アサド政権を支持するジャド・ナセルさん(右から2人目)ら、ブカータ村の長老たち=ゴラン高原ブカータで2012年8月17日、花岡洋二撮影 シリアのアサド政権を支持すべきか−−。長年イスラエルの占領下に置かれながら苦難を乗り越えてきたシリア領ゴラン高原のシリア人社会に、亀裂が生じている。内戦状態に陥ったシリアのアサド政権を称賛する市民がいる一方で、政権の「市民弾圧」を批判する人々も増えつつある。北部の村々を訪ね、アサド政権への思いを聞いた。【ブカータ(ゴラン高原)などで花岡洋二】 イスラエルは1967年の第3次中東戦争でゴラン高原を占領し、81年に併合を宣言した。占領当時、約13万人いた住民の大半がシリア本国に逃れ、約7000人が残った。今はその子孫ら2万人と、イスラエルの占領後に入植したユダヤ人約2万人が暮らす。 ゴラン高原でシリア人が特に多く住むのは北部の五つの村だ。その一つ、ブカータに足