中国ではここ数年、人材をめぐる状況が急転換している。ホワイトカラー層、ワーカー層を問わず、「雇用する側」と「働く側」の力関係は大きく変わり、「働く側」の力が急速に強まりつつある。この大転換は中国での人材をめぐる事情に大きな影響を与えている。日系企業を含む外資系企業の人事マネジメントは大きく変わらざるを得ない。 成功した「労働力安売り政策」 歴史を振り返ってみると、中国の改革開放が成功した最も大きな要因は「労働力の安売り政策」にあった。1970年代末、中国政府が改革開放に踏み切った時、外国に売れるものはほとんど何もなかった。あるのは「人」と土地だけである。中国政府は低廉な「人」を労働力として、豊富な土地を「開発区」として世界に向けて売り出した。この戦略がグローバル化、ボーダーレス化の進む世界経済の流れと合致し、短期間に大量の資金や技術が中国に流れ込んだ。これが中国経済の奇跡的なまでの急成長の
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