この前、社会学の本で興味深い論文を読んだ。 ある女性が、ある男性知的障害者にインタビューをし、男性の人生について考察する、という内容だった。 そしてインタビューをしていくうちに、彼が「結婚」に執着していることが明らかになってくる。 なぜか。 彼には数人の女兄弟がおり、全員結婚している。しかし彼は一度も結婚式に出席できなかったというのだ。 これは、「身内に障害者がいるのを隠したい」という親の考えから来た物だという。 このように、彼は今まで家族から構成員として認めてもらえず、疎まれてきたという。かといって障害のある身だから独り立ちも出来ない。 そのうちに彼は、自分の存在を<男>でも<女>でもない、<おまけ>として認識していく。 そして彼にとって、この<おまけ>カテゴリから抜け出し、<男>になる手段として、結婚を認識するようになる。今まで一度も参加できなかった結婚式を自分で開くことは、家族に自分
学校裏サイトやネットいじめの問題が注目を集めている。これらを含むネット上の有害情報を問題視した総務省の要請により、今年から未成年者の携帯電話利用はフィルタリング原則加入となったが、果たしてフィルタリングで解決できるのか? それ以外に防ぐ方法はあるのか? 「学校裏サイト~進化するネットいじめ~」(晋遊舎ブラック新書)などの著作があり、青少年のネット利用に詳しい渋井哲也氏に話を聞いた。 ● 自殺の原因はリアルにある 2003年頃から、ネットで自殺の仲間を募る事件が報じられている。渋井氏は、ある取材の最中に埼玉県で起きた集団自殺を知った。「人が練炭と同じくらいの“手段”としての意味しかなく、空虚な関係でした。ひとりが嫌というより、ひとりでも死んだだろうという印象を受けました。2002年10月に発生し、12月に報じられた、自殺系サイトで知り合って心中した事件をヒントにして、自殺サイトで人を募って心
将棋のプロ棋士は、局面を認識するときに一般人とは異なる特有の脳活動が現れることが、理化学研究所と富士通、日本将棋連盟の共同研究で分かった。大脳の頭頂葉の一部が活発化するほか、記憶などに関係する脳波が素早く出現する。盤面から瞬時に最善手を判断するプロ棋士の“直感”を、科学的に解明する糸口になりそうだ。東京都内で開催中の日本神経科学大会で10日発表する。 理研脳科学総合研究センターは、プロ棋士11人(7〜4段)に将棋の盤面を次々に見せ、局面が変化したかどうかを瞬時に判断してもらう実験を行った。脳の神経細胞の活動を機能的磁気共鳴画像装置(fMRI)で測定したところ、頭頂葉の頭頂連合野という領域の後ろの部分(背内側部)がピンポイントで活発化することを突き止めた。 頭頂連合野は空間認識などに関係しているが、背内側部の役割は分かっていなかった。チェスの盤面や人の顔など将棋とは無関係の画像を見たときや、
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