ぼく「引用する」 彼女「引用してして」 ぼく「引用してきみの言葉で喋りかけるね」 彼女「わたしを引用したら、わたしはきみの言葉になるの?」 ぼく「ううん、ぼくがきみの言葉になるんだ」 彼女「じゃあ、きみが喋っているのは、だれ?」 ぼく「きみに引用された、ぼくのふりをした、きみの言葉」 彼女「それなら、わたしはもう一回きみを引用しなくちゃ」 ぼく「どうして?」 彼女「きみのふりをしたわたしを、引用し返さないと、ほんとうのきみがどこに行ったか、わからなくなっちゃうから」 ぼく「大丈夫だよ」 彼女「なにが?」 ぼく「ぼくが消えても、きみの言葉の中に『ぼくの引用箇所』が残るから」 彼女「残った引用を、死神が見つけたらどうするの?」 ぼく「死神はただ、きみのページを開くだけさ」 彼女「引用して」 ぼく「引用するよ」 彼女「引用してして」 ぼく「きみを引用して、きみの声で、ぼくは『愛して