櫻井よしこさんが3日付の本紙コラム「美しき勁(つよ)き国へ」で朝日新聞の報道姿勢を明快に批判している。安倍政権の集団的自衛権行使容認、靖国神社参拝などを非難し続けることに対し、中国の軍拡など現実を見ない「観念論」だというのである。 ▼中でも昨年成立した特定秘密保護法への「朝日」の攻撃はすごい。櫻井さんによれば昨年8月から今年1月までに、反対の社説を26本、「天声人語」でも10本のコラムを書いている。内容への批判は櫻井さんにお任せするとしても、その「手数」の多さは驚きだ。 ▼むろん新聞には放送法のような制約はない。批判精神や時には「毒」も必要なことは言うまでもない。だが1本の法律をこれほど執拗(しつよう)に攻撃する粘着力には恐れ入るばかりだ。しかも社説やコラムだけではない。少し古いが、1月6日付の「朝日歌壇」がそうだった。 ▼4人の選者がそれぞれ投稿された10首の歌を選んでいる。ところがその