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衆院選
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ある製造業のDX推進部門長から、DXについてわかりやすく話をして欲しいというご依頼を頂きました。私は、いつものように、なぜこのような講演を企画されたのか、その目的と、講演の結果として、受講者をどのような状態にしたいのかの「あるべき姿」を尋ねました。 すると、次のようなご意向を教えて頂けました。 せっかくいろいろいとデジタル・ツールを提供しているのに、現場は使ってくれない デジタル・ツールをうまく使えば業務効率化ができるので仕事が楽になることを分からせたい デジタル・ツールを身近なものとして、積極的に使うようになってほしい おわかりの通り、これはDXの話しではありません。IT活用、デジタル活用の話しであり、その先にあるビジネスの変革、業務プロセスの変革、企業の風土や文化の変革といったDXの目指すあるべき姿の話しではありません。 何もそれが悪いとか、ダメだとか言いたいわけではありません。このよ
AIの危険性について、Open AIのChatGPT Plus、MicrosoftのBing Chat、GoogleのBardに、同じ質問文で尋ねてみました。 質問:AIの危険性について、箇条書きにして説明して下さい。 OpenAI ChatGPT Plus(GPT-4) AIの危険性について、以下に箇条書きで説明します: 悪用や攻撃への利用: AI技術が悪意を持った個人や組織によって利用される可能性があります。例えば、AIを使ったサイバー攻撃や個人情報の悪用、フェイクニュースや偽造映像の生成などが挙げられます。 偏見や差別の増大: AIは大量のデータを学習するため、既存の偏見や差別を反映する可能性があります。これにより、人種や性別、社会的地位などに基づいた不平等や差別的な結果が生じる可能性があります。 人間の仕事への影響: AIの進歩によって、自動化が進んだり、労働力の一部が置き換えられ
「ITベンダーやシステム・インテグレーターからユーザー企業への転職需要はかつてないほど増えています。」 人材紹介を手がける方からそんな話を聞いた。しかし、売り手市場だからといって、全てがうまくいくわけではないという。 「優秀な若手のエンジニアであれば、ユーザー企業も積極的に受け入れてくれますが、デジタル戦略を担わせたい幹部候補やCIO候補となると、うまくマッチングできないケースが少なくありません。」 対象となるのは、40〜50歳代のベテランということになるのだろう。彼らに期待されているのは、テクノロジーを経営や事業に結びつける戦略策定と実践のイニシアティブだ。その需要に応えられないというのだ。 大きな看板を背負い、修羅場をくぐり、難しいプロジェクトをこなしてきたという輝かしい実績はある。しかし、その多くは、依頼された仕事を確実にこなすことであり、自らが企画や戦略を立案し推進したわけではない
ある業務で一連のサービス(特定の業務を処理するプログラム)を連結させて全体の処理を行う方式に、オーケストレーション(Orchestration)とコレオグラフィ(Choreography)があります。 前者は、指揮者の指示に従って各演奏者が担当する楽器を演奏するように、全体の処理の流れを制御する指揮者にあたるプログラムが存在し、そこからのリクエストによってサービスを実行し、実行結果をレスポンスとして指揮者に返して次の処理に引き継ぐ方式です。これを「リクエスト・リプライ方式」と呼んでいます。 各サービスは、そのサービスを制御する指揮者が受けもっている特定の処理のためだけに利用され、他の指揮者が制御する別の処理を引き受けて実行することはありません。そのため処理が増えれば、指揮者のプログラムもその数必要となり、同時に多くのサービスが駆動されます。 一方、後者は、演劇や踊りで演技者に予め振り付けが
「アジャイル開発に取り組んではみたのですが、うまくいかないので、元のやり方に戻そうと思っています。」 あるSI事業者での講演の後、こんな話しを伺った。同様の話しは、他でもよく耳にする。 私は、エンジニアでもなければ、アジャイル・コーチでもない素人だ。ただ、成果をあげているアジャイル・チームの連中との付き合いは多く、「門前小僧」程度には、アジャイルについては理解しているつもりだ。そんな、私でさえも、これは失敗するだろうと、思うことが多い。 うまくいかない取り組みに共通しているのは、おおよそ以下の3つに整理できそうだ。 ひとつは、「システムを作ることを目的にしていること」だ。 ビジネスを成功させること目的とせず、そのための手段である「システムを作ること」を目的としている「アジャイル開発(?)」では、うまくいかないのは当然のことだ。 2001 年初頭、ユタ州スノーバードで、ソフトウェア開発の将来
未だPPAPが後を絶ちません。この迷惑行為を周知し、対策を講じてもらうことは、そのことを知る人たちの責務かも知れません。 そんなわけで、私はPPAPメールをお送り頂いた方に、次のような文言を付けて、再送を依頼しています。折しも政府がPPAPの廃止に向けて動き出しました。これを機に、そんなムーブメントが広がることを期待しています。どうぞ、本文をそのまま、あるいは加工して、ご自由にご活用下さい。 なお、本文はfreeeの「メールによるパスワード付きファイルの受信を廃止」についての告知文を参考に、こちらで加筆修正して作らせていただきました。 資料のご送付ありがとうございます。ただ、大変申し訳ありませんが、zip暗号化されたパスワード付きファイルを、弊社では受信することができません。別の手段で、ご送信頂ければと存じます。 既に、広く周知されているように、zip暗号化されたパスワード付きファイルは、
コロナ禍をきっかけに、仕方なく、あるいは半ば強引にテレワークを実施した企業は少なくないだろう。しかし、そのことで、出社しなければ仕事ができない、直接対面しなければ商談はすすまないとの常識が、ただの思いこみであったことに、気付かされた人たちも多いはずだ。 一方で、テレワークの足かせとなるシステム環境や制度などの課題が浮き彫りとなった。これを克服して、テレワークを常態化するのか、あるいは、元の状態に戻すのかによって、今後の企業の評価が、大きな影響を受けることも確かだろう。特に採用においては、無視できない影響があるだろう。 例えば、新卒者はリモートワークができるかどうかが応募の選択肢の1つになるだろう。テレワークができれば、地方の優秀な人材を採用できる機会が生まれる。人材の流動化も加速する。特に「どこででも通用する」優秀な人材にとっては、リモートワークは、働き方の自由度を高めることであり、自分の
HRT この言葉をご存知だろうか。『Team Geek〜Googleのギークたちはいかにしてチームを作るのか』という本で紹介されている「Humility(謙虚)」、「Respect(尊敬)」、「Trust(信頼)」を示す言葉だ。 "あらゆる人間関係の衝突は、謙虚・尊敬・信頼の欠如によるものだ" Googleのエンジニアたちが、最高のチームをつくるために実践したことが記されている。 謙虚(Humility) 世界の中心は君ではない。君は全知全能ではないし、絶対に正しいわけでもない。常に自分を改善していこう。 尊敬(Respect) 一緒に働く人のことを心から思いやろう。相手を1人の人間として扱い、その能力や功績を高く評価しよう。 信頼(Trust) 自分以外の人は有能であり、正しいことをすると信じよう。そうすれば、仕事を任せることができる。 『その仕事、全部やめてみよう』 私は、この本を書い
「セキュリティ対策」とは、ITを使いこなし、その価値を最大限享受しても安全・安心を維持する対策である。ユーザーに意識させ、負担させる「セキュリティ対策」、パスワードを何度も入力し、申請や承認のための手続きがやたらあって、業務を滞らせる「セキュリティ対策」も、ITの価値を毀損し、仕事の生産性を低下させるようでは、ITの価値を活かせないどころか、毀損している。 セキュリティのためにと様々な制約を課し、仕事の生産性を低下させている企業が、お客様の業務の生産性の向上に貢献できるわけがない。そんなIT企業に、仕事の依頼を続けることが、どれほどリスクが高いかを真剣に考えた方がいいだろう。 「ヤバイIT企業」は、次の3つの踏み絵で判断できる。 PPAPを使っている会社 PPAPとは、添付ファイルを暗号化し、zip圧縮して添付ファイルにして送信し、その後、平文でパスワードを送付する手順のことだ。これはセキ
あるIT企業から、若手営業を対象とした研修を実施したいとのご依頼を頂戴した。この会社からは、毎年同様のご依頼をいただいており、もう10年近くになる。 今年は、こんな状況になって、オンラインに切り替えたいとのことで、ならばzoomではどうかと提案をした。すると、zoomは禁止、オンプレのSkypeでお願いしたいとのことだった。 「オンプレのSkype?流石にそれは辞めましょう。」 そう申し上げたところ、それしか方法がないので、なんとしてもそれでやりたいとのことだった。しかし、話しを聞けば、数人でも画面はカクカク、音声も途切れるという。ならば、数十名の受講者が参加するこの研修で絶えられるはずがない。 そのためのバックアップに、録画できないかというご相談もあったが、これは本末転倒の話しだ。ならばSkypeでの講義はやらずに録画だけでやってはどうかと申し上げると、それは困るという。なぜ困るかと言え
2006年、当時GoogleのCEOであったエリック・シュミットが「クラウド・コンピューティング」という言葉を使ったことをきっかけに、新しいコンピューティングの可能性に関心を持つ人たちが増えていった。その可能性を追求した米国のベンチャー企業は、やがてGAFAと呼ばれるようになり、世界に大きな影響力を持つようになる。 一方、日本のITベンダーやSIerは、「日本はアメリカと違い、サーバーやライセンスの販売が必要であり、その需要がなくなることはない」とクラウドには消極的な立場を崩すことはなかった。また、「クラウドはセキュリティが心配だから使えない」とお客様に説明し、自らもそれを信じていた。 確かに、クラウドが登場した当初は、未熟であり制約も多く、あながちこれが間違えだったわけではない。しかし、制約がある中でも可能性を見出し、その制約を克服して、ビジネスの可能性を広げてきたのが、米国のベンチャー
「Zip圧縮して暗号化した添付ファイルを送ることはご遠慮頂けないでしょうか。そもそも、単なる未記入の事務手続きの書式でセキュアな内容ではありませんから。」 「申し訳ありません、添付ファイルをつけてメールを送ると、自動的にZip圧縮・暗号化されて送られてしまうので、どうしようもありません。」 Zip圧縮・暗号化された添付ファイルは、ウイルス・スキャンができず、なりすましで送られてくると対処しようがない。そもそも、平文でパスワードを送っているわけだから、セキュリティ対策にはなっていない。誤送信対策という人もいるが、自動で送られてしまう仕組みなら、その意味もない。何よりも、開封する側の面倒を顧みていない。時折、自動で送られてきたパスワードがスパムと間違えられて迷惑メール・フォルダーに振り分けられてしまうこともあり、わざわざ探さなくてはならない。甚だ迷惑な話だ。 こんなことは、いまさら私が大声を上
「いつでも、どこでも働ける」環境を整えることは、いまや働き方改革の要件となっています。そうなると、社外に持ち出したデバイスで、社内システムやクラウドを活用して仕事をするのは当たり前となり、ネットワークにおける社内と社外の境界は意味を持たなくなります。また、ウイルスに感染したパソコンから社内ネットワークを介して感染を広げ被害をもたらす事故や、内部の悪意あるユーザーが機密情報を漏洩してしまうといった事件も後を絶ちません。 「社内は"善"、社外は"悪"」という前提に立ち、ファイヤーウォールで「社内外の境界を守る」従来の「境界防衛セキュリティ」は、もはや役に立たなくなってしまいました。 また、クラウドの利用拡大により、インターネットを介した外部へのアクセスは益々増大します。これらアクセスの全てを、ファイヤーウォールで守ろうとすれば、処理能力が追いつかずスループットの低下は避けられません。高速・大容
「IoTで新しい事業を立ち上げたい」 例えば、このようなお客様からの相談に、あなたならどう対処するだろうか。 センサーを工場内に配置して、従業員の稼働状況や作業効率を把握できるようにしたい。 ARを使って、工程の進捗や設備の状況を即座に知ることができるようにしたい。 RFIDを使って、資材の動きを把握し、設備や人員の最適配置を直ちに割り出せるようにしたい。 なるほど、いままでにできなかったことができるようになりそうだ。しかし、少し待って欲しい。そもそも「なぜ、何のために」、このようなことをしなければならないのだろう。新しい技術が登場し、それを使ってみて、何ができるか、どれだけのことができるかを知りたいという知的好奇心は大いにけっこうだが、「なぜ、なんのために」やる必要があるのだろう。自分たちの「あるべき姿」はどうあるべきか、その実現を阻む課題は何か、その課題を解決することにどれほどの価値が
もし、あなたが、次のようなことをしているのであれば、これは大いに反省すべきだ。 自分たちの「できること」でしか解決策を示そうとしない。 機能や性能については説明できるが経営や事業の成果にどのような貢献ができるのか説明できない。 これからのテクノロジーやその可能性について分かりやすく説明できない。 お客様が新しい方法論や見積を求めても旧来のやり方で提案しようとする。 新しい方法論やテクノロジーの適用を求めると保証できない、実績がない、時期尚早などのネガティブ・ワードで翻意を迫る。 やがて、お客様から愛想を尽かされてしまうだろう。 工数の需要がなくなるわけではない。ただ、作業工数に応じた労働力に対価を支払うというやり方は、自動化ツールやクラウド・サービスとの競合や人口の減少と相まって、そこでの収益の拡大を期待することができなくなる。 また、工数需要そのものの内容が変わる。例えば、「コードを書く
ITあるいはデジタル・テクノロジーの積極的な活用が、事業戦略上不可避であるとの認識は、もはや広く行き渡っている。しかし、そんな自覚のある企業に話しを聞けば、ITベンダーやSI事業者に相談しても、「何をしたいか教えてもらえれば、その方法を提案します」というスタンスを崩さないという。 また、自分たちにできること、あるいは自社のサービスや製品の範疇でしかテクノロジーを語ってくれない。お客様の経営や事業に踏み込んで、何をどのように変えてゆけばいいのかを一緒に考え、広くテクノロジーのトレンドや可能性から助言を与えてくれるようなことはないという。 だから「共創」が大切だとIT企業各社は標榜する。しかし、主導権は常にお客様であり、自分たちはサポート役として助言する立場を越えようとしない。提言して、方向を示してくれることなどない。自らもリスクを共有し、お客様と一緒になって新しいビジネスを作って行くことが「
「SIerに依頼してやっていたら1億円はかかっていたでしょう。しかし、3ヶ月で内製したので、社内の人件費だけですから400万円程度でできました。しかも、内部なので、常にユーザーやビジネスの現場からのフィードバックをうけ、どんどんとアップデートを繰り返しています。明日とか来週とか言う話しではなく、10分後には問題を解決していることもありました。結果として、顧客の満足度は高まり、利用も増えて、得られた収益は莫大な金額となっています。」 あるサービスを立ち上げた経験を金融関係のCTOから伺った。 「いま、社内のサービス開発で手一杯ですが、2ヶ月後くらいなら、引き受けることはできますよ。まあ、3ヶ月もあればできるでしょうから、たいして費用はかかりませんよ。」 あるサービスの開発をしてほしいと、製造業でサービス開発している責任者に相談したところ、こんな回答を頂いた。彼らは、社内だけではなく、社外の仕
デジタル・トランスフォーメーション AIやIoTを使って新しいビジネスを始めることではない。ビジネス・プロセスのデジタル化することだけでも難しい。デジタルを前提にビジネスモデルや組織文化を変革することだ。そのためには、自分たちもまたDXを実践し、その経験から得られたノウハウをスキル・トランスファーすること。これを「共創」という。 ゼロトラスト・ネットワーク パスワードレス、VPN不要、ファイヤウォール不要のこれからのセキュリティの常識。FIDO2、Azure AD & Azure Sentinel、SSO(Single Sign On)などとの組合せにより、利便性を追求したセキュリティを実現。クラウド・サービス前提の時代になり、全てのトラフィックをデータセンターのファイヤウォールに集約させることの愚がITのもたらす価値や利便性を毀損する。 コンテナ ハイブリッド・クラウドやマルチ・クラウド
テクノロジーが発達し常識がどんどんアップデートされているにも関わらず、働き方の常識が、まるで追いついていないのは、なんとも残念なことです。 先日、あるシステム子会社の方からDXについて講演をして欲しいと依頼があり、打ち合わせに伺いました。まず驚いたのは、先方の同席者が3人いたのですが、ノートパソコンを持参した方は1名だけ、しかも、机の下からLANケーブルを引きずり出して差し込んで使っていました。いまどきLANポートがあるPCは珍しいわけですが、当然そのPCも相当古い機種で、Windows7で動いていました。そして、その上でVDIを使って自分のデスクトップにアクセスをしていました。 「皆さん、PCを持参されないのですか?」 そんな質問をすると、オフィスから持ち出しをするには許可がいること、また、仮に持ち出してもLANケーブルが少なく使えないことも多い上、VDIの応答も遅く使い勝手が悪いので手
「危機感」という言葉には、2つの感情が交錯する。1つは、「恐怖」である。このままでは死んでしまう、未来がない、ダメになってしまう。だからといって、諦める訳にはいかない。何とかしよう、生き残る方法があるはずだ、そんな「希望」がもうひとつの感情である。 この感情の源泉には、「愛情」がある。ともに成長したい、幸せになって欲しい、あなたのことを大好きだから。 及川卓也氏の新著「ソフトウエア・ファースト」には、そんな及川さんの「危機感」と「愛情」が紡がれている。 日本が置かれた状況を考えると、そこかしこに修羅場があるはずなのですが、茹でガエルのごとく、今までと同じことを繰り返してしまってはいないでしょうか。「そんなことはない」「ウチは変化している」と言っている企業も、その変化のスピードは、社会全体の変化に追いついているでしょうか。 この本をお読みになった皆さんは、ぜひとも変化を追い求めるようになって
パソコンの心臓部ともいえるプロセッサ(CPU)には、米Intel(インテル)社製のものが使われてきた。これに対して、スマートフォンやタブレットでは、そのほとんどが、英ARM (アーム) 社が設計したCPUを搭載している。スマートフォンやタブレットが、パソコンを遥かに凌ぐ勢いで販売されている昨今、ARMのCPUもそのシェアを拡大している。 しかし、一般にはARMという名前は知られていない。それは、ARM社は自社で半導体工場を持たないファブレス企業だからだ。彼らは、CPUを設計し、その設計情報を世界中の企業にライセンス提供している。それを購入した企業は、そこに自社独自の機能を付け加えて製造する。 Apple社は、iPhoneやiPadに、携帯電話として必要な通信機能やグラフィックス処理機能、AI(機械学習)機能などを独自に追加したプロセッサ(Aシリーズ)を使っているし、Qualcomm社もまた
コンテナ管理ソフトウェアであるDocker は、1台のサーバー上でコンテナを作成し、その実行を管理します。しかし、ネットワークにつながる複数台のサーバーで稼働するコンテナを横断的に管理する機能はありません。例えば、アプリケーションを利用するユーザーが増えて、複数台のサーバーにまたがりコンテナの数を増やさなくてはならないような場合、Dockerだけでは、この状況に対処してスケールアウトさせることができないのです。この問題を解決してくれるのがKubernetes です。Kubernetesとは、ギリシャ語で「人生の道標」と言う意味があり「クーベルネイテイス」と読みます。 Kubernetes によって、複数台のサーバーから構成される実行環境をあたかも一台の実行環境のように扱うことができます。例えば、コンテナを起動する際は、イメージと台数を指定するだけでよく、どのサーバーにどのようにコンテナを配
「人間が教えなくても森羅万象の中からパターンを見つけ、世界を分類整理する」 機械学習のひとつの手法であり、ニューラル・ネットワークの進化形として登場したディープラーニングが注目されるのは、まさにこの点にあります。 データを分析し、その中に潜む規則性や関係性、すなわち「パターン」を見つけ出すことが機械学習のやろうとしていることです。それを使って、ものごとを分類整理し、推論や判断をおこなうための基準やルールを見つけ出します。 これまでの機械学習は、このパターンを見つけるために、どのような特徴に基づいてパターンを見つければいいのかといった着目点、すなわち「特徴量」を予め人間が決めていました。しかし、ディープラーニングには、その必要がありません。データを分析することで特徴量を自ら見つけ出すことができるのです。 例えば、ベテランの職人がものづくりをする現場を想像してください。私たちは、道具の使い方、
「データを使って問題を解決する」という方法論において、「統計学」も「機械学習」も違いはありません。両者の違いは、方法論、すなわちアルゴリズムやテクノロジーにあるというよりも、その目的にあると言えるでしょう。 統計学は、データを「説明」することを目的としており、記述統計(descriptive statistics)と推測統計(inferential statistics)に分けることができます。 記述統計は、データの特徴や傾向、構造を平均や分散などの統計量を使って説明するものです。例えば、テスト成績の偏差値から、自分が全校でどの程度の成績ランクにいるかを知ることや、円グラフを使って全校の成績分布を可視化し、自分の成績分布の特徴や傾向を知ることができます。 推測統計は、採取した一部のデータ、すなわち標本やサンプル・データから、そのデータを含む全体、すなわち母集団の特徴や傾向、構造を説明するも
「新人たちには、OJTで新規顧客開拓をやらせます。」 こんな話を伺い、ため息がもれてしまった。 業務の実践を通じて、体験的に育成することを目的としたOJT(On the Job Training)。まもなく新入社員たちも経験することになるだろう。しかし、OJTとは名ばかりに、ただ先輩の雑務をやらせているだけや、冒頭のケースのように「根性を付けさせる」ためにベテランでも難しい新規顧客開拓をやらせているといった話しを聞くことがある。 具体的な方法や達成基準も曖昧に、OJTを任された先輩や上司の経験知と新人の自助努力に頼ってしまっているとすれば、苦労して優秀な人材を採用しても、育つか育たないは「運まかせ」となってしまう。そんな過ちを犯してはいけない。 入社して早々の「研修」は、社会人としての基礎教養を身につけさせ、それに続く「育成」の土台を作る。実践に役立つ能力の「育成」は、配属された現場でなけ
「IT」の冠をいだく企業や仕事は沢山あります。しかし、その実態を見ると、大きく2つのグループに分けられそうな気がします。それがここにまとめた、Legacy ITとModern ITです。 「善悪」や「優劣」で両者を分けようというのではありません。本来、"legacy"には、「相続された財産、遺産」という意味があり、「価値のあるもの」だけが過去から後世に引き継がれてゆきますから、必ずしも「ダメなもの、価値のないもの」というわけではありません。一方、"modern"とは、「現代的、近代的」と言う意味です。価値が高いとか優れているとかを表す言葉ではありません。「今風である」という意味もあり、時代の変化に即した姿を現す言葉と言えるでしょう。本来は、"modern"の対義語は"classic"となるのでしょうが、先人たちの築かれた遺産への敬意を込めて"legacy"という言葉を使うことにしました。
「悪貨は良貨を駆逐する」 「グレシャムの法則」として有名なこの言葉は、16世紀のイギリス国王財政顧問トーマス・グレシャムが、1560年にエリザベス1世に対し「イギリスの良貨が外国に流出する原因は貨幣改悪のためである」と進言した故事に由来する。 ひとつの社会で、額面は同じだが、素材価値(例えば金の含有量など)の異なる2種類の貨幣が同時に流通する場合は、素材価値の高い貨幣が、その素材自体の価値のためにしまい込まれてしまったり、素材として溶かされてしまったり、海外との取引のために流出したりするために、素材価値の低いほうの貨幣だけが流通するようになるということを説明したものだ。 このグレシャムの法則が、組織にも適用できると説いたのが、ノーベル経済学賞を受賞したハーバート・サイモンという米国の学者だ。彼は、「ルーチンは創造性を駆逐する」と説いている。人はルーチン化された日常業務(悪貨)に追われている
「即戦力に育てたいというお気持ちは分かります。でもコンテナやサーバーレス、IoTやAIについて何も教えず、それでお客様との話題についてゆけるのでしょうか?」 新入社員がはじまり研修担当の皆さんは奔走されているだろうが、こういう最新のトレンドについては、ぽっこりと穴が空いている企業が少なくない。特に、営業職採用の新入社員については、ほとんどがこのようなテーマに触れる機会がないままに現場に送り出されている。 「そんなことは、現場に出て自分で勉強すればいいんですよ。」 確かに、テクノロジーの変遷は、留まることはない。当然、自助努力は必要だが、ゼロから100を自助努力に期待するというのは、いかがなものか。また、どうやって「自助努力」すれば良いかを伝え、道筋を示すことも大切だ。 「情報処理の基礎は教えている。」 コンピューターを構成する五大装置、処理の流れ、コンピューターの結合と処理方式、データベー
まもなく新入社員研修が始まるが、毎年、最新のITトレンドについての講義をうけもっている。そこで必ずうける質問がある。 「どうやって、そういう情報を集めているのですか?」 そんな質問に直ぐに答えられるよう、こんなチャートを作ってみた。 Input まずはFacebookやTwitterからのきっかけだ。ITの業界で働く人たちや様々なオピニオンリーダーをフォローしたり、友達になったりしている。彼らは、それぞれの分野での高感度なアンテナや専門知識を持っている。そういう人たちの発言やシェアした情報には「なるほど」や「こんな情報があるのか」と気付かせてくれるものが多い。 定期的に読んでいる雑誌やWebサイトもいくつかあって、そういうところからも得る情報も多い。また、イベントや勉強会、セミナーにもできるだけ参加し、そこでの話しや議論そして、その後の懇親会や友人たちとの呑み会も私にとっては重要な情報源だ
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