精神の障害を抱えた子どもや兄弟から暴力を受けた経験がある――。研究者などの調査に、障害者の家族の約6割がそんな苦しみを打ち明けた。心中を考えた人も2割ほどいた。精神障害者への誤解や偏見を恐れ、暴力について口を閉ざす人は多い。4日、さいたま市で家族が集い、思いを語り合った。専門家は「障害者やその家族を孤立させず、社会で支える態勢が必要だ」と指摘した。 東京大学大学院の蔭山正子助教(地域看護学)らの研究チームが昨年7~9月、おもに埼玉県内に住む精神障害者の家族768世帯に質問状を配布。346世帯466人から回答を得た。4日、さいたま市であった同県内の精神障害者家族会の集会で蔭山助教が結果を報告した。 家族の約6割が当事者から暴力を受けたと明かしたほか、16%は「刃物を向けられたり、刃物で傷つけられたりした」と打ち明けた。「一緒に死にたい」「本人に死んでほしい」と思い詰めたことがある人もそれぞれ