〔横浜 24日 ロイター〕 東芝<6502.T>は24日、東京電力<9501.T>福島第1原子力発電所事故の汚染水から62種類の放射性物質を除去できるシステム「アルプス」の主要装置を報道陣に公開した。水処理を手がける米エナジー・ソリューション社の基本設計をもとに、東芝が福島原発での汚染水に対応したシステムを製造した。東電は9月中に現地で試運転を始める。 福島第1原発ではすでに東芝製の汚染水処理設備「サリー」が稼働しているが、除去できるのはセシウムだけで、その他の放射性物質の除去が課題となっていた。 「アルプス」はストロンチウム、コバルトなど62種類を樹脂や活性炭などを使って取り除く。ストロンチウムの濃度は約1000万分の1に低減でき、対象の全核種を海洋への放出限度以下に減らせるという。1日当たり最大500トン浄化できるため、敷地内に約20万トンある汚染水が約400日で処理できる計算となる。