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鹿児島県出水市の椎木伸一市長が「総合調整権」を行使した広瀬川漁業協同組合の内木場司組合長(75)が任期途中で辞任したことが27日、分かった。同日の理事会で中村良明理事(69)が後任に就くことが決まった。 内木場氏は昨年3月、組合長に就任。「一身上の都合」を理由に、任期途中の今年4月30日付で辞表を提出した。中村氏は取材に「今、大変苦労している漁協を守るために力を尽くしたい」と述べた。任期は2027年3月までの予定。 同漁協は米之津川の漁業権を持つ。肥薩おれんじ鉄道(熊本県八代市)や出水市によると、鉄橋補修を巡り、別の男性理事が21年10月、同社役員らを14時間にわたり拘束し、漁業権とは関係のない批判や叱責(しっせき)を繰り返した。 椎木市長は今年2月、漁協に対し地方自治法に基づく「総合調整権」を行使。不当・不誠実な行為を繰り返す男性理事の解任など組織改善を命じた。
5キロ2000円台ではコメ作りを続けられない――生産者不在で乱高下する米価。消費者も納得できる適正価格は実現するのか? コメの価格高騰が止まらない。全国のスーパーで11日までの1週間に販売された5キロ当たりの平均価格は4268円と過去最高を更新。小泉進次郎農相は就任早々、備蓄米の放出手続きを一般競争入札から随意契約に変更し、「5キロで2000円」の店頭価格を目指すと訴えて注目を集める。一方、長らく米価低迷に苦しんできた鹿児島県内の生産者は、安さを求める消費者心理を理解しつつ「価格が安いままではコメ作りを続けられない」と気をもんでいる。 「60キロ当たり2万3000円は必要」。県内のある生産者が安定生産を続けられると考える概算金の目安だ。店頭価格は5キロ当たり3000~3500円ほどになる。 JAなどの集荷業者が生産者に仮払いする「概算金」は、その年のコメ相場を測る先行指標となり、集荷業者が
中国人3人の大量密猟容疑、地元に衝撃 1匹2万円の天然記念物オカヤドカリを5200匹 1週間かけ乱獲か 取り締まりに限界 奄美大島 世界自然遺産の奄美大島で5月上旬、国の天然記念物オカヤドカリ約160キロを許可なく持ち出そうとしたとして、中国籍の男3人が文化財保護法違反の疑いで逮捕された。奄美署は22日、捕獲されたのは約5200匹に上り、3人は約1週間かけて島内の海岸を巡り素手で集めたとみられると明らかにした。密猟は生態系に影響を与える恐れがあるが、取り締まりは限界がある。生物の多様性を守るには、地域全体の理解や協力が必要となりそうだ。 「ついに逮捕者が出たかという印象。今回は運よく気付けたが、氷山の一角に過ぎない可能性がある」。奄美市立奄美博物館の平城達哉学芸員は指摘する。「オカヤドカリは天然記念物の中では生息数は多いが、5000匹以上集めるのは相当な労力が必要。生態の知識があったのかも
鹿児島市吉野町の仙巌園前のバス停標識の移設を国が県バス協会に求めている問題で、バス停を使う鹿児島交通(同市)が、同市や国にJR仙巌園駅開設とそれに伴う道路工事でバス事業を妨害しないよう求める仮処分を鹿児島地裁に申し立てたことが19日分かった。同社はこれまで渋滞悪化などを理由に移設に応じない意向を示している。 同社や代理人によると、申し立ては同駅開業前の3月14日付。国道10号と市道の改良工事により、付近の道路が恒常的に渋滞が著しく悪化することになり、多額の売上喪失や顧客離れなど、重大な損害を被ると主張している。 バス停移設を巡っては、国土交通省鹿児島国道事務所がこれまで移設勧告を3回出した。県バス協会はバス停を利用する同社と南国交通の賛否が分かれているとして承諾していない。南国交通は安全性が確保されるとして賛成している。 仙巌園前付近の国道10号は2024年3月に通行ルートを変更。同園前付
終着駅の鹿児島に着いた列車の中はごみだらけ=1959(昭和34)年11月30日、鹿児島市浜町の鹿児島駅急行「きりしま」 終着駅の鹿児島に着いた急行「きりしま」の車内。今では考えられないほどのごみが散乱している。新聞紙や週刊紙、弁当箱に酒瓶…。まさに足の踏み場もない。さらには、この車内を狙っている不届き者がいるらしい。中には高価な忘れ物もあり、列車係は間髪入れずに点検するのだという。当時の新聞は「公徳心は旅の空」との見出しで、時代の一こまを点描している。
鹿児島県警で続出の不祥事 表面化する前夜――届いたA4用紙10枚「闇をあばいて」 公益通報か秘密漏えいか 逮捕の元部長と県警、真っ向対立 鹿児島県警の元・生活安全(生安)部長(61)が県警の不祥事を記した文書を札幌市のフリーライターに郵送し、職務上知り得た秘密を漏らした疑いで逮捕、起訴された事件は、「公益通報」に当たるかどうかが争点の一つになる。元生安部長は「野川明輝(前)本部長が職員の犯罪行為を隠蔽(いんぺい)しようとした」と主張。県警側は全面的に否定し、公益通報と認めていない。連載「検証 鹿児島県警」の第4部は、事件の背景や類似事案から公益通報の現在地を探る。(連載・検証 鹿児島県警第4部「公益通報の現在地」①より) 昨年4月3日、札幌市のライター小笠原淳氏(56)の元に1通の封書が届いた。茶封筒に、宛先を印字した白い紙が貼り付けてあった。中にはA4判用紙計10枚。1枚目は1行だけで、
国指定天然記念物のオカヤドカリ数千匹を許可なく持ち出そうとしたとして、鹿児島県警奄美署は7日、文化財保護法違反の疑いで、いずれも中国籍で住所、職業不詳の3容疑者を逮捕した。いずれも男で年齢は24歳、26歳、27歳。3人の認否は明らかにしていない。 24歳と26歳の容疑者の逮捕容疑は、共謀して6日午前11時半ごろ、奄美市の宿泊施設で、許可を受けず、オカヤドカリ約95キロを所持し、持ち出そうとした疑い。27歳の容疑者は同日午後4時50分ごろ、同市で、約65キロを所持し、持ち出そうとした疑い。3人は計約160キロ・数千匹をスーツケース6個に入れていた。 同署によると、3人が宿泊していた奄美市内のホテルで、3人の次に部屋を利用した客から室内で物音がすると連絡があり、職員がオカヤドカリを見つけた。6日にフロントで預かったスーツケースからも物音がしたため、環境省に報告。同省職員が署に通報した。署は動機
シラスウナギ豊漁となった2024年漁期。ただ国内産だけでは賄えないのが現状という=24年12月1日、大崎町の菱田川河口 食用のニホンウナギを含むウナギ類全種を対象に、ワシントン条約の規制対象とする提案を欧州連合(EU)が検討していることについて、ウナギの養殖生産量日本一を誇る鹿児島県の関係者からは「経営が成り立たなくなる」「国は提案を防いでほしい」などの声が聞かれた。 EUは、ウナギ類全種を輸出国に許可書の発行を義務付けしたい考えとみられる。仮に提案が認められた場合、輸入シラスウナギ(ウナギの稚魚)の入手が難しくなり、取引価格の高騰が予想される。 県水産振興課によると、県の2024年度漁期のシラスウナギ採捕量は約2.5トン。35年ぶりの2トン超えと「豊漁」だった。一方で、養殖用に投入するシラスウナギの池入れ量上限は鹿児島県は8.5トン。不足分は県外産や輸入で補っているのが現状という。 県内
鹿児島県出水市の椎木伸一市長は23日までに、組織改善を求め「総合調整権」を行使した広瀬川漁業協同組合に対し、損害賠償請求を視野に弁護士と調整していると明らかにした。 22日の市議会全員協議会で報告し「真摯(しんし)に向き合う姿勢が見受けられない。厳正に対応していかざるを得ないと考えている」と述べた。 米之津川の漁業権を持つ漁協については、肥薩おれんじ鉄道の鉄橋補修を巡り、男性理事が同社役員らを長時間批判したなどとして、椎木市長が2月、地方自治法に基づく総合調整権を行使。組織改善策を出すよう求めているが提出されていない。 魚の増殖につながらない放流をしているとし、県が漁協にオイカワの増殖命令を出したのを受け「(放流事業など)市の単独補助金の返還請求についても協議を進めている」とした。 漁協の内木場司組合長は取材に「詳しい内容が分からないのでコメントできない」と答えた。 全員協議会で市は、漁協
鹿児島市郡元1丁目の交差点で2日に起きた市電と軽乗用車の衝突事故について、市交通局は21日、市電の運転士が軌道敷内で停車中の車に気づきブレーキをかけたが、軌道にたまったクスノキの落ち葉の影響で滑走し、間に合わなかったと、市議会産業観光企業委員会に報告した。 報告によると、市電は時速約30キロで走行中、約80メートル先の車に気づきブレーキをかけた。通常45メートルほどで停止するところ、滑走していると感じ車輪のロックを防ぐ措置などを取ったが止まらず、時速約15キロで車に衝突。はずみで前方台車の車輪2軸が脱線した。市電の乗客5人が軽傷を負った。 市内では秋のイチョウ、春のクスノキと街路樹が落葉するため、同局では日常的に落ち葉除去や砂まきをして滑走防止に努めている。事故を受け、こうした対策を徹底するほか、枝の伐採などを道路管理者と協議するとしている。 道路交通法は、路面電車が接近してきた際に車はす
漁協理事が叱責14時間…築100年の鉄橋補修が宙に 高校生は不安、市が是正勧告も打開策見えず 肥薩おれんじ鉄道 第三セクター・肥薩おれんじ鉄道(熊本県八代市)は、鹿児島県出水市にある鉄橋の補修に当初予定から3年過ぎても着工できていない。米之津川の漁業権を持つ広瀬川漁業協同組合(同市)の男性理事から同意が得られなかったことが理由という。鉄橋は建設から100年以上が経過。同社は「経年劣化が進み、重大な事故を招く恐れがある」として、出水市に協力を求めている。利用者からは不安の声が上がっている。 同社や市によると、米之津川に架かる長さ179.9メートルの広瀬川橋梁(きょうりょう)。1923(大正12)年に建設された。 同社は劣化が著しく修繕が必要な状況のため国に補助金を申請し、2021年10月に業者と工事の契約を結んだ。 契約から2日後、漁協の窓口として紹介された男性理事に工事内容を説明。理事はそ
軌道敷内での鹿児島市電と自動車の接触事故が2024年度、前年度比9件増の32件で、令和になって最多となった。2日には郡元1丁目で軽乗用車が接触する事故があり、市交通局は改めて注意を呼びかけている。 24年度の事故のうち、31件が自動車の右折絡みの事故で、市電側の過失は2件。車が軌道敷を横切って右折する際、並走する市電に気付かなかったり、急に曲がったりして接触するケースだ。 道交法では、市電が近づいてきた際に車は軌道敷外に出るか、必要な距離を取ることが定められている。同局も24年度、新たに甲東中学校前などの交差点6カ所で、自動車向けに停止目安線の路面標示をするといった対策を講じている。 注意喚起のポスターも600枚製作し、自動車学校やレンタカー会社などに配布。末吉健治電車事業課長(56)は「免許を取得したばかりで不慣れなドライバーも多い時期。運転士にも注意喚起している。ドライバーと一緒に安全
鹿児島県が広瀬川漁業協同組合(出水市)に対して、魚の増殖につながらない放流をしているとして、稚魚の放流などを求める増殖命令を出していたことが3日、分かった。県が命令を出すのは初めて。 県によると、漁協は出水市の米之津川で漁業権があり、漁業法に基づき魚を増やす義務がある。 漁協は2017〜23年度、米之津川で取ったオイカワを、数十メートルほどしか離れていない所に放流していた。漁協はオイカワを年間5キロ増殖する目標を定めていたが、学識経験者らでつくる県内水面漁場管理委員会が「増殖につながると判断しがたい」と指摘した。 命令は3月28日付。12月末を期限に、オイカワ10キロの放流と、4カ所以上に計16平方メートルの産卵場の造成も求めた。漁業法では、命令による計画を達成しなかった場合、県が漁業権を取り消すことになっている。 漁協の内木場司組合長は「理事会に諮って、対応していきたい」と話した。 漁協
鹿児島市の元参院議員秘書尾辻朋実氏(44)は28日、県庁で会見し、夏の参院選鹿児島選挙区(改選数1)に無所属で立候補すると正式に表明した。県内の選挙区選出の女性国会議員は憲政史上ゼロであるとし、「40代の子育て世代として、子どもたちが未来に希望を持てる社会に変えたい」と語った。 自民党の尾辻秀久参院議員の三女。昨年、自民が公募した鹿児島選挙区の公認候補の選考に漏れた。1月に立憲民主党に入り、党推薦を受ける。 「非常に常識外れな戦い方だが、(自民にいては)会えない人の話が聞ける」と述べ、党派を超えて支援の輪を広げたいと説明。世襲批判には「父を見てきたから政治の世界を目指す。2世という批判は真正面から受け止める」と話した。 国民皆保険・皆年金の堅守、弱者に光を当てる「虫の目」に徹する姿勢を重視すると訴えた。 鹿児島市出身、早稲田大学卒。三井物産や弁護士事務所での勤務を経て、2019年から秀久氏
ウェブメディアへの強制捜査は適正だったのか…「取材源の秘匿を脅かす」。噴出する批判にも鹿児島県警は「法的に問題はない」 鹿児島県警の情報漏えい事件を巡り、県警は福岡市のウェブメディアを家宅捜索した。取材活動に従事する記者にとって、「取材源の秘匿」は堅守すべき鉄則であり、それを脅かす事態となっている。警察権力の暴走か適正な捜査か-。連載「検証 鹿児島県警」の第3部は、一連の経緯や海外の事例を通し、メディア捜索の是非を考える。(連載・検証 鹿児島県警第3部「メディア捜索の波紋」①より) 2023年10月、福岡市のウェブメディア「ハンター」は、独自取材で得たという鹿児島県警の内部資料を一部黒塗りにして、捜査の在り方を追及する記事を発信した。「告訴・告発事件処理簿一覧表」という書面で、事件の概要や処理経過などが記されていた。 24年3月には新たな一覧表を別のウェブメディアが掲載し、県警は「100件
〈詳報〉身に覚えのない辞任届で解任された…J3鹿児島ユナイテッドFC代表 書類送検 クラブ側は意図的な偽造を否定「本人への確認不足」 サッカーJ3鹿児島ユナイテッドFC(鹿児島U)の徳重剛代表(47)が、関連団体の理事だった40代男性の辞任届を偽造したとして電磁的公正証書原本不実記録などの疑いで鹿児島地検に書類送検されたことが11日分かった。 男性が、身に覚えのない辞任届で解任されたとして2023年秋に鹿児島中央署に告発していた。 告発状によると、男性は鹿児島Uのユースチームなど下部組織を運営する一般社団法人の理事を務めていた。徳重代表は、20年6月の法人登記の際、男性に無断で男性名の印鑑を押した辞任届を作成。鹿児島地方法務局に提出したという。徳重代表は公認会計士の資格を持っている。 鹿児島Uは13年にサッカークラブのFC鹿児島とヴォルカ鹿児島が統合して誕生。徳重代表はFC鹿児島の設立に関
肥薩おれんじ鉄道は、運転士不足で運休する観光列車「おれんじ食堂」で三つの代替えイベントを企画した。鹿児島県出水市の出水駅ホームに車両を止め、午前11時~午後1時半の間の1時間半ほどを予定する。 4月5、6の両日は「ただいまプラン」。5日はフレンチ、6日は和食を味わう。沿線の土産やウエルカムドリンク、おれんじ1日フリー切符などが付き、大人1万1800円、小人6400円。 4月12日~6月29日の土・日曜日は「ステーションプラン」。地域食材を使った料理と、同切符、フリードリンクが付き、大人9800円、小人4900円。制服着用の体験もできる。 5月5、6の両日は「こどもレストラン列車」。クルー体験は親子1組9800円、鮨(すし)職人体験は大人9800円、小人2000円。いずれも食事(クルーはフレンチ、鮨職人は和食)に同切符が付く。 同社=0996(63)6861=へ、開催日の10日前までに申し込
200人枠に1000人以上が応募…バス運転手の大量採用に成功した岡山の両備グループ、「宇宙一作戦」の狙い的中 運転手が足りない。地方だけでなく鹿児島市内でも運転手不足による路線バスの減便・廃止が相次ぐ。住民の移動を支えるバス業界の求人難は深刻だ。待機時間のある変則勤務や事故リスクが敬遠されがちな上、平均年齢の高さなど構造的問題も横たわる。バス運転手を取り巻く実情を紹介する。(連載かごしま地域交通 第2部「運転手はどこへ」番外編より) 「空気圧OK」「バッテリー液問題なし」。ぐるりとバスの車体を一周しながら運行前点検する栗原秀之さん(44)。テキパキとした動きと手際のよさは熟練の風格さえある。実は昨春、路線バスの運転手になったばかりの新人だ。 岡山市を中心に路線バスやタクシー事業を展開する両備グループは2023年から24年にかけ、約200人の乗務員採用に成功した。 栗原さんの前職はバスとは無
鹿児島県バス協会は7日、仙巌園前のバス停標識(鹿児島市吉野町)の移設を求める国の勧告書に対し、「承諾できない」とする回答書を提出した。同協会によると、標識を利用する南国交通と鹿児島交通の賛否が分かれ、結論を出せる段階にないため。 標識を巡っては、国土交通省鹿児島国道事務所が2月、道路工事の支障になるとして3月14日までに移設を求める勧告書を同協会に提出。南国交通は安全面を理由に移設に賛成する一方、鹿児島交通は仙巌園駅開業で渋滞悪化が懸念されるとして移設にも難色を示していた。 国は昨年3月、事故対策を目的に国道10号仙巌園前付近の通行ルートを変更。同園前付近から旧集成館前までの200メートルに左折レーンを整備し、それに伴い新たなバス停留スペースを設け、標識を移す計画となっている。一帯は同駅開業を15日に控える中、現在も左折車線上にバス停が残ったままの状態が続く。 同事務所は「危険な状態を一日
24人辞めて入社はたった4人…バスの運転手が足りない コロナ禍以降も離職止まらず、休日出勤頼みの運行が続く 運転手が足りない。地方だけでなく鹿児島市内でも運転手不足による路線バスの減便・廃止が相次ぐ。住民の移動を支えるバス業界の求人難は深刻だ。待機時間のある変則勤務や事故リスクが敬遠されがちな上、平均年齢の高さなど構造的問題も横たわる。バス運転手を取り巻く実情を紹介する。(連載かごしま地域交通 第2部「運転手はどこへ」①より) 「『県をまたぐな、行動を控えろ』という国のメッセージは強烈だった。運輸業界はもろに影響を受けた」。鹿児島交通(鹿児島市)の西村将男副社長は新型コロナウイルス感染拡大時を振り返る。 乗客とともに、先行きが不安になった運転手もいなくなった。自らも感染の恐れと闘いながらバスを動かし続ける重圧は気持ちを折るのに十分だった。 市内を中心に、市内と大隅半島や南薩を結ぶ442系統
男は生活保護中。携帯電話料金を払えず、コンビニ強盗を決意した…午前3時過ぎ、大通りから離れた店を選んだ 初公判で懲役5年求刑「計画的犯行」 鹿児島地裁 鹿児島市のコンビニで店員を脅し現金を奪ったとして、強盗と銃刀法違反の罪に問われた鹿児島市加治屋町、無職の被告男(59)は3日、鹿児島地裁(川口洋平裁判官)の初公判で「間違いない」と起訴内容を認めた。検察側は「計画的犯行」などとして懲役5年を求刑、弁護側は執行猶予付き判決を求めて即日結審した。判決は3月13日。 検察側は冒頭陳述で「生活保護を受給し暮らしていた。借金などで携帯電話料金が支払えなくなり現金を得ようと、大通りから離れた場所にあるコンビニの強盗を決意した」と指摘した。 起訴状などによると、2024年12月22日午前3時25分ごろから同27分ごろまでの間、同市上之園町のファミリーマート上之園町店で、店員に対して刃体約10.4センチの登
国宝の最寄り駅なのに長らく閑古鳥…今、なぜ若者が集まる? 駅舎リニューアルが起爆剤、出店相次ぎSNSで注目 建築デザイン会社の仕掛けはまだまだ続く 霧島神宮駅 鹿児島県霧島市霧島大窪のJR日豊線・霧島神宮駅は3月22日に駅舎リニューアルから1年を迎える。駅前にはカフェやギャラリーなど多彩な店がオープンし、連日多くの観光客が訪れるようになった。国宝・霧島神宮の最寄り駅にもかかわらず沈滞していた一帯は、駅舎を中心ににぎわいを取り戻しつつある。 スイーツを手に散策する男女、足湯にのんびりつかる家族、駅舎を背に記念撮影する若者…。2月中旬の休日の昼下がり、霧島神宮駅には多くの人がいた。駅舎リニューアル前には見られなかった光景だ。 列車から下車する人もいれば、バスやタクシーで訪れる人もいる。駐車場は車でいっぱい。県外ナンバーが混じる。家族4人連れの福岡県柳川市の公務員、田中健二朗さん(35)は、交流
出水市議会は18日の定例会で、鹿児島県の米之津川の漁業権を持つ広瀬川漁業協同組合に対する「総合調整権」を市長が行使できる議案を上程し、可決した。肥薩おれんじ鉄道の鉄橋工事を巡り、漁業権とは無関係の批判を繰り返した行為への是正勧告や、不当・不誠実な行為を繰り返す理事の解任など組織改善を指導する。 総合調整権は地方自治法に基づく措置。強制力はない。 椎木伸一市長の提案理由によると、同社が予定していた米之津川に架かる広瀬川橋梁(きょうりょう)の補修工事を巡り、漁協理事が2021年10月、同社事務所で役員や社員を14時間にわたり拘束、漁業権とは関係のない批判、叱責(しっせき)を繰り返した。同社が行う手続きなどに対し、正当な理由なく拒否、遅延させることは「運行に支障をきたし、経営の根幹を揺るがす問題」と指摘した。 同社は今月13日付で市に対し、漁協への対応に協力を求める要望書を提出。橋梁は1923(
第三セクター・肥薩おれんじ鉄道(熊本県八代市)の経営安定化を図るため、国の「社会資本整備総合交付金」活用に向けた第2回法定協議会が13日、鹿児島県出水市であった。他の交通事業者との連携など地域公共交通計画の骨子案が示された。 骨子案は、地域住民におれんじ鉄道の利点を感じてもらい、鉄道を軸とした公共交通ネットワークの実現を目指すことを目標に掲げた。共同タクシーや公共ライドシェアの導入、貨客混載輸送の検討など17の施策が記された。運行間隔を補完するため、路線バスやコミュニティーバス、乗り合いタクシーなどと連携して運行することも検討する。 委員からは「イベントの際はターゲット層を分析して情報発信するべきだ」との意見が出た。次の協議会で計画の素案を示し、本年度中の計画策定を目指す。
運航廃止が決まった深夜の桜島フェリーに密着、船上で出合った残業の疲れと、恋と、夜の仕事と…「いつかはこうなると」変わる未来に利用者困惑 鹿児島市街地と桜島を結ぶ桜島フェリーは10月から、経営改善を目的に、深夜帯の8便(午前0時~3時半発)が廃止される。2月1日、全ての便に乗り、客室の乗客に話を聞いた。利用の少なさから「廃止は仕方ない」との受け止めが多かったが、仕事や私生活への影響から困惑する様子もあった。乗客の声を紹介する。 【午前0時、桜島港発。旅客3人、車両5台】 市街地の実家へ帰る鹿屋市の公務員女性(24)「鴨池・垂水フェリーの最終便は午後9時で、仕事後は間に合わない。赤字解消のため深夜便廃止は仕方ないと思うが、週末から月曜朝にかけては維持してもらえるとありがたい」 市街地の恋人宅へ向かうという鹿屋市の接客業女性(25)「午後10時に仕事を終え、急いで桜島港へ車を走らせた。毎週末、深
青息吐息のバス業界、運転手足りず応募も低調、収支改善ままならず…減便や路線網縮小避けられぬ負のスパイラル、細りゆく公共の足の活路はどこに 鹿児島市交通局のバス事業で、運転手不足が深刻になっている。2024年度に入り、委託先からの運行業務返上が相次いでいることが主な理由。欠員解消の見通しは薄く、25年7月のダイヤ改正で減便や路線網縮小は避けられない情勢だ。これまで経営赤字が問題視されてきた交通局だが、目下の課題は運転手確保へと局面が変わっている。 交通局の路線バスは22路線あり、うち北営業所(伊敷台7丁目)管轄で共同運行を含む13路線は南国交通に運行委託してきた。同社は24年4月、自社の運転手不足を理由に3路線を返上。ほかにも日ごと、便ごとの返上が常態化している。 業務が戻されたことで、交通局の必要な運転手数は以前の82人から、25年1月現在で100人まで増加。一方、求人への応募は低調で採用
2月から運休する肥薩おれんじ鉄道の下り列車から降りる乗客=14日午前6時10分ごろ、薩摩川内市の川内駅 肥薩おれんじ鉄道(熊本県八代市)が発表した運転士不足による2月1日からの一部列車の運休は、対象が早朝のため主に高校生の通学に影響が出そうだ。利用者らは「遅刻するかも」と心配する。出水地区の6高校は今後、意見や要望をまとめ同社に伝える方針。 発表後の最初の平日となった14日早朝、運休対象の下り始発列車が川内駅に到着した。JR鹿児島線に乗り換えた阿久根市の松原豊和さんは、鹿児島市の鹿児島商業高1年。阿久根駅から鹿児島中央駅を経て路線バスに乗り、約2時間かけて通学する。次の列車ではぎりぎりで遅刻する可能性がある。「少し困っている。先生に事情を伝えたい」と話した。 出水市の出水商業高では、22人が米ノ津駅午前7時35分着の上りで通う。阿久根駅から乗る1年の花田玲於さんは「運休すると50分近く早い
「まさか自民現職の娘とは…」尾辻秀久氏の三女朋実氏と推薦を決めた立民、思惑一致した両者の事情〈2025参院選鹿児島〉 参院議長まで務めた自民重鎮、尾辻秀久参院議員(84)の三女を、なぜ立憲民主党が夏の参院選鹿児島選挙区で推薦することになったのか。「勝てる候補」を応援したい立民県連側と、支持基盤のない尾辻朋実氏(43)の思惑が重なった形だ。ただ立民が連合鹿児島や他の野党の理解を得て、どこまで力を結集できるかは見通せない。 「弱い立場の方に寄り添う先生の意志、政治信条を継ぐ朋実さんの力をお借りしたいと考えています」。昨年11月中旬、東京・永田町。立民県連の川内博史選対委員長は秀久氏を訪ね、頭を下げた。 ■ドミニカつながり 秀久氏と川内氏はドミニカ移民問題で、超党派議員連盟の会長と事務局長として解決に向けて取り組んだこともある。川内氏は、自民の選考に漏れた朋実氏へ接触する前にあいさつに出向いてい
あれもこれも足りない…低予算の指定管理で公立図書館を運営するなら、「この手法しかない」。先進的なNPO法人が導いた答えは、あえぐ地方の道標になるか 鹿児島県指宿市の指宿、山川の両図書館の指定管理者に共同企業体(JV)の「そらまめの会パートナーズ」が指定された。両図書館の指定管理を4期18年にわたり担ってきた同市のNPO法人「本と人とをつなぐ『そらまめの会』」が単独での応募を見送り、全国で図書館運営に携わる大手の図書館流通センター(東京都、TRC)とタッグを組んだ。 「私たちが図書館運営を続けていくための最後の希望が、JV設立だった」。同会の下吹越かおる理事長は沈痛な面持ちで語った。市が指定管理制度を導入した2007年度から単独で運営を担い、先進的な取り組みが全国で高い評価を得てきた同会。しかし近年は「続けていくためのモチベーションを維持できなくなっていた」と明かす。 理由の一つが人手不足に
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