かつて、関西や関東などの都市圏と信越地方のスキー場を結んだ臨時夜行列車があったことを覚えているだろうか。冬季限定で走る「シュプール号」だ。「手ぶらで行ける信州直行スキー列車」といった宣伝文句で、神戸、西明石駅などからも発着。一時は寝台特急の客車を使った編成も登場するなど人気を誇ったが、いつの間にか時刻表から消えた。いったい、なぜなのか。(杉山雅崇) 「スキー列車大増発!」「お目覚めの朝には到着です」-。神戸市在住の鉄道ファン、正垣修さん(66)が保管していた1988年ごろに発行されたJR西日本のチラシは、シュプール号を大々的にアピールしている。 シュプール号は、国鉄が始めた臨時列車を、80年代後半にJRが引き継いだとみられる。88年当時、JR西日本は神戸と長野、妙高高原などを結ぶ「シュプール妙高・志賀」、西明石から白馬や南小谷方面に向かう「シュプール白馬・栂池」を運行していた。 チラシによ