【北京=林望】中国の国会に当たる全国人民代表大会(全人代)常務委員会は28日、インターネットユーザーの「実名登録制」など、ネットの管理強化の義務化を決定した。個人情報の保護が目的だが、権力の監視役を担っている「ネット世論」を萎縮させかねないとの懸念が出ている。 「ネット情報保護の強化に関する決定」によると、ネット上に企業の顧客名簿が流出したり、個人のプライバシーが暴露されたりする問題が深刻化しているとして、ユーザーの身元管理を強化するため、メールやサイトを利用する際、実名で登録することを義務づけた。今後、関連法規が整備される見通しだ。 中国のネットユーザーは5億人超。市民がネットを通じて官僚の不正や腐敗を告発する動きが加速している。匿名性が奪われれば、ネット上での市民の言論活動が鈍る可能性がある。 告発メールを毎日平均2千件受けているサイト「人民監督網」の朱瑞峰氏は「実名制だと、当局