逃せないのは、銀行の融資が社債に振り替わっていることだ。産経新聞によれば、「メガバンクなどは従来の無担保融資を見送り、東電が経営破綻した場合でも返済順位が高くなる社債を活用して資金回収を担保する」という。事業計画では、1兆700億円をこの方法で融資する。東電の社債は一般担保つきなので、破綻しても100%保全される。公的資金で破綻を防いで時間稼ぎしている間に、銀行は長期債務(担保なし)を順次社債に切り替え、最終的に経営が破綻して