今、JRが赤字ローカル線を廃止する動きが相次いでいます。昭和62年の国鉄の分割民営化に伴って、かつて全国で多くの赤字ローカル線が廃止されました。なぜ、今、再び廃止の動きが相次いでいるのでしょうか。(札幌放送局・田隈佑紀記者 松江放送局・六田悠一記者) 「9月末までに国に廃止届けを提出する」 9月1日、JR西日本は、島根県と広島県にある6つの自治体の市長や町長を前に、JR三江線の全線廃止を正式に表明しました。本州で100キロメートルを超える路線が全線で廃止されるのは初めてのケースです。 JR三江線は広島県北部の三次駅と島根県西部の江津駅を結ぶ全長108キロのローカル線です。江の川に沿って中国山地の山あいを走る沿線は豊かな自然に恵まれ、中でも、島根県邑南町にある宇都井駅は地上から20メートルの高架橋にあることから「天空の駅」とも呼ばれて鉄道ファンからも人気を集めていました。 しかし、全線開