ソニーとパナソニックが「ポスト液晶」をにらんだ提携交渉に入ったことは、日本メーカーのテレビ事業の危機的状況を裏付ける。各社とも、自社でパネルなどの基幹部品をすべて生産する「自前主義」の限界を認め、テレビを中核事業から外すなど、赤字解消へさまざまな手立てを講じている。だが、次世代の有機ELテレビも経営体力に勝る韓国勢が先行しており、両社は「日本連合」にテレビ事業の生き残りを託す。 両社は液晶テレビ分野でサムスン電子などの韓国勢に完敗し、パナソニックが集中投資したプラズマテレビも、液晶に主役の座を奪われた。世界シェアはサムスンとLG電子で4割を占め、「日本勢に勝ち目はない」(大手幹部)。両社とも今期の計画は初めて前期の販売台数を下回るなど、従来の拡大路線を捨てて「脱テレビ」を模索する。 拡大路線の象徴だったのが「自前主義」だ。パナソニックはプラズマパネル工場に巨費を投じ、出遅れたソニーもサムス