『救援』496号(2010年8月) * 「慰安婦」問題の国際的動向 * いまさら驚くことではないが、日本軍「慰安婦」問題をめぐる日本メディアの対応は異様である。国際ニュースを遮断し、国内に知らせないことを目的としているようだ。六月一八日、アムネスティ・インターナショナルは「日本――ILO、日本軍性奴隷制のサバイバーのための正義の実現を追求せず」という国際ニュースを発したが、マスメディアは無視した。一つのNGOのニュースを取り上げなくても仕方がないというのは理由にならない。アムネスティ・インターナショナルはもっとも著名で信頼されている国際NGOであり、他の問題では日本メディアも重要視してきた。六月一一日、子どもの権利条約に基づいて設置された子どもの権利委員会が、日本政府報告書の審査結果として、歴史教科書の記述が不十分であるという勧告を出したが、これもマスメディアはほとんど報じていない(前田「