アフリカ北東部のソマリア沖海域における海賊対処活動が、ひとつの転換点を迎えている。この海域で猛威を振るった海賊行為は確実に減少している。今年1月~6月末の海賊行為などの発生数は8件、乗っ取られた船舶の数は2隻で、拘束された乗組員はいない。昨年同期の発生数69件、一昨年同期の163件と比較すると、「激減」といっていいだろう。 ≪海自活動は海賊排除に貢献≫ 海上自衛隊は2009年から、護衛艦2隻を派遣して、海賊多発海域であるアデン湾を通航する民間船舶の護衛を行うとともに、P3C哨戒機2機による上空からの警戒監視に当たってきた。海自を含む各国部隊の活動はこの海域から海賊を排除することに成功したといえよう。 だが、海賊は根絶されたわけではない。アデン湾から締め出された海賊は、インド洋という広い舞台に出ていくようになっている。海賊の行動に関する歴史的な推移を踏まえれば、犯行の手口や出没海域を変え、再