出典:Ramsbotham et al. (2011, pp.175-176)を参照し作成。 「文脈的変質」とは、紛争が置かれている社会的・地域的・国際的文脈が変化する事によって紛争が激化・沈静化する事を意味する。例えばラムズボサムらは、冷戦の終結という国際環境の変化によって、主に冷戦下で生じていた南部アフリカや南米での紛争が収まったと述べている。 「構造的変質」とは、紛争の構造、すなわち紛争を構成している関係者(アクター)、彼らの相容れない目的や利害(争点)、あるいはその力関係(関係性)という一式が変化する事で生じるものである。変質の形態はさまざまであるが、例えば紛争の要因が集団の関係性に依拠するものであった場合に、強者と弱者の関係に変化が生じる事で紛争が解決に至ったり、激化・再発したりする。 「関係者の変質」は、紛争当事者集団における支配的アクター(指導部)やその支持層などが変化する事