原子力規制委員会の田中俊一委員長(福島市出身)は1日、福島民友新聞社のインタビューに答え、東京電力福島第1原発事故に伴う汚染水問題について、タンクにため続ける対策では限界があると指摘、放射性物質を除去して濃度を国の基準値以下にすることを前提に、海へ放出せざるを得ないという見解を示した。 田中委員長は「(地下水で)毎日何百トンという水が増えて、ためようがない。タンクを造っても1、2カ月、期間を延ばすだけで流さざるを得なくなる。林立するタンクが壊れたら無管理状態で出ることになり、その方がリスクは大きい」と危機感を示した。 汚染水の排出については「排出基準があり、それを上回るものは出さない」と明言した。 漁業者を中心に海洋放出に強い懸念があることについては、国が前面に出た風評被害対策や、規制委員会が主導した総合的な汚染水抑制対策が必要だと指摘。その上で「県民は判断しなければならない時期に来