≪プレゼンの道具が変じて…≫ ほうぼうの大学が公開講座、教養講座のたぐいを開設して一般市民に講義をきかせてくださるのがありがたい。わたしもときどき聴講にゆく。受講料は500円くらい。タダのところもある。教室で現役の先生たちの専門的なおはなしをうかがうのは勉強になる。 だが、ここ数年、気になってしかたないことがある。それはこのごろの大学教授がやたらにスライド映写で授業をなさることだ。 スライドといってもこれはパソコンのなかに画像を貯蔵しておいてそれを投射するパワー・ポイントという新発明。あらかじめ作成しておいた文字、グラフ、写真などをスクリーンに映し、レーザー・ポインターで指しながら説明してくださるのである。いうなれば「学術紙芝居」である。 これをはじめてみたのはもう20年もむかしになろうか、ある国際会議で某経営学者が、いろんな組織図やグラフをみせながら学説を展開なさったときのことであった。