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衆院選
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自宅の大規模な増改築をすることになり、家をいったん空にしなければならなくなった。東京から香港を経てボストン郊外の現在の家に引っ越してきたときにいらないものを捨ててスッキリしたはずだ。それなのに、気づいたら家中にモノがあふれている。20年の間にバクテリアのように増殖した感じだ。 家事の中で掃除が一番苦手な私は、自己啓発書に自分の欠陥を責められるのが嫌で片付けがテーマの本を避け続けていたのだが、目の前に迫った重要なタスクのためにモチベーションが欲しくなった。 そこで、全米で注目を浴びている「こんまり(こちらでもKonMariと呼ばれている)」さんの『人生がときめく片づけの魔法』(サンマーク出版)の英語版「The Life-Changing Magic of Tidying Up: The Japanese Art of Decluttering and Organizing 」を読んでみること
重鎮 マルチな活動で数字では見えない存在感をもつアリアーナ・ハフィントン(10年4月) Phil McCarten-Reuters もし今日のインターネットメディア業界の勝者を決めるとすれば、断トツでアリアーナ・S・ハフィントンだろう。彼女が創設したニュースサイト、ハフィントン・ポストの6月のユニークビジター数(同じ閲覧者の重複を省いて集計したサイト訪問者数)は2439万に達した。他の多くのネットメディアと比べれば5倍近く。ワシントン・ポストやUSAトゥデーのサイトを上回り、ニューヨーク・タイムズ電子版にも迫る勢いだ。 2010年のハフィントンの売り上げは約3000万ドルに達する見込み。既存の巨大メディアに比べれば取るに足りない額だが、ネット上のライバルの多くよりははるかに大きい。そして遂に、わずかながら利益も出始めた。 ただしネットメディア業界における存在感は、数字だけでは分からない。5
6月23日、シンガポールでカジノ総合リゾート「マリーナ・ベイ・サンズ(MBS)」が正式に開業した(一部は4月に先にオープンしていた)。先に、南部セントーサ島にユニバーサルスタジオと共にオープンしていた「リゾートワールド・セントーサ(RWS)」に次いで2つ目になる。 これでシンガポールのカジノ・リゾートが出そろった。観光客数の低迷に頭を悩ませた政府は、このカジノ事業に観光立国としての生き残りを懸けていた。MBSのトーマス・アラッシCEOは、月に7万人、年に1800万人の来場者を見込んでいると自信を見せている。 香港のディズニーランドやマカオのカジノ建設ラッシュなど、アジア各国による観光客獲得競争に一歩遅れをとっていたシンガポール。法律を改正してまでカジノ開発に焦点をしぼったのは、経済的に好調な中国からの観光客を惹き付けたいという狙いがあった。 この国家的なカジノ計画のはじまりは、カジノ管理法
楽天やファーストリテイリングといった大手企業が、社内で英語を公用語にするというニュースが話題を呼んでいます。では、こうした「公用語時代」の到来に伴って、「日本人の英語」はどうあるべきなのでしょうか? この問題について断続的にお話ししてみたいと思います。 まず第1回としては「上下関係から自由な英語」という点です。正確に言うと、2つの異なる問題から成り立っているのですが、その第1は「言葉としての英語の上手下手に上下関係を感じてはならない」という点です。昭和の時代までの日本人は、失敗した英語教育への被害者意識もあって、英語の会話や発音に強いコンプレックスを抱いていました。 その結果として、「帰国子女」ブームが起きたり、その反動で「帰国子女いじめ」やその対策としての「外国はがし」などが起きたり、あるいは「ネイティブ」の英語話者に習うための英語塾などに人々が殺到したり、様々なドラマが生まれたのでした
中国の新疆ウイグル自治区で7月5日に起きた騒乱は、昨年3月のチベット騒乱後では同国最悪の民族衝突に発展した。 正確さの疑わしい政府発表でも、10日までの死者は184人でチベット動乱の死者数(22人)を大きく上回っている。200台のバスや乗用車が燃やされ、200軒以上の店舗が焼け落ちた。当局は2万人以上の武装警察を区都ウルムチに投入し、胡錦濤(フー・チンタオ)国家主席はG8(主要8カ国)サミットへの出席を取りやめてイタリアから帰国した。 何より注目すべきは、中国政府としてはおそらく初めて冷静沈着なPR活動を展開していることだ。共産党指導部は、チベット動乱が世界における中国のイメージを大きく傷つけたこと、そして今回の暴動も同じような影響をもたらし得ることを分かっていた。 そこで取り締まりの開始と同時に政府側の状況説明を発表。暴動の起きた市中心部に外国人ジャーナリストを案内する「バスツアー」まで
欧州最大の経済を率い、金融危機を水際で食い止めているドイツ首相。だが経済や安全保障の「現状維持」を求める国民のために、EUが必要とする指導的役割を避け続けている 債務にあえぐヨーロッパの国々をのみ込みつつある危機が、EU(欧州連合)内の深い亀裂をあらわにしている。特に欧州単一通貨ユーロ圏16カ国の間の溝は深刻だ。 ギリシャが債務不履行に陥るのではないかという不安は、3月に入りスペインに飛び火し始めた。ギリシャよりはるかに大規模なスペイン経済は、20%に達する失業率、長引く不況、GDP(国内総生産)の約12%に達する財政赤字という悪循環に陥っている。 ポルトガル、アイルランド、イタリアも似たような状況だ。フランスやドイツなどEUの裕福な国々は、苦しむ隣人たちに直接の金融支援をするつもりがない。 先行きが見えず、財政危機がさらに広まるのではないかという不安から、ユーロはわずか3カ月の間に対ドル
今週のコラムニスト:レジス・アルノー 先週、娘を保育園に迎えに行った帰り道のこと。同じ保育園に通う子供を自転車に乗せたある母親が、私の前を歩いていた。すると彼女は突然立ち止まって、自転車に突っ伏した。 彼女は疲れきっていた。あたりは真っ暗で、私が後ろにいることにも気づいていないようだった。10秒近い沈黙の後、私は彼女に声をかけた。「大丈夫ですか?」数秒かかって、彼女はこう答えた。「大丈夫です。すみません」 あの時の、名前も知らないお母さん。このコラムをあなたに捧げます。 この世に出産ほどミステリアスなものはない。何よりも革命的でありながら、同時にこれほど自然なこともない。子供の誕生はそれ自体が奇跡と言える。 それでも今の世の中には、子供をもちたくなくなる理由が溢れている。毎朝テレビや新聞で目にするのは、衰退する一方の世界だ。子供をつくるというのは、未来に悪いことが起きないというわずかな望み
米捜査当局は6月28日、アメリカ国内で活動していたロシアのスパイ集団11人を逮捕した。彼らはどうやら、そのスパイ活動に古臭い手法を使っていたようだ。米司法省の告訴状によると、ある容疑者は別の容疑者にメッセージを「見えない状態にして」送っていたという。 スパイが、玩具店で売っているのと同じような「見えないインク」を使うとでもいうのだろうか? 大いにあり得る話だ。玩具メーカーが見えないインクを作る方法は主に3つあり、すべてスパイも活用している手法だ。最も知られている方法は、レモン果汁など透明に近い酸性物質を使って紙に書くというもの。そのままでは何が書かれているか見えないが、ドライヤーなどで熱を加えると書いた文字が浮き上がってくる。 2つ目の方法は、化学反応を利用するやり方。例えば、チモールフタレインという物質は青色のインクを作るのに使われるが、このインクはすぐに透明になる。だが、これをアルカリ
ここへ来て、アメリカでは「妙なニュース」が立て続けに起きています。例えば今週のニュース番組を騒がせた、11名の「ロシアスパイ組織」摘発劇ですが、ニューヨークなどでパーティーの女王だったというアンナ・チャップマンと称する女性を含むグループが、堂々とアメリカ国内で「人脈」を広げる中で、核兵器関連などの機密情報を巧妙に仕入れてはロシアに流していたのだそうです。 冷戦は終わったとはいえ、米ロがさまざまな地域で利害を微妙に対立させたり、お互いに多くの戦略核を維持している以上、こうした形で水面下の諜報合戦がまだまだ続いているのは事実だと思います。例えば、アメリカではCIA(中央情報局)という巨大な「人的諜報収集機関」があり、同時にNSA(国家保安局)という組織は電波傍受などによる電子盗聴を通じた情報収集を行っているというのはもはや秘密でも何でもありません。アメリカがロシアに対して情報収集を仕掛けている
ツイッターが本当にビッグバンを起こしているのはアメリカではなく、日本だった。ツイッターを利用しているネットユーザーの割合は、アメリカでは10%に過ぎないが日本では16%に達している。ブロードバンドの普及率は日米とも似たようなものなのにこんなに差をつけられるとは。 ツイッター社の推計によると、日本のツイート(つぶやき)数は1日800万件近く、世界の総ツイート数の12%を占める。とくにサッカーのワールドカップ(W杯)で盛り上がった先週は、1秒当たり3085件のツイートが飛び交って世界記録を更新した。 だが、日本のツイッター旋風も選挙となると突然、静まり返る。アメリカの有権者にとっては、動画サイトのユーチューブで候補者の討論会を見たりソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で候補者に質問したりするのは当たり前のことだが、日本では政治家がネットを使って選挙運動を行うことは公職選挙法で禁じら
マニアの夢 アップルの自動車参入に対する期待は根強い(写真は、自動車デザインの学生が考案したアップルっぽいコンセプトカー『iMo』)) ほんの数カ月前、ちょうどアップルが世界征服に向けて着々と布石を打っていたころのこと。 一部のブロガーから、アップルが携帯電話やタブレット型端末に変革をもたらすことができるなら、マイカーの世界にも一石を投じることができるのではないかとの声が上がった。「iCar」時代がすぐそこまで来ているというわけだ。 だがこれは楽しい妄想に過ぎなかったようだ。アップルはこれまで、音楽やメディアと人間の関係を変える取り組みを進めてきた。だが車との付き合い方を変えようとは思っていない。 アメリカでは若者の自動車離れが言われており、これは賢明な判断かもしれない。だが一方で、自動車メーカーと手を組んで運転中の過ごし方に変革をもたらし、車そのもののあり方を変えるチャンスを、みすみすラ
ネット通販大手の楽天が、2012年末までに英語を社内の公用語にする。それを象徴するかのように、三木谷浩史会長兼社長は6月30日、東京で日本人記者相手に英語で会見した。なかなかうまい演出だった。 世界企業として成長するには全社員に英語が必要というわけだ。既に経営会議や全体の「朝会」は英語で行われているという。1企業の社内ルールにすぎないけれど、日本人と英語をめぐる論争を刺激することは間違いない。 楽天の英語公用語化は、ちょっと思いつくだけでもツッコミどころ満載だ。 例えば、外国人社員が入った会議で英語を使うのなら分かるが、日本人だけの会議やメールで英語を強制することにどんな意味があるのか。英語力を特に必要としない分野で優秀な社員もいるはずだが、そうした社員を追い出したらデメリットのほうが大きいのではないか。英語を社内公用語にしなくても、英語を使える人材を揃えておけば、デメリットなしに同じ効果
今年3月期から公開が義務づけられた役員報酬が、話題を呼んでいる。産経新聞の調べによれば、年俸(ストックオプションを含む)のトップ10は次のようになっている: 1.カルロス・ゴーン(日産自動車社長)8億9000万円 2.ハワード・ストリンガー(ソニー会長兼社長)8億1400万円 3.北島義俊(大日本印刷社長)7億8700万円 4.アラン・マッケンジー(武田薬品工業取締役)5億5300万円 5.金川千尋(信越化学工業会長)5億3500万円 6.細矢礼二(双葉電子工業会長)5億1700万円 7.三津原博(日本調剤社長)4億7700万円 8.里見治(セガサミー会長兼社長)4億3500万円 9.古森重隆(富士フイルム社長)3億6100万円 10.稲葉善治(ファナック社長)3億3100万円 特に上位の2人の外国人が突出しているため、「日産は無配なのにもらい過ぎだ」とか「ソニーは赤字なのに、なぜこんな巨
疲れた。パラグアイ対日本の試合。90分終わって同点だったらすぐにPK戦で片がつく、と思っていたせいもある。延長戦があるとは知らなかったので驚いた。開き直るわけではないが、渋谷や道頓堀で大騒ぎしていた人たちだって、半分くらいは知らなかったんじゃないかと思う。それくらいど素人でもクギづけにさせるのがこのイベント、なのか。 デンマーク戦の後、あるテレビ局の人が「占拠率87%なんて数字、初めて見た」と驚いていた。占拠率とは、その時間帯にテレビをつけていた世帯のうち、その番組を見ていた割合。確かに凄いが、残りの13%はあの夜中というか早朝に、あの状況でまったりとテレビショッピングを見ていたことになる。それも凄いですよね、と。 それはともかく、疲れたのは、試合そのものと、この大会での日本代表を自分がにわかに総括できなくて戸惑っているせいもある。 負け試合というのは普通、惜敗とか完敗と形容される。あるい
オバマ米大統領とメドベージェフ露大統領の首脳会談が6月24日、ホワイトハウスで行われた。現在の米ロ関係は、95年のクリントン大統領のモスクワ訪問以来の雪解けムード。両国は今回の会談で、対イラン制裁やヨーロッパのミサイル防衛構想、NATO東方拡大の事実上の中止など、多くの重要課題で合意に達した。 とはいえアメリカばかりが譲歩している印象が残る。ポーランドとチェコへのミサイル配備は中止。親米国のグルジアをロシアが占領していることも、ほぼ既成事実扱い。ロシア国内の集会の自由に対する締め付け強化や、服役中の石油富豪ミハイル・ホドルコフスキーの新たな裁判についても沈黙を守っている。 ロシアは、アフガニスタンでの軍事作戦に不可欠なキルギスの米空軍基地を閉鎖させようとするのをやめた。4月には新しい戦略兵器削減条約(START)に調印。5月には(手ぬるい内容ながら)対イラン制裁に合意したが、アメリカの見返
得体の知れない乱高下は誰のせい?──100万分の1秒単位で数十億株を売買するHFT(高頻度取引)という金融業界の新たな「悪役」 09年3月に底値を付けたダウ工業株30種平均は70%近く回復し、今年4月26日には1万1205ドルまで戻した。この間、相場はおおむね順調で安定していた。だがその後、市場は津波に襲われる。ギリシャの債務危機が欧州全体の政府債務危機に波及しかねないことが明らかになった4月27日、ダウは213ドル下落し、それに続く17営業日のうち13日は一日の変動幅が100ドル以上に達した。 なかでも最悪だったのは5月6日の「フラッシュ・クラッシュ(瞬時暴落)」だ。ダウはものの数分で998ドルも暴落し、それから取引終了までに600ドル以上戻して、結局、前日比350ドル近い安値で引けた。 09年春に景気が回復し初めて以降、ほぼ影を潜めていた激しいボラティリティー(価格変動)が、うなりを上
死の海 原油の海から何とか這い上がろうとするカニ(6月20日、ルイジアナ州沿岸で) Sean Gardner-Reuters 原油流出事故が起こる前から、科学者たちはメキシコ湾の「デッドゾーン」が今年は過去最大級になると予測していた。今問われているのは、メキシコ湾沖で起きた原油流出事故のせいでそれがさらに拡大するのかどうかだ。 デッドゾーンは夏に生まれて成長する。原因の1つは、中西部の農業地帯から出る肥料分を含んだ農業排水だ。ミシシッピ川からメキシコ湾に流れ込むこの排水は藻を異常繁殖させる。この藻が死んでバクテリアが分解するとき、海水中の酸素を大量に消費してしまう。海の中の広大な一帯が、酸欠のため海の生き物が死滅する酸欠海域「デッドゾーン」になってしまうのだ。汚染のために食物連鎖がちぐはぐになり、生態系のある部分が他の部分を攻撃しているようなものだ。 原油流出はこれまでの被害に加え、デッド
中国撤退後も巧みに中国ユーザーへのサービスを続けてきたグーグルだが、中国政府の新たな圧力を受けて妥協案を打ち出した グーグルが中国政府によるウエブサイト検閲にはもう力を貸さないと宣言したのは、今年1月のこと。同社の中国語の検索サービス「Google.cn」での検索結果に対する検閲を中止し、場合によっては中国撤退も辞さない方針を表明した。世界からは、全体主義国家の中国によくぞ立ち向かったと称賛する声が巻き起こった。 グーグルのサーバーを中国がハッキングしたとされる事件がきっかけになったこと、同社がもともと中国では大した収益を上げていなかったことなどを考えると、「正義の撤退宣言」とは言えない側面もある。それでも共同創設者のラリー・ページとセルゲイ・ブリンは、ある意志をはっきりと示した――世界には(中国の)圧政に屈しない者もいるのだ、と。 しかし今、その誓いは色あせつつあるようだ。グーグルが3月
米露首脳会談の直後の逮捕劇で憶測を呼ぶロシア・スパイ事件だが、スパイ集団は核兵器研究の関係者やオバマ政権高官も標的にしていた可能性がある まるで冷戦時代を彷彿とさせる事件だ。アメリカ政府は28日、一般のアメリカ人を偽装していたロシアのスパイ集団を逮捕した、と発表した。逮捕された10人は直接のスパイ容疑で逮捕されたわけではなく、今のところはマネーロンダリング(資金洗浄)や、事前登録のないまま外国政府の要請に基づいて政治活動を行った疑いがもたれている。ロシア外務省は29日、事件を「根拠がなく誤りだ」と強く否定した。 FBI(米連邦捜査局)の捜査はずっと続いていた。捜査当局者によれば、捜査期間はおそらく10年近くに及ぶ。逮捕の数日前には、訪米中のドミトリー・メドベージェフ大統領がバラク・オバマ米大統領と米露関係の新時代を宣言したばかり。なぜ、捜査当局はこのタイミングでアメリカに潜入していた10人
惜敗というのはこのようなゲームのことを言うのでしょう。それにしても、高いレベルの試合でしたし、後味の悪いはずはありません。終わってしまった以上、サッカーとしての技術論は、専門の方々にお任せするとして、今回のW杯日本代表チームの「成果」について、組織論、文化論的な雑感を今日は記しておこうと思います。 まず、岡田監督についてですが、「一国一城の主」であるA代表の選手たちを「日本語で統率する」のはもはや「不可能ではないか?」そんなことを、これまで何度も思ったのは事実です。過去何人も外国人監督が続いたこと、練習試合で成果が出ない時期に監督と選手の関係が円滑ではないように見えたことから「日本語での統率の言語が上下関係に依存」している限り、ある種の高い合理性を求められるサッカーの指揮には日本語は不適切なのかもしれない、そんな仮説でした。 敬語や命令口調が介在する中で、説得の論理が「上下関係のフレームで
処方箋は? オバマもG20の他の首脳も、景気の二番底を回避したい思いは共通だったが(6月27日、トロントで) Jason Reed-Reuters 経済学者と政治哲学者の思想は、それが正しい時でも間違っている時でも、一般に考えられているよりはるかに強い影響力をもっている。自分はどんな知的制約とも無関係だと考える実際的な人間も、知らないうちに何かいかれた経済学の奴隷になっているほうが普通だ。 ──イギリス人経済学者 ジョン・メイナード・ケインズ(1883〜1946) 世界各国は、元気のない経済を活性化するために何か手を打つべきだ──誰もがそう思っている。誰も景気の二番底など見たくない。週末にカナダのトロントで開かれた世界20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)も、それだけは回避する決意に満ちていた。 OECD(経済協力開発機構)を構成する先進31カ国の失業者数は、07年以降50%増加して
──規律ある民兵は自由な国家の安全にとって必要であるから、人民が武器を保有し、また携帯する権利は、これを侵してはならない。(合衆国憲法修正第2条) 憲法説明責任センター(CAC)は、「合衆国憲法の本文と歴史に示された進歩的な約束の実現」を目的とする団体。08年の設立当初は、よくあるリベラル派の法的権利擁護グループに見えた。 実際、CACはリベラル派の運動一般を幅広く支援してきた。カリフォルニア州の温室効果ガス排出規制の取り組みや、「移民の刑事被告人のための正当な法的保護」には特に力を入れている。 そのCACがシカゴ市当局による銃規制の是非を争う「マクドナルド対シカゴ市裁判」について、3月2日の口頭弁論を前に意見書を連邦最高裁判所に提出した。そう聞けば、普通は被告のシカゴ市に味方する意見書だと思う。 残念ながら答えはノーだ。リベラル派は長年、憲法修正第2条にある武器保有の権利は州兵の設立のみ
6月24日に公示された参院選で、440人の候補者が121議席をめぐって選挙戦を繰り広げている。 菅直人首相が鳩山由紀夫から民主党党首と首相の座を引き継いだことで、今回の選挙の重要性が浮き彫りになった。5月まで、参院選は鳩山と小沢一郎元幹事長のリーダーシップを問う国民投票という位置づけで世論調査で民主党の勝利は難しいと見られていた。 しかし、参院選は今や日本の未来を占う選挙となっており、昨年の歴史的な衆院選以上にこの国の将来を左右するかもしれない。民主党が参院の過半数を確保すれば、衆院を解散しない限りこの先3年間は選挙の心配をしなくて済む。短命政権なら手を出せない消費税引き上げといった難しい政治的決断も、3年かけてじっくり議論することができる。 だからこそ、今回の参院選は日本の未来にとって重要だ。日本国民にとって、選択肢は明らかだろう。民主党政権下で、今の日本には前任者にないものすべてをもつ
ヨハネスブルクは広い。だだっ広い。1週間いたくらいでは、とても全貌がつかめない。 手っ取り早く理解するには、南北に分けて考えればいい。ヨハネスブルク駅に近い南の中心部は、黒人が圧倒的に多い。北の郊外は白人の世界だ。高級ホテルや邸宅が立ち並び、高い塀が続く。人が歩いているのはショッピングモールだけといっていい。 「ヨハネスブルクは危険」と言われるとき、たいていは黒人の多い南のエリアを指している。その南を歩いてきた。案内役はこの人、プロフェット氏である。いい感じでしょ? 彼は地元のアートプロデューサーで、詩人でもあるという。とても感じのいい人で、頭もよさそうだ。でもいくらペンネームとはいえ、プロフェット(預言者)というのはどうなんだろうと思わなくもない。 彼ともともと知り合いだったわけではない。これはある団体が企画したツアーなのだ。その名も「ヨハネスブルク・アドベンチャー・ツアー」。アドベンチ
2006年のドイツ大会ではチェコ戦の0−3の敗戦など2敗1分と最悪だったアメリカの代表チームですが、今回はアルジェリア戦の最後に、ロスタイムの1点でのドラマチックなグループリーグ通過劇があったわけで、何とかベスト16には行きました。ですが、結局は同じようにガーナに全く歯が立たずに「ジ・エンド」になったという点では、同じと言えば同じです。スコアも同じ2−1での敗戦でした。改善しているとはいえ、本当にスローな成長ペースとしか言いようがありません。 2006年に比べて良かった点は、エースのドノバンが見せ場を作ったことです。アルジェリア戦の決勝点、そしてガーナ戦のPK成功という結果を出しただけでなく、そのことで、サッカーファンの裾野を広げることができるようなPR効果もあったと思います。絶対のエースへの依存が高まるばかりという不安要素も残りましたが、ドノバンはまだ28歳ですから、運動量とスピードは4
黄色は進め? 6月25日に上下両院が合意した金融規制改革法案では危機の再発を防げない Lucas Jackson-Reuters 6月25日の早朝、アメリカの上下両院は金融規制改革法案の一本化で合意した。バラク・オバマ大統領はこの日、同法案を「大恐慌以来最も厳しい金融改革」と称賛した。 確かにこの法案には、07〜09年の金融危機を招いた問題点を改めるために、さまざまな措置が盛り込まれている。デリバティブ(金融派生商品)取引の透明化、銀行およびクレジットカード会社、住宅ローン会社に対する強力な監視機関の創設、経営難の金融機関を政府が清算するための新しい手段の導入などは、効果がありそうだ。 しかしある面で、今回の法案は、大恐慌直後の1933年に制定されたグラス・スティーガル法に及ばない。銀行と証券の分離などを定めたグラス・スティーガル法は、金融システムの構造と金融機関の形態を大きく様変わりさせ
6月24日、iPhoneが新しく生まれ変わった。だが、新型のiPhone 4をすぐ手に入れたければ黒い機種で我慢するしかないことに、アップル信奉者は不満を漏らしている。 自動車大手フォードの創業者ヘンリー・フォードに倣ってアップルが「製品の標準化」を決めたわけではない。同社の発表によると、白いiPhoneは「製造に想定以上の困難が伴う」ため、7月中旬まで販売できないという。 なぜ色の違いによって問題が生じるのだろうか。 いくつかの理由が考えられる。まず、白い機種の需要にアップルが不意を突かれた可能性がある。「製造上の困難」は失態を取り繕うための表現かもしれない。 下請け業者の側に問題がある可能性もある。iPhone 4の部品メーカーの大半は、白い機種のある従来のiPhone 3GSと同じだが、ディスプレイはiPad用と同じく韓国のLGが製造している。iPhone 4のディスプレイは960x
いくら車を走らせても、スタジアムが見えない。日本がラウンド16進出を決めるはずの舞台が見えない。 ヨハネスブルクを出てから、車はもう2時間半走っている。めざすはルステンブルクのスタジアム。そろそろ着いてもよさそうなものだが、目の前に見えるのはどこまでも続く一本道と、山に沈みゆく夕日だけだ。 ルステンブルクはヨハネスブルクから北へ約150キロ。ここで日本の試合が行われると決まって、宿泊場所をインターネットで探したが、見つからなかった。ホテルの空きが見つからなかったのではなく、ホテルそのものがほとんどないのだ。 仕方なく、ヨハネスブルクに宿をとった。ルステンブルクへ行く手段は何かしらあるだろうと思っていた。ワールドカップのプレ大会である昨年のコンフェデレーションズカップでは、試合時間に合わせてヨハネスブルクからバスが出ていたようだった。プレ大会でバスを走らせたのなら、本大会でもやるだろうと考え
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