子どもは万能感というか全能感というようなものをもっている、ということはしばしば耳にする。もうちょっと平たくいうと、子どもは「自分はなんでもできるはずだ」と思っている、という感じだろうか。 それが、大人になると、「自分にはできないこともある」と解ってくる。 この間の時間経過のどこかに「あ、自分はなんでもできるってわけじゃないんだ」という気づき、言い換えれば最初の挫折があるはずなのだが、それはどのへんなのだろう。 5歳の娘を見ていると、まだまだ彼女のもとにはその気づきは訪れていないようだ。 気づくもなにも、まだ身体的にも精神的にも右肩上がりの成長の途中にあり、今できないことでも将来できるようになるという期待(というか、むしろ、おそらくこれからできるようになることが非常に多い)があるから、絶望的な挫折を経験するにはまだ早すぎる。 何歳でそのことに気づくのだろうか。もちろん、単純な年齢では測れない