【パリ=野村悦芳】フランス大統領選の第一回投票で極右・国民戦線の女性党首、マリーヌ・ルペン氏(43)が躍進する中、十年前に反ファシズムの著作としてベストセラーになった寓話(ぐうわ)「茶色の朝」が近く新装版として再出版されることになった。執筆したフランス人作家で社会学者のフランク・パブロフ氏(66)は本紙の取材に応じ「ルペン氏から極右の怖さは感じられない。そこに注意を払うべきだ」などと語った。 ルペン氏は「反移民」などを繰り返し主張し、国民戦線の大統領選候補として、過去最高の約18%の得票率を記録。パブロフ氏は「マリーヌというやさしい響きの名前、現代女性のイメージを生かし支持を拡大させた」と指摘。その一方、「国民戦線は基本的に変わっていない。欧州内の古い極右勢力とのつながりはまだ残っている」と警告した。 「茶色の朝」では、法律によって茶色いペット以外の飼育を禁止する世界が描かれる。茶色以外の