映画『苦役列車』感想 第144回芥川賞受賞・西村賢太の小説を映画化。1986年。19歳の北町貫多は、明日のない暮らしを送っていた。ある日、職場で新入りの専門学生・日下部正二と知り合い、友達と呼べる存在となっていく。やがて、古本屋で店番をしている桜井康子に一目惚れした貫多は、日下部の仲介によって彼女とも友達になるのだが…。森山未來、高良健吾、前田敦子ほか出演。 苦役列車 森山未來Amazon 映画は森山未來演じる貫多が風俗から出てくるところから始まる。主人公は19歳で舞台は昭和のバブル前。父親の性犯罪による家庭崩壊を経て中卒の日雇労働者となっている。いかにも薄汚くて、なけなしの金を酒と女につぎ込んで無一文になってしまう典型的なロクデナシである。 それでいてギャンブルもせずに読書が好きで、どうせ家賃を踏み倒すのに月1万円のボロアパートを追い出されていく小心者の倫理がある。小説家ワナビー映画とし
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