【ローマ福島良典】欧州債務危機を巡り、待ったなしの財政再建に取り組んでいるギリシャが脱税スキャンダルで揺れている。スイスの銀行に資産を「避難」させていた富裕者のリストをすっぱ抜いた週刊誌報道をきっかけに、リスト掲載者の税務調査に乗り出さなかった歴代政権に対する国民の憤まんが爆発。追加融資を受ける条件となる財政緊縮策の国会採決を今月中旬に控え、サマラス連立政権への逆風が強まっている。 週刊誌「ホットドック」が10月、ジュネーブの銀行に預金口座を持っているとされるギリシャ人2059人の未公開リストを報道。リストは10年にラガルド仏財務相(当時)からギリシャのパパコンスタンティヌ財務相(同)に手渡され、後に「ラガルド・リスト」と呼ばれた。ギリシャの元閣僚、財務省高官、実業家らが含まれ、リスト掲載者の07年時点の口座残高は合計約20億ユーロ(約2070億円)に達していたという。 同誌のコスタス・バ