タイ・ハイテク工業団地の周囲では洪水対策の防水壁の工事が続く。8~9割が完成しているという(小島清利) 2011年10月、タイを襲った大洪水は、北部のサハ・ラタナナコンやロジャナなど7工業団地で804社に被害をもたらし、そのうち日系企業は449社にのぼった。それでも、日系企業のほとんどがタイで操業を再開し、新たな投資も増えている。反日感情が根強い中国での操業リスクを目の当たりにし、ASEAN(東南アジア諸国連合)のハブ(中軸)を目指すタイに、チャイナ・プラス・ワンの拠点を築こうとする日本企業。両者の絆はますます強まっている。(小島清利)◇ ≪「最初に再開できた」≫ 「洪水だけでなく、タイにどんな問題が起こっても、トヨタがタイを見捨てることはない」。タイ工業省のプラスート・ブンチャイスック大臣は、トヨタ自動車が11月8日に開いたタイ現地法人の設立50周年記念式典で、豊田章男社長ら首脳陣からか