南スーダン紛争、作り上げられた「民族対立」――大阪大学・栗本英世教授に聞く 脇阪紀行 大阪大学未来共生プログラム特任教授(メディア論、EU、未来共生学) 世界で最も新しい国、南スーダンが、内戦突入の瀬戸際にある。2011年7月の独立からわずか2年余りで勃発した武力紛争は、サルバ・キール大統領の出身のディンカ人と、対抗するリエック・マチャル前副大統領が属するヌエル人との民族対立の様相を呈している。 しかし、南スーダン紛争研究の第一人者である大阪大学大学院人間科学研究科の栗本英世教授(インタビュー内容は後述)によると、権力維持を図ろうとするキール大統領が、マチャル氏をはじめとする反大統領派の政治家を追い落とすために、民族対立を意図的に演出し、作り上げた可能性が高い。権力者の手によって過去、幾多の紛争で仕組まれた「民族対立」がまた、燃え広がろうとしている。 現地からの報道では、武装した双方の部隊