郵便不正事件で無罪が確定し、国から得た賠償金のうち約3000万円を「累犯」障害者らの立ち直りを支える活動に寄付することを決めた村木厚子・元厚生労働省局長(56)=現内閣府政策統括官=が毎日新聞の取材に応じ、寄付に込めた思いを語った。 障害者郵便制度を巡って起きた郵便不正事件では、検察の取り調べの問題が明らかになった。自身の経験から「調書をきちんと検事に書いてもらうのは難しかったし、公判でどんな意味を持つのかも分からなかった。まして(障害者ら)ハンディがある人には至難の業と感じた」と振り返る。 そのため「障害者と刑事司法がクロスする累犯障害者の問題に使ってもらいたい」と、弁護士費用を除いた賠償金全額を、知人が理事長を務める長崎県の社会福祉法人「南高愛隣会」に寄付し、同会側が基金を設立する。知的障害者の取り調べにおける立会人制度の実現や、累犯障害者の社会的支援の取り組みに充てる予定という。 生