世界規模の食糧価格高騰の要因のひとつに挙げられる投機マネー。食糧の高騰問題の黒幕について、産経新聞編集委員・特別記者の田村秀男氏が解説する。 * * * 米国景気が少し上向き、世界はぼつぼつリーマン・ショック後の低迷から立ち直るかと思いきや、騒然としてきた。金融機関救済のために米連邦準備制度理事会(FRB)が垂れ流すドル発行量は平時の2.4倍に上り、その一部が金融機関の投機資金と化して穀物や原油市場になだれ込む。 国際商品価格の上昇は、各国の消費者物価を押し上げるが、地域や国によって影響度は異なる。中東・北アフリカやサハラ砂漠以南のアフリカ地域が最も影響を受けやすい。アルジェリア、チュニジア、エジプト、イエメン、リビア、バーレーン、イランなどと中東・北アフリカで騒乱が続いているのは偶然ではないし、インフレが長期独裁の政治体制への不満を一挙に爆発させた。 一体、どこの何者が、どういうからくり
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