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ブックマーク / d.hatena.ne.jp/matsuiism (8)

  • 汪暉『思想空間としての現代中国』 - heuristic ways

    これは、恐るべき思想的密度と迫力をもったである。 こののことは前から気になっていたが*1、丸川哲史氏の『ポスト〈改革開放〉の中国』の中に、「中国の理論家、汪暉による第二次天安門事件前夜の分析」の一節が引用されていて、改めて興味が湧いてきたのだった。丸川氏は、汪暉氏の「一九八九年の社会運動と中国の「新自由主義」の歴史的根源」(『思想空間としての現代中国』所収)から引用した後、次のように解説している。 汪暉は、このような背景を持って引き起こされた一九八九年の社会衝突は、一見して「伝統的体制を批判する」ものであるように見えて、実のところ「改革を推進する国家、あるいはまさに市場社会に向けて次第に変化しつつある国家」への批判が根要因であったとする。そして汪は結論として、この一九八九年の社会衝突が国家の弾圧によって収束したことで、以後「改革を推進する国家」がスムースに市場社会化を進めることが可能

  • 丸川哲史『ポスト〈改革開放〉の中国』 - heuristic ways

    最近、中国に関するをいくつかまとめて読んだ。特に参考になったのは、天児慧(あまこ・さとし)『中華人民共和国史』(岩波新書、1999年)と丸川哲史『ポスト〈改革開放〉の中国――新たな段階に突入した中国社会・経済』(作品社、2010年)。これまで折に触れて中国に関するニュースやレポートに接してきたが、私にはよくわからないことや判断に困ることが多かった。端的にそれは、私が中国という国や社会の「成り立ち」について知らなかったからだろう。この二冊のを読んで、そう思った。翻って、日という国や社会の「成り立ち」を考える上でも、中国の経験との比較や類推は参考になるし、むしろ中国との関係は日の近現代史の一部だと考えるべきだと思う。  たとえば天児氏は、「われわれは、四九年の中華人民共和国の成立を二つの点で誤解しがちである」と言っている。《第一はこの時点で国家体制が確立したという誤解である。第二はこの

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    PledgeCrew 2010/02/25
    フランス革命からウィーン会議までも30年。スターリン独裁の確立からフルシチョフによる「雪解け」までの期間でもほぼ30年
  • レヴィ=ストロースと政治 - heuristic ways

    今年の11月にレヴィ=ストロース氏の訃報が新聞各紙で報じられたとき、不思議だったのは、「レビストロース」という表記が多かったこと。『生のものと火にかけたもの』に引っかけて言えば、あたかもそれは、「レヴィ=ストロース」という生のもの(表記)を、日語という火にかけて、「レビストロース」という料理にした、とでもいうような感じだった。 私は『悲しき南回帰線』(『悲しき熱帯』)を断片的に読んだくらいで、特に何の感慨もなかったのだが、以前、渡辺公三『レヴィ=ストロース――構造』(現代思想の冒険者たち、1996年)を読んだとき、レヴィ=ストロース氏が若い頃にマルクス主義に親しんでいたことや、南北アメリカの先住民の神話の問題に取り組んでいたことを知り、そのあたりのことが引っかかっていた。  先日書店に行ったとき、渡辺公三『闘うレヴィ=ストロース』(平凡社新書、2009年)というが出ていたので、興味

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    PledgeCrew 2009/12/17
    この本は面白かった。書評というほどじゃないけどちょっと触れた。http://plaza.rakuten.co.jp/kngti/diary/200912030000/
  • heuristic ways - 「正当化」思想の論理と心理

    ■「正当化」思想の論理と心理 2007年1月。今この国を「美しい国」だなどと、誰にも言わせない。 ポール・ニザンをもじって、そう言いたくなる。 私の念頭にあるのは、今月に予定されている2つの出来事である。1つは、国外退去処分を命じられた群馬県高崎市のイラン人、アミネ・カリルさん(43)一家の入管出頭が今月12日に定められていること。もう1つは、すでに他の方々もお伝えしていることだが、大阪市・長居公園の野宿者テント村に対する行政代執行(強制排除)が今月中にも行なわれるだろうこと。 私にできるのは抗議のファックスを送ることぐらいでしかないが、不思議なのは、こういう問題が起きると、「不法」滞在者(超過滞在者・非正規滞在者と言い換えるべきだろう)や野宿者によって特に被害をこうむったわけでもない人たちが、何か鬼の首でも取ったかのように、日は法治国家だとか、強制排除(強制退去)は当然の措置だとかいう

  • 2009-07-29 - heuristic ways

    横山宏章『中国の異民族支配』を読んでいたとき、少し驚いたのは、中華民国の発足時(1912年)に孫文が「五族共和」のスローガンを唱えていたということ。ここでいう「五族」とは、漢民族、満洲民族、モンゴル民族、回民族、チベット民族のことである。 私は一瞬勘違いしていたのだが、満洲国の建国時に唱えられたのは「五族協和」という理念で、この「五族」とは、漢・満・蒙・日・朝の五民族のことを指す。山室信一『キメラ――満洲国の肖像』(中公新書、1993年)によると、これはもともと満洲青年連盟(1928年結成)が訴えた「民族協和」というスローガンに由来しているらしい。この「民族協和」という主張は、中国側の「排日攻勢に対して防禦・拮抗していくための理論ないしスローガン」として打ち出されたものであり、当初は「在満三千万人口のうち一%にも達せず、しかも排撃にさらされていた弱小民族日人が満蒙における生存権と平等な取

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    PledgeCrew 2009/07/29
    孫文には「アジア主義」についての講演があるが、彼からの剽窃はほかにもいろいろありそう
  • メモ〜ノモンハン・満洲国・遊牧民 - heuristic ways

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    PledgeCrew 2009/07/29
    田中克彦
  • 2009-06-17 - heuristic ways

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    PledgeCrew 2009/06/24
    江上波夫「騎馬民族国家」、史学も言語学も政治的文脈の中で解釈される。それは学者の責任でも学説の責任でもないのだが。喜田貞吉 http://kan-chan.stbbs.net/docs/yuwa_sokushin/index.html
  • 多原香里『先住民族アイヌ』 - heuristic ways

    多原香里さんは、昨年秋の衆議院議員選挙で鈴木宗男氏擁する「新党大地」から比例区候補として出馬した人である。当時はよく知らなかったのだが、後で先住民族の問題に詳しい方から、月刊『現代』11月号掲載の魚住昭「ムネオの野望、新党大地の可能性」という記事をメールで教えていただき、そのとき多原香里さんがアイヌ民族出身で、フランスの大学院で先住民族の研究をしてきたという異色の経歴をもつことを知り、この人は一体どういう人なんだろうと関心を刺激させられたのだった。新党大地のことはいまだによく知らないが、党首の鈴木宗男氏が歌手の松山千春氏(「新党大地」は彼の命名)や元外務省の佐藤優氏らとコネクションをもっていることは興味深いと思っている。新党大地の比例区候補のもう一人、田中いづみさんも「札幌国際大学地域社会研究科の大学院生」とのことで、(当時無名の)多原さんや田中さんに注目するあたり、鈴木氏は只者ではないの

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    PledgeCrew 2009/05/02
    「羊をめぐる冒険」、村上春樹おそるべし
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