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中東情勢
blog.goo.ne.jp/reforestation
批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。 一つ前の記事「蚕と日本語学習と松平忠固」のコメント欄で、renqingさんから以下のようなコメントをいただいた。 renqing 手許の「数字でみる日本の百年」改訂第6版(日本国勢図会)のp.333に、「戦前の主要輸出品」の表があります。生糸が、1900年(M33)第1位なのは当然として、1920年、1930年、1940年(S15)まで、輸出額第1位です。つまり戦前経済を一貫して外貨的に支え、輸出競争力があったのは生糸だった、ということになります。この点、松平忠固は、渋沢栄一に匹敵する日本資本主義の功労者です。現代日本人は、現代日本経済の途轍もない工業競争力を当然とみていて、そのイメージを戦前日本経済に投影して、既に戦前から欧米に伍する近代産業経済があったように錯覚していますが、第2次産
批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。 ネットで八ッ場ダムが話題になっています。ちょうど試験淡水中だった八ッ場ダムが台風19号であっという間に満水になったというニュース。だから首都圏を救ったというのですが、印象で語っているだけで何の根拠もありません。 水害が起こるたびに自民党のサポーターが、それを利用して、民主党叩きとダムやスーパー堤防擁護のデマ宣伝を行うのが恒例行事になっています。今回の騒ぎも、それです。 八ッ場ダムの貯水で、どれだけ洪水ピーク時に江戸川や利根川下流の水位を下げるのに貢献したのかが問題です。正確な計算は今後に委ねる必要がありますが、おそらく1cm程度か、下手ををすれば数ミリのレベルです。彼らは印象でモノを語っているだけです。1cmほど江戸川の水位を下げたとしても、それで首都圏を救ったというような大げさな話にな
批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。 8月14日に故郷に里帰りしていた安倍晋三首相が、山口県宇部市の琴崎八幡宮を参拝。にわかに琴崎八幡宮が注目を集めている。 巷の憶測の一つは、安倍首相は、靖国神社に参拝できない代わりに、靖国のルーツである琴崎八幡宮を参拝したというものだった。日刊ゲンダイが、本日「靖国の“源流”…安倍首相が参拝した琴崎八幡宮の意外な歴史」という記事を書いて、この問題を報じていた。(以下参照) https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/235622 さっそく琴崎八幡宮のHPを見てみると、そこには以下のように書かれていた。同社HPの説明文から私が注目した箇所(赤字の部分)を引用させていただきます。 琴崎八幡宮HP http://www.kotozaki.co
吉田松陰の《転向》 (renqing) 2017-05-06 13:15:48 大変興味深い記事、ありがとうございました。 吉田俊純氏の著書は、 『水戸学と明治維新』(2003年、吉川弘文館) を読んでいましたが、その集大成がご案内の大著なのですね。近々に入手して、私も考えてみたいと思います。 それにしても、松陰の《転向》は、戦時下、「科学的社会主義」の信奉者たちが陸続と《水戸学》に《転向》する姿とダブります。 思想史文脈というよりも、社会学的《幕末youth bulge》との関連を疑わせます。 とても触発される記事で、こちらの頭も動き出した気がします。 水戸は滅びて長州が残った皮肉 (関) 2017-05-06 20:02:35 『水戸学と明治維新』(吉川弘文館)は、この記事で紹介した『水戸学の研究』を一般向けにコンパクトにまとめた内容のようです。あの本の元になった論文集といった感じだと
批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。 2016年の大河ドラマが三谷幸喜氏の脚本による「真田丸」と決まったというニュースが入ってきた。本来は当然大坂夏の陣400周年である来年2015年の大河になるはずだったのだが、安倍政権が干渉して・・・・・。まあ、その話は置いておこう。 「真田丸」放映決定を記念して、私が漠然と疑問に思っていたことを書き留めておきたい。しっかりとした結論があるような話ではなく単なる仮説でしかない。まあ、話題提供ということで。 そもそも、この表題を見るなり「江戸城の真田丸だぁ? 真田丸は大坂城だろう。何バカなことを言ってるんだ?」という声が聞こえてきそうである。 まず、あなたが江戸城を総攻撃しようとする西郷隆盛の立場だったらと想定して欲しい。下の江戸城の縄張り図を見て欲しい。この日本最大の城郭を、どこから攻めれ
批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。 前回の記事で江戸城天守について書いた。江戸城続きで江戸城外堀について書く。以前、このブログ上で「江戸城の真田丸」という記事を書いた。(この記事)その続報。 だいぶ前だが、7月14日の東京新聞の特報面に「江戸城にも真田の守り」という記事が掲載された。紹介させていただきます。 じつは、東京新聞の特報部の篠ケ瀬記者と別件でやりとりしていた際に、私の書いたブログ記事を紹介したところ、「それは面白い」と興味をもってくださり、何人かの江戸城外堀研究者に独自に取材され、それを記事にして下さったのだ。すばらしい!! まず私が前の記事で、江戸城の外堀の中で、工事を担当した大名の名が冠されているのは、真田濠だけであるが、これは何故なのだろうという疑問を書いた。 専門家ならその理由は分かるのではないかと思って
日本国は近代国家? (renqing) 2015-09-14 02:12:36 ブログ主 様 まったく忌々しい話です。 同じことは、当然、他の官庁でもあります。C型肝炎ウイルス汚染血液製剤問題です。下記、弊ブログ記事参照を願います。 死んでも直らない病→「厚生労働省」 解体すべきなのは社保庁より、その本丸 http://renqing.cocolog-nifty.com/bookjunkie/2007/10/post_34d8.html 文科省の「スーパーなんちゃら」おバカ計画や、財務省のバブル発生責任と破綻銀行救済のコスト転嫁問題も同根でしょう。 また、このような事態について何とか国賠訴訟に持ち込もうとすると、法務省(Ministry of Justice !!)のコントロール化にある裁判所によって敗訴するか、そもそも訴権がない等と門前払い(棄却)されます。 この、中央省庁があたかも主権
批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。 今回の台風災害における鬼怒川などでの堤防決壊を受けてスーパー堤防を仕分けた民主党政権のせい(とくに蓮舫仕分け人の責任)というごうごうたるネット世論が巻き起こっています。私も、利根川・江戸川の河川整備計画を立案する際の有識者会議の委員としてスーパー堤防事業を予算の範囲で整備することは不可能、予算の裏付けのない非現実的事業と批判し続けましたので、ツイッターで私に対する批判もされていました。 私は声を大にして主張します。このままスーパー堤防事業を推進することは、日本列島における災害リスクをさらに高めるだけです。その根拠を簡潔に書きます。効率的に安全性を高める賢明な予算の使い方は他にあるのです。 (1)点としてのスーパー堤防整備は線としての堤防全体の強化を遅らせる スーパー堤防事業は、堤防幅を堤
批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。 本日(2015年9月10日)の常総市内での鬼怒川の堤防決壊、痛ましいことでした。被災者の皆さまにお見舞い申し上げます。また、自衛隊の皆さまのご活躍に敬意を表します。 前の記事のコメント欄で以下のような質問をいただきました。「ダム建設には治水、砂防といった防災目的があると思いますが、経済だけではなく防災安全という面での合理性について関先生は分析されていますでしょうか」。 本日の鬼怒川の堤防の決壊、詳しくは追って専門家の報告が出るでしょうが、おそらく堤防が若干低くなっているところから越流し、その越流水によって堤内が侵食されて決壊に至ったのではないかと思われます。堤防は土の塊なので、侵食に弱いです。越流水によって破堤に至るメカニズムは以下の図をご参照ください。 出所)国交省資料より ダムは洪水
Unknown (12434) 2014-11-12 21:25:49 農村や農地も社会的共通資本なら、農地耕作者主義もこれに基づいた概念といえるかもしれません。宇沢先生も農業生産法人の要件緩和には批判的でしたし。 http://www.jacom.or.jp/proposal/proposal/2011/proposal110223-12621.php ぶっちゃけ株式会社が農地を自由に所有できても、自然人農家にとって代われるほどの担い手にはなれません。世界中家族経営が主流で、日本だけそうでなくなることはまずありえませんね。法人だと収支管理とかも大変だし。 参入企業の撤退後の問題もあります。オムロン(施設型)や出光(土地利用型)が撤退したあとは、その地域に大きな負担がかかりました。法人だと基本的に、普通の農家に比べて規模が大きいですから、撤退したときの損害もでかいでしょう。 自由貿易を推進
批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。 「長州神社の「招魂」の謎(2)」のコメント欄で、靖国神社(以下、長州神社と呼ぶ)における「英霊」は、戦死者ではなく、病死者・餓死者の方が多いという点が議論されていた。この点、私も一言述べたい。 太平洋戦争中、戦死者以上の餓死者を出すことになったのは兵站補給を怠った大本営の作戦計画の杜撰さであった。太平洋戦争の日本軍の「戦死者」とされる人々のじつに6割が実際には餓死である [ 藤原彰『餓死した英霊たち』(青木書店、2001年) ]。「兵站」を軽視したまま、無謀に突撃していくという、軍事のイロハも知らない人命軽視組織をつくりあげたのは、長州閥陸軍の人事システムに他ならない。 司馬遼太郎は、長州閥の日本陸軍がおかしくなったのは、日露戦争が終わって以降であったと、『坂の上の雲』の「あとがき」で述
「招魂」少考 (薩長公英陰謀論者) 2014-03-03 02:35:17 Wikipediaを見ますと、くだんの「神社」は、国会図書館の近代デジタルライブラリーにある『法令全書(明治2年)』「魂場祭典順序(明治2年6月24日、軍務官)」によれば「創建当初は軍務官(直後に兵部省に改組)が」、東京都『東京百年史』(ぎょうせい)によれば、後に「内務省が人事を所管し、大日本帝国陸軍(陸軍省)と同海軍(海軍省)が祭事を統括した」と。 靖国神社の「靖国神社史」によれば「1946年(昭和21年)に国の管理を離れて東京都知事の認証により単立宗教法人となった」とのこと。単立宗教法人(単立神社)であるために神社本庁との包括関係には属していない。・・・と、あります。 これにより、くだんの「神社」は、国家神道つまり国教の施設としての神社ではなく、国家直営の軍事施設であったことをあらためて確認することができると思
百田尚樹氏をベタ誉めした上で、やはり問題は残るのだ。それは日米修好通商条約の評価である。徳川政権の近代化努力を高く評価する百田氏でも、この条約に対する評価の低さだけは、従来の右派左派に共通する「不平等条約史観」を踏襲してしまっているのだ。 それにしても百田氏が、ここまでのアンチ長州的な認識を示しているということは、この間の、薩長史観見直しの大きなうねりが、日本人の歴史認識を大きく変えてきているということだろう。あとは「日米修好通商条約=不平等条約」という史観の誤りを正すことができれば、明治維新史は完全に書き変わる。 . . . 本文を読む
批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。 前回の記事で、日本学術会議内部の土木関係の分科会が深刻な利益相反を起こしており、ダム建設をしたい国交省を利するために「ハゲ山に近い状態から森林が成長しても、洪水流量に変化は出ない」という虚偽を展開しているという事実を指摘した。これは国民の一般常識に照らして信じがたい暴論といってよい。なぜ、こんなデタラメを主張しなければならないかといえば、森林成長による洪水流量の低減効果を認めると、国交省がダムを造れなくなる可能性があり、同省が困るからである。国民から不正に税金を詐取するため、日本学術会議が国交省に加担しているといってよい。 ノバルディスファーマ社から多額の資金提供を受けていた研究者たちが臨床試験のデータを不正に改ざんし、同社への便宜を図っていた事件を受けて、日本学術会議では科学者の不正行
批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。 最近コメントのやりとりで議論になった中から、気になった話題を独立したエントリーとして論じたいと思います。本日は、私の5月13日の記事に対するコメントで、山澤さんが紹介して下さった「第二次世界大戦後、日本へのアジア各国の評価」という記事について考えてみたいと思います。その記事は、アジア各国の指導者の中には、日本がアジア諸国の独立の手助けをしたと考えている人々が多いという事実の紹介です。 「日本はアジアの解放の手助けをした」という声を集めると、その中には、インドネシア人、インド人、ビルマ人、マレーシア人の声がよく出てきます。その反面、同じ南方であっても、フィリピン、ベトナム、カンボジア、ラオス、パプアニューギニア、ソロモン諸島といった国の人々からこうした声は出てきません。これらの国々では「日
関さんを招いてTPPの学習会 (たんさいぼう影の会長) 2011-10-16 23:05:24 私が所属する酒飲みサークル「おいしい水研究会」では、本ブログを主宰する関さんを招いて以下の通りTPPの学習会を行います。 本ブログの愛読者の皆様!関さんの話をじかに聞き、質問したり討論したりする絶好のチャンスです。特に東京周辺にお住まいの方は、ぜひともご参加ください。 TPPって何か知ってますか? 震災復興、原発問題の一方、日本がTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)に参加するかどうかの議論が再開しています。特に財界や米国からの猛プッシュがあるようです。TPPとは、簡単に言うと米国をはじめ環太平洋地域で自由貿易圏を作ろうという構想です。よく話題になる農作物だけでなく、医療、金融、電気通信などのサービス、投資など幅広い分野が対象になってます。 農作物の輸入自由化が進めば自給率の一層の低下ももたらしま
批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。 菅首相が、馬淵国交大臣の交代の調整に入った。この間の私のブログを読んでいる方はわかって下さっていると思いますが、ダム問題に関して馬淵大臣のやっていることは基本的に正しいのです。(スピードが遅く、措置が不徹底な部分はありますが・・・)。 ゆえに、河川官僚(とくに関東地方整備局)にとっては、ただちに変わって欲しい大臣だったのです。今頃、河川官僚たちは馬淵さんを追い出せて「してやったり」とほくそえんでいることでしょう。後任は誰になるかわかりませんが、この間の経緯から見て、官僚の意のままに動く傀儡大臣になる悪夢が高いといえるでしょう。 馬淵大臣が河川官僚に突きつけた悪夢は、基本高水の再計算でした。これをやると河川行政が引っくり返ります。一部マスコミしかこの政策の意味の重大性を認識しておらず、十分
「捏造」よりも「正しくない」ことを正面に (masudako) 2010-10-02 02:38:09 意見書を拝見し、国土交通省・旧建設省の報告書にある計算が再現できなかったことは理解しました。「報告書の計算手続きの記述と計算結果の少なくとも一方が正しくない。したがって、それを政策決定の根拠に使うべきでない」と主張できると思います。さらに、計算が捏造であるという疑いももっともだと思います。しかし、正しくない報告書ができてしまった過程は捏造以外にもありえます。もし取り違えなどの過失だったとしたら、もちろんよいことではなく、点検が不足していた体制に問題があるのですが、捏造と決めつけることは侮辱になり、内容に関するまじめな議論にはいることの妨げになりかねません。運動の場で捏造を疑う発言をされることはかまいませんが、交渉の場では捏造と決めつけずに「正しくない」ことを正面にかかげて主張してください
批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。 本日の衆議院予算委員会で自民党の河野太郎議員が質問に立ち、馬淵国交相に、過去に利根川で発生した四洪水(S33年、S34年、S57年、H10年)における飽和雨量の値を質問しました。これまでの国交省は、飽和雨量48㎜モデルで、これらの四洪水を再現計算できたかのように主張してきました。その上で、飽和雨量48㎜モデルで計算して22,000立米/秒という基本高水が正当であると訴えてきました。本日、同省は、その立場を劇的に転換しました。これは利根川のみならず、全国の河川のダム見直しに波及する大ニュースです。河野太郎議員、この問題を質問して下さって、本当にありがとうございました。深く感謝を申し上げます。河野議員は日本の治水計画の歴史を変えたと言っても過言ではありません。 私どもの計算結果は「森林が荒れ
批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。 ひさびさに八ツ場ダム問題について投稿させていただきます。この間、私は八ツ場ダム住民訴訟の原告側弁護団の依頼を受け、国土交通省がダム建設の根拠としている、利根川の基本高水22000m3/秒の虚構を明らかにする作業に取り組んでまいりました。原告側弁護団、学生・大学院生を含めた多くの人々との共同作業でした。その結果、国土交通省の計算は虚偽と捏造で塗り固められたものであることをほぼ証明できました。現段階で、国交省の捏造は99.9%証明できていますが、その証明を100%確実なものにするために必要な情報の開示を、同省はかたくなに拒み続けています。 私は研究者生命にかけて断言します。国交省側が八ツ場ダム建設を正当化するために、計算結果を捏造していたことは、もはや疑う余地がありません。これは「公文書偽造
批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。 年末・年始に読んだ本の中で、「この本は多くの人々に読んで欲しい」と思った本の紹介をしたいと思います。私がいま特に書評したい本は、孫崎享著『日米同盟の正体』(講談社現代新書、2009年3月刊)とリチャード・クー、村山昇作『世界同時バランスシート不況』(徳間書店、2009年9月刊)の2冊です。本日は、リチャード・クー氏らの『世界同時バランスシート不況』を紹介したいと思います。 私は本ブログで、リチャード・クー氏に関しては一方で評価しながら、他方で批判もするというアンビバレントな対応をとってきました。私は、基本的にクー氏を応援したいので、「ああ、申し訳ないことしたかなあ」と若干自責の念を持っています。というのも、Google で「リチャード・クー」と検索すると、私がずいぶん前の2005年2月に
ダムが悪者ですか? (順天堂) 2009-10-20 03:54:34 サンロケダムというのは確かに当時の輸銀が融資を行ったためにできたダムです。 ただ、このダムはフィリピンの国家プロジェクトであることも事実です。 ダムの操作は国家電力公社の指示により行われるものであり、この指示が適切であったかどうかは今後明らかになっていくことでしょう。 ダムを誤操作すれば、ダムの有効性の如何に関わらずフィリピンだろうが日本だろうが、大被害が出る可能性があります。 また適切に操作されていたとしても、降雨の前に満水になっていたりすれば、洪水調節は不可能です。降雨の前に水位を下げていたとしても調節容量をはるかに超える降雨があれば、洪水の発生時間を遅らせることはできても洪水になることでしょう。 日本が不要なダムをたくさん作ったからと言って世界のダムがみんな悪者であるわけではありません。 先住民族問題については、
本題よりこの議論の方が… (バク) 2009-02-02 22:57:59 久しぶりのアップ。またスケールの大きい話に驚かされました。 ちなみに私はたまたま立ち寄った下記のサイトで奮闘していました(笑) http://policywatch.jp/hottopic/20090126/782/#comments 竹中氏のビデオを視聴した後、コメント欄を覗くと、竹中氏礼賛ばかりで、つい反論を書き込んだところ、短時間で多くの反論を頂戴しました。それでついついそれに応えてさらに駄文を連ねました。後で気づいたのですがこのサイトは新自由主義の砦のような所で、そこへ竹中氏を批判するコメントをアップするという無謀なことをしたようです。まあ自己責任です。お時間とお暇があれば一度覗いてみてください。 ところで、古典力学と熱力学の相性の悪さについてですが、私は古典力学が基本的に静的宇宙に立脚しているためであろう
批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。 半月ほど前になるが、イギリス人でありながら、一貫して小泉=竹中構造改革に反対し、日本型経営を擁護してきた異色の学者、ロナルド・ドーア氏が、『東京新聞』(8月16日)の「時代を読む」というコラムで面白いことを書いておられたので紹介したい。ドーア氏の主張は『誰のための会社にするか』(岩波新書)などに書かれているように一貫して明確である。日本が安定した社会を取り戻すためには、小泉改革によって強力に推し進められた「株主への利益還元が会社の目的」という「株主所有物」的企業化の針を逆に戻し、会社の名声、従業員の働きがいや、顧客へのサービス精神といった、従来の日本型経営(ドーアさんはこれを「準共同体的企業」あるいは「ステークホルダー企業」と呼ぶ)を復活させることだという。 ドーアさんは、なぜ、この重要
ご丁寧な返答ありがとうございまた (バク) 2008-12-04 22:52:46 駄文、乱文のコメントに対し、ご丁寧なご返答を早速にいただき、ありがとうございました。最近ちょいと忙しくて、貴ブログに目を通しながらもお礼の言葉(反論?)もできませんでした。まだまだ仕事が残っているのですが、今日はちょっとしたしたことがあって一念発起してパソコン画面を開きました。 関様の主張には大変共感できるもので、政府がその政策を実行すべく取り組みをはじめたら全面的に賛成したいと思いたいです。でもどうしても疑問がぬぐえないのです。関様が紹介したブログも読みました。大きな輸出超過があるにもかかわらず、少なくない国民が貧困にあえいでいる現状は、内需が軽視されたために富が国民に還元されていないためである。だから内需を増やすと同時に過度な輸出依存の体質を改め、その分、農産物の保護政策をとるべきだという主張だったと思
Unknown (arrack) 2008-11-12 23:29:23 >何故、国が違うと処方箋が違うのか? 何故かというとクルーグマンが言わなくてもFRBが既に実践している、または実践するからです。現にFRBの急激な利下げにより、アメリカは物価変動率を考えれば実質的なゼロ金利、もしくはマイナス金利になっています。やっている、やろうとしているのにわざわざ言う必要がありますでしょうか? arrackさま (関) 2008-11-13 06:39:41 クルーグマンが、日銀に対して「調整インフレ論」を威勢よく要求していたのは2001年から02年くらいだったと記憶していますが、その当時の日本はゼロ金利でした。金利の条件はそれほど違わないのではないでしょうか。金利操作に効果がない「流動性の罠」という点で、当時の日本と今のアメリカの条件に大きな相違はないのではないでしょうか。 ただし条件が違うのは
温暖化について (ゼミの昨年度卒業生) 2008-10-19 17:33:52 お久しぶりです。お元気ですか? 現在、ド山村で暮らしていて、温暖化へのまなざしが大きく変わってきました。 僕は最近、「地球温暖化」という言葉自体を使うことに少し慎重になっています。代わりに「気温上昇」という言葉はしょっちゅう使いますが。 こっちにきて読書は大してしていませんが、フィールドワークを通して、ムラにある温暖化問題について少し報告したいと思います。 僕は温暖化現象については、基本的に肯定せざるを得ないと思っています。というより、正直な話し、温暖化してようと、懐疑論が正解だろうとどっちでもかまわないのですが。 なぜなら、「気温上昇」はリアルな質感を伴った言葉だと思うのですが、「温暖化」は気温上昇の一面を問題化して、ピンポイントに人の焦りを集中させているように感じるからです。 要するに、気温上昇は実際に生活
批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。 昨日の投稿記事の続きを書きます。日本のケインズ派の「量ばかりに注目して質が分からない」という点でもう少し論じさせてください。 この間の日本でケインズ主義の立場から積極財政政策の必要性を声高に叫んできた代表的な論客としてリチャード・クー氏がいます。竹中平蔵氏の主張するサプライサイド政策・緊縮財政政策が現在の日本の状況下に照らし合わせて如何にトンチンカンかという点に関しては、基本的にリチャード・クー氏の主張通りだと思います[クー氏の著作としては『良い財政赤字悪い財政赤字』(PHP、2001年)『日本経済生か死かの選択』(徳間書店、2001年)などを参照]。 さて、私がクー氏に賛同するのは、彼のサプライサイド批判、マネタリスト批判に関してのみです。クー氏の政策に私が全面的に賛同しており、とくに
↑同意 (まーくん) 2008-03-31 15:32:12 今の現状に陥った責任がロスジェネの方たちにないのは当然で、自分たちの起こしたことでないことに色々と苦労されている点はいくらかの同情も持ちます。 しかし、このエントリーの感想としては、「で?」としか言えません。 前コメントでtakuoさんのおっしゃるように、両親の世代をギャフンと言わせる成果を勝ち取り、日本の社会運動の沈滞を創造的に乗り越えるのはどうやって? そもそも、成果とは?創造的に乗り越えるとは? あなたの言うダメな全共闘と同様、目指すところがはっきりしないのです。 まあ、このエントリーは「病理」について述べただけの意見や評論だから、そこまで言及していない、ということかも知れませんけど。 takuo様、まーくん様 (関) 2008-03-31 19:36:16 >では具体的にどう戦うのか、批評ではなくて、武器 >が欲しいと思
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