著者:林 信行=ITジャーナリスト iPhoneが斬新な携帯電話端末になったのには,アップルが育んできたデザイン手法に大きな秘密がある。今回は,iPhoneを生み出したアップル独自のデザイン戦略を紹介しよう。 マイナスのデザインが製品の本質を見せる iPhoneやiPodに共通しているのが,無駄な装飾が一切ないシンプルな工業デザインであるということだ。それは,必要最小限に機能をそぎ落としたマイナスのデザインである。マイナスのデザインがなぜよいのか,最初に製品を使うユーザーの視点から見てみたい。 第一に,ユーザーの覚える操作が少なくて済む。例えばiPhoneの操作は,簡単に覚えられる。画面を指でチョンと触る「タップ」,画面上の表示を指で押さえながら移動する「ドラッグ」,指ではじいたりなぞったりする「フリック」,写真やWebページを広げたり狭めたりする「ピンチ」の4つの動作と,MENUボタンを
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