参院選は一般的に衆院選ほどには盛り上がらないものである。候補者本人や政党はまだしも、有権者の関心は低い。投票率も衆院選より低めになる。たとえば、昨年12月に実施された衆院選の投票率は59・32%。これは衆院選(補選を除く)史上最低だったが、過去20年間のすべての参院選投票率はそれを下回っている。 一つの原因は衆院選と参院選の性格の違いにある。衆院選は直接新しい与党を選び、新首相の選出につながる政権選択選挙である。これに対して、参院選は狭義では政権を選択する意味をもたない。たとえば、仮に自民党はこの参院選で敗北しても政権の座から降りないだろう。 ただ、今回は事情がやや異なる。衆院と参院で与野党の議席数が逆転している「ねじれ」状態が解消するかもしれないからである。 第2次安倍政権発足後の約半年、野党が多数を占める参院が国政の阻害要因になる状況が続いた。ねじれが解消すれば、安倍晋三首相は政策的信