それは戦後のサラリーマン社会が生んだものであり、たしかに一時は流行した。「帰省ブーム」が起こったとも言えるのだ。 しかし、ブームは一時は盛り上がるものの、少し時間が経てば廃すたれていく。廃れていくと、なぜそんなことをしなければならないのかが分からなくなってしまう。 どうして帰省はブームになったのだろうか。 帰省が“盛り上がった”転換期 NHKの朝ドラでは、時代が明治だろうが、主人公が帰省する場面がよく出てくる。現代が舞台であれば、頻繁ひんぱんに故郷に帰る。よく時間や旅費があるものだと、呆れてしまうほどである。 しかし、時代が明治であれば、交通機関は発達していないわけで、そう簡単に長距離移動ができるわけではない。盆と正月、年に二度も帰省できるようになるのは、交通機関が発達する1960年以降である。 転換期になったのは、最初の東京オリンピックが開かれた1964年である。 この年、初めての新幹線