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まえがき † プロの軍人による兵棋演習とは異なる「民間人のホビーとしての卓上ウォーゲーム」は、「19世紀にヨーロッパで誕生したミニチュアウォーゲーム」と「1950年代にアメリカで誕生したボードウォーゲーム」の二種類に大別される。 どちらも1960年代まではもっぱら欧米だけでプレイされていたが、1970年代にイギリスの模型メーカー、エアフィックスが模型雑誌「Airfix Magazine」でミニチュアウォーゲーム関連の記事を掲載したことをきっかけに、欧米以外にも広まっていった。 日本国内に限定しても、その歴史は既に半世紀を超えているが、その歩みは決して平坦なものではなかった。その長く曲がりくねった道を10年単位でまとめてみた。 1972-1981 模型から厚紙へ 輸入から国産へ † 1972年春、模型雑誌「月刊ホビージャパン」1972年4月号に、模型を作った後の楽しみ方としてミニチュアウォー
日本の外国語教育は読み書き偏重で実践的ではなく、もっと会話教育を重視すべき、という物言いは腐る程溢れているが、日常的に日本語以外の言語を読み書きしている立場からすると、この手の物言いには全く首肯できない。読み書きは(チャットとかでない限り)自分のペースで読み書きできるが、会話は基本的に相手と時を同じくするので時間的制約が厳しい。読み書きすら覚束無い奴が会話を特訓したところで、ペラペラ喋られるようになるというよりは、ペラペラな内容しか喋られない。それに、そもそも日本人が母語としている日本語そのものが、実は会話向きではなく、読み書き指向が強い。 日本語は、音の種類が少ない。母音はアイウエオの5つ、基本的な子音はK・G・S・Z・T・D・N・H・B・P・M・Rの12、しかも、基本的に子音には母音が付き、子音が連続したり単語が子音で終ったりしないので、子音と母音の組み合わせの種類も、世界の諸言語の中
「War-Gamers Advent Calendar 2019」に今年は参戦、というより乱入。お祝いムードとかガン無視して辛辣に行く。 日本の卓上ウォーゲーム界では世代の断絶が生じてしまっている——と、先月みっちりと論じたが、今回の話はその延長戦。世代の断絶が起きてしまった要因のひとつとして、この30年間でのメディア環境の激変について、先月以上にみっっっちりと論じる。 1980年代、ホビージャパンが発行していた卓上ウォーゲーム専門誌「タクテクス」は、基本的に全国どこの書店でも売られていて、値段も比較的廉価な800円で、立ち読みも可能だった。一方、現在では「コマンドマガジン」も「ゲームジャーナル」も書店で売られていることは少なく、値段も消費税込みで4000円に近く、袋に入っていて立ち読みしにくい。その上、書店の数そのものが30年前と比べて激減してしまっている。つまり、オフラインで卓上ウォー
日本の卓上ウォーゲーマーは国産ゲームが初めて出版された1981年に(早生れでなければ)中学校へ進学した1968年生れが最も多い——と、先月ちょっと触れたが、今回の話はその続きで、まずは具体的な証拠から。 日本の卓上ウォーゲーマー向け専用SNSとして2008年に開設されたMustAttackでは、メンバー検索機能で誕生年による検索ができる。そこで、2019年10月末時点で1951年生れ〜2000年生れを誕生年別に検索して、検索結果の人数をグラフ化すると、以下のようになる(2001年以降の誕生年は検索しても人数ゼロだったのでカット)。 MustAttackのメンバー数そのものは2019年10月末時点で1563人なのに対し、誕生年別による検索結果の人数の合計は591人なので、1000人近くが誕生年を入力していないし、その上、外国人のメンバーや、パスワードを失念してアカウントを取り直したメンバーも
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