安価な専用端末の投入で電子書籍市場が活気を見せつつある中、出版業界も歩調を合わせコンテンツの拡充に努めている。中でも注目されるのが、絶版状態の本を電子書籍で復刊する動きだ。全集や古い本をデジタル化すれば、紙の本では入手が難しい作品も簡単に読めるようになる。電子書籍ならではのコンテンツ作りを加速させることが、本格普及の呼び水となる。(山田泰弘)三浦綾子さん全集 小学館は12日から、『氷点』『塩狩峠』などの作品で知られる作家、三浦綾子さん(1922~99年)の全集の電子書籍での配信を開始する。全80作品のうち、エッセー集を中心に現在は絶版状態になっているものが約半数の38作品あったが、電子書籍で入手が可能に。1作品525円で来年6月までに全作品がそろう予定だ。 「三浦綾子記念文学館」(北海道旭川市)の館長を務める三浦さんの夫、光世さん(88)は、先月11日に北海道旭川市で開かれた発表会見で「綾