◇同世代内など「支え合い」強化を 政府の税と社会保障の一体改革に関し、政府案のベースとなる厚生労働省の社会保障改革案(中間報告)が5日発表された。改革案がうたうテーマ「全世代型」は、お年寄り中心の社会保障を、若者や現役世代にも回していこうという画期的な提案だ。「低所得者支援の強化」もしかり。だが、中身は二つの看板にふさわしいメリハリの利いたものになっているだろうか。消費税を5%上げても4%分は今の社会保障制度を維持する費用などで、サービス充実に使われるのは1%分の2.7兆円。「たったの」とは言わないが、限られた財源だ。虎の子の税金を本当に必要なところに届けるために、「負担できる人」と「できない人」の支え合いをもっと大胆に見直してほしい。 ◇年金減額の所得600万円より低く 年金を例に具体的に考えてみたい。今回、2.7兆円のうち6000億円を投入するというが、私はもっと圧縮できると思っている