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2022年6月17日、人気ラッパーのDrakeが7thアルバム『Honestly, Nevermind』をリリースしました。同作のほとんどの曲でハウスの要素が取り入れられていたことに注目が集まったのは、記憶に新しいところです。 またその翌週にはR&BシンガーのBeyoncéも、90年代のハウスクラシックとして知られるRobin S.の「Show Me Love」をサンプリングした新曲「Break My Soul」をリリースしました。 現在のポップ・シーンを代表するトップアーティストが同じタイミングでハウスを取り入れたことに衝撃を受けた音楽ファンは多いと思いますが、海外メディアの中にはそのアプローチを「90sハウス・リバイバル」的なものとして捉える向きもあります。今年はすでにフレンチハウスや2000年代のダンスポップ系エレクトロハウスがリバイバルする気配がありましたが、ここにきて新たにクラシ
昨年、ユーザーが入力したテキストに応じて、AIが画像を生成するMidjourneyやStable Diffusionといった画像生成AIが注目を集めましたが、最近では同様のAIを活用したジェネレーティブAIが音楽の分野でも徐々に普及の兆しを見せています。その大きな足掛かりになりそうなツールが、今年1月にGoogleの研究部門である「Google Reserch」が発表した音楽生成AIツール「MusicLM」です。 MusicLMは入力された文章に応じて音楽を生成するA音楽生成ツール。28万時間におよぶ音楽のデータセットを用いて学習したAIを使用し、“非常に複雑”なテキスト記述からでも忠実性の高い音楽を作り出せるとされていますが、今年5月にGoogleは同ツールを試用できる体験版をついに公開しました。 現在、MusicLMは、ウェブ、Android、iOSの「AI Test Kitchen」
昨年リリースした6枚目のアルバム『ぼちぼち銀河』が反響を呼び続けている柴田聡子。すでにキャリア10年以上を数えるが、音源を重ねるごとに作風は変化を見せ、いよいよ彼女でしか表現し得ない唯一無二の音楽が生まれつつある。 柴田聡子 – ぼちぼち銀河 実はその変化の大きなポイントとなっているのが、数年前から取り入れ始めたといういわゆる「打ち込みサウンド」へのアプローチ。そもそもなぜ柴田聡子はDAWを導入したのか、どのように曲制作に活かしているのか、これまで明かされることのなかった制作の裏側をDTM視点で探ってみた。 DAWを使うようになって「コミュニケーションの手段が増えた」 DAWに触れるようになったきっかけを教えてください。 大学時代からなんとなくGarageBandやLogicを触ってはいたのですが、2018年に大瀧詠一さんのトリビュートアルバムで「風立ちぬ」をカバーした時、ベース、ドラム、
Netflixオリジナルシリーズ『ヤキトリ』で初のアニメ劇伴を手がけた Ken Ishii に訊く、いま「テクノらしい」音作りとは? DJ アニメ インタビュー ダンスミュージック Netflixにて2023年5月より配信が開始された新作アニメ『ヤキトリ』。 同作は『幼女戦記』などで知られるカルロ・ゼンさんによるミリタリーSF小説を原作とした作品で、監督は安保英樹さん、脚本は堺三保さん、キャラクターデザインを山形厚史さんが担当。キャストには坂泰斗さん、瀬戸麻沙美さん、武内駿輔さん、河西健吾さん、鬼頭明里さん、津田健次郎さん、高木渉さん、稲田徹さんが名を連ねているほか、作中に登場する管制AI“初音ミミ”役で藤田咲さんが参加していることも話題になっています。 そんな『ヤキトリ』のサントラを手掛けたのは、以前、Soundmainでもインタビューを行った日本が世界に誇る“テクノ・ゴッド”こと、テク
近年、レコード人気に限らず、カセットテープの人気も復活傾向にあります。その状況を受けて、最近では、カセットを再生するためのカセットプレイヤー人気も再燃。高音質なカセットプレイヤーをはじめ、デザイン性なども含めたおすすめカセットプレイヤーをセレクトした特集記事を見かけることも少なくないように思います。 そんな中イギリスでは、同国内におけるカセットテープの売上が、10年連続の成長を経て、2003年以来の高水準を記録しています。 BPI(英国レコード協会)が分析したデータによると、2022年の売上は5.2%増となり、最も売れたカセットはアークティック・モンキーズの『The Car』とハリー・スタイルズの『Harry’s House』となっています。 またその他にはセントラル・シーの『23』やロビー・ウィリアムズの『XXV』といったイギリスの人気アーティストのカセットや近年リバイバル傾向にあるポッ
第一弾配信から一年。その後、動きはあったのでしょうか? アニソン業界の「サンプリング」という制作手法への認識も気になり、今回の施策を主導したバンダイナムコミュージックライブの松尾章帆さんにお話を伺う機会をいただきました。 改めて、Tracklibとは? まず、Tracklibとはどんなサービスなのでしょうか? Tracklibは、2018年にスタートしたサンプリングのライセンス・プラットフォームで、原曲の一部を使って新しい音楽を作る音楽制作手法「サンプリング」の許諾を簡単に行うためのサービスを提供しています。 2019年頃は約200レーベルがこのプラットフォームと契約しており日本のレーベルもほぼゼロでしたが、最近はその数も300レーベル以上になり日本のレーベルも少しずつ増えている印象です。 TracklibのYouTubeチャンネルにアップされているシリーズ「Sample Breakdow
昨年、MidjourneyやStable Diffusionといった画像生成AIやチャットボットのChatGPTが公開されて以降、世間の関心がAIに集まっており、最近ではAIに関するニュースは事欠かないようになってきました。 そんな中、AIが有名アーティストの音声を使って生成した音楽カバー音源が現在、SNSで話題を集めています。 これまでに公開されたカバー音源の中には、ドレイクの音声によるアイス・スパイスの楽曲「Munch」カバーやトラヴィス・スコットの音声でポップ・スモークの「For the Night」をラップしたもの、リアーナの音声でビヨンセの「Cuff It」を歌ったものなどがあります。 いずれのカバーもSNSで人気動画になりましたが、このようなカバーを可能にするAIボイスモデルは、アーティストの声を素早くサンプリングするだけでなく、そのアーティストの楽曲に似た歌詞を生成することも
re:plus インタビュー ローファイヒップホップの先駆者が語る、「エモ」「エレクトロニカ」のルーツと美メロビートの秘密 【連載】極上ビートのレシピ DTM インタビュー ヒップホップ SpotifyやApple Musicといったサブスクリプション型ストリーミングサービスの浸透以降、リスナー数が急成長したインストヒップホップ。ここ日本でも活気溢れるシーンが形成され、その中から国境を越えて大きな支持を集めるビートメイカーも増加してきている。この連載では、そんなインストヒップホップを制作する国内ビートメイカーに話を聞き、制作で大切にしている考え方やテクニックなどを探っていく。 第4回に登場するのはre:plus。コンピレーション「IN YA MELLOW TONE」シリーズで知られる国内レーベルの〈GOON TRAX〉からデビューし、今も精力的に活動を続ける現在進行形のレジェンドだ。「美メ
ザ・ビートルズ、TR-808、そしてAIへ――ソニーコンピュータサイエンス研究所パリ・音楽チームの研究者が語る「作曲」の未来 AI インタビュー 最新テック ソニーコンピュータサイエンス研究所パリ(ソニーCSLパリ)の音楽チームにて、AI作曲アシストツールなど最先端の音楽テクノロジーの研究開発を行っているエマニュエル・デルティーさんが今年1月に来日しました。 エマニュエルさんは、フランス・パリのコンセルヴァトワール(パリ国立高等音楽院、CNSMDP)を卒業。ソニーCSLパリのメンバーとなる前は、フランス国立音響音楽研究所(IRCAM)とニューヨークのSoundwalkでサウンドデザイナー、ヨーロッパとアメリカでは映画音楽の作曲、イギリス、ケンブリッジの『Sound on Sound』誌のライター、フランス・レンヌにあるフランス国立情報学自動制御研究所(INRIA)では、MIRに適用される音
日本のみならずアジアを代表するDJ/プロデューサーとして、近年めきめきと頭角を現しているRisa Taniguchi。彼女の活動で注目すべきは、やはりテクノの本場であるヨーロッパにおいての存在感であろう。そのプレイはアムステルダム・ダンスイベントやヨーロッパ・ツアーといったライブ出演だけでなく、スペインの〈Clash Lion〉からEP『Ambush』を発表し、Pan-Pot主宰の〈Second State〉、Dense & Pika主宰の〈Kneaded Pains〉などのレーベルからリリースを連発することでアーティストとしての評価も着々と積み上げてきた。 DJという立場で確固たるポジションを築きながらも、一からDAWでのオリジナル曲制作をするようになった経緯について訊いてみたところ、彼女からは「元々ソフトウェアの扱いは苦手だった」との答えが。Risa Taniguchiは、どのようにし
有名EDMプロデューサー/DJのデヴィッド・ゲッタは、最近AIが生成したラッパーのエミネムの声を使用した楽曲「Emin-AI-em」を紹介する動画をSNSで公開したことで注目を集めました。 その動画でデヴィッド・ゲッタは「Emin-AI-em」について、エミネムの音声はAIを使用して冗談で作ったものだと説明しています。また同曲はすでにデヴィッド・ゲッタが出演したあるイベントでプレイされていますが、「今後商業リリースされることはない」と述べています。 Let me introduce you to… Emin-AI-em 👀 pic.twitter.com/48prbMIBtv — David Guetta (@davidguetta) February 3, 2023 「Emin-AI-em」では、“This is the future rave sound, I’m getting a
「アメリカ民謡研究会」とは? 音楽遍歴について、まずは幼少期から教えていただけますか。 小さい頃からゲームが好きだったので、最初に好きになった音楽もゲーム音楽でした。『クロノ・トリガー』や『ファイナルファンタジーVII』などのBGMが特に好きでよく聴いていましたね。ポップスにはあまり興味が湧かなくて、特定のアーティストの曲を気に入って聴くということは少なかったです。 活動初期の頃の作風はロックがメインでしたが、そういった音楽にはどのように触れてきたんでしょうか? 高校の頃に友達に誘われてバンドを始めたのがきっかけです。バンドではベースを担当することになったんですが、そのあたりの話が、一番最初に投稿した「ギターと騙され弾いたら四弦」という曲の元になっています(笑)。 高校卒業後は愛知県の南山大学に入り、現在の活動名の元となっている「アメリカ民謡研究会」という音楽系の大学公認の部活に所属してベ
gaburyuインタビュー バーチャル音楽シーンとボカロを跨いで活躍するトラックメイカーが語る、「ゲーム」というルーツへの思い 【連載】バーチャル音楽シーンの歩き方 DTM インタビュー ボーカロイド クラブミュージックを中心に、音楽とバーチャル文化の関わりを紐解く連載「バーチャル音楽シーンの歩き方」。シーンの中で実際にトラックメイカーとして活躍するプレイヤーにインタビューし、バーチャル世界の魅力や、そこに紐付いたサウンドメイクのこだわりを解き明かしていく。 第5回は、インターネットを拠点に様々なジャンルを練り歩く若手のトラックメイカーgaburyu。ゲームボーイを用いたトラックメイキングを始め、ダンスミュージックやボカロソングなど、ジャンルに縛られない作品を多く生み出している。また、バーチャルシーンの黎明期からトラックメイカーとして名が知られており、バーチャルアーティストへ数多くの楽曲提
DAWを使った音楽制作初心者が最初に直面する大きな壁は、コード進行やスケールなど音楽理論に関わるものかと思います。しかし、その次につまずきがちなことといえば、構成が完了した曲のミキシングやマスタリングの問題ではないでしょうか? 現在では、ミキシング/マスタリングに関するチュートリアルはオンライン上で動画、テキストかかわらず多数公開されていますが、その内容は千差万別。それだけにどれが自分にとって最適なものなのかを判断するのもなかなか難しいかと思います。またそのようなチュートリアルは必ずしも経験を積んだプロによるものとは限りません。 そこで今回、特にマスタリングの前段階であるミキシングについて悩みを抱えている人におすすめしたいのが、ベルリンのマスタリングスタジオ「Glowcast Audio」を運営するプロマスタリングエンジニアのConor Daltonによるミキシングのアドバイスをまとめた「
立体音響でダンスミュージックはどう変わる? “テクノゴッド” Ken Ishiiが探るその可能性【インタビュー】 インタビュー ダンスミュージック 最新テック 2021年より、Amazon Music Unlimited、Apple Musicなど[※]で提供が開始され、日本でも徐々に身近になりつつある立体音響による音楽リスニング体験。 2022年5月には、日本におけるテクノシーンのパイオニアであり、”東洋のテクノ・ゴッド”として知られるテクノDJ/プロデューサーのKen Ishiiさんが、いち早くソニーの360立体音響技術を用いた新しい音楽体験・360 Reality Audioにリミックスした過去作品をリリース。7月には新曲「Liver Blow」を同フォーマットでリリースするなど、ダンスミュージックの分野から立体音響にアプローチするという新たな試みを行っています。 今回Soundma
AI技術の進歩により発展著しい音声合成の世界。中でも近年注目を集めるのがCeVIOプロジェクト[1]が開発を手がける音声合成ソフトCeVIO AIだ。最新のAI技術により人間の声質・癖・歌い方を高精度に再現可能。オリジナルのキャラクターライセンスを持った外部企業への技術供与も行われており、「小春六花」「弦巻マキ」「可不」「#kzn」など多数のサードパーティ製品が誕生している。 そんな中、新たなCeVIO AIソフトウェアとして「双葉湊音」が登場した。CVは声優の三澤紗千香さんが務め、「青春系ソングボイス」と名付けられた同ソフトは、「株式会社ガソリンアレイ」という耳慣れない企業からの発売となる(2022年12月2日発売予定)。聞けば、同社はアニメ・ゲームを中心に多くの楽曲提供を行うクリエイターの千葉 直樹(作家名義:千葉“naotyu-”直樹)さんによる会社とのこと。 プロの音楽クリエイター
Spotifyが無料で使えるオープンソースのAI搭載ツール「Basic Pitch」を公開しています。 Basic Pitchは、SpotifyのAudio Intelligence LabとSpotify傘下のSoundtrapが共同で開発したオーディオをMIDIに変換してくれるツール。ユーザーが楽器や声といったオーディオファイルをBasic Pitchのサイト上にアップロードすると、そのオーディオファイルをAIに搭載された機械学習モデルが分析。MIDIファイルとして書き出してくれます。 例えば、ユーザーがギターのメロディーフレーズの音源をBasic Pitchにアップロードすると、Basic Pitchは、その音源を分析し、アップロードされたギターのメロディーフレーズをMIDIに変換。ユーザーはそのMIDIファイルを自由にDAWに取り込み、シンセなど別の音源に割り当てて再生することがで
2007年の初音ミク発売以来、広がり続けているボカロカルチャー。大ヒット曲や国民的アーティストの輩出などによりますます一般化する中、本連載ではそうした観点からはしばしば抜け落ちてしまうオルタナティブな表現を追求するボカロPにインタビュー。各々が持つバックボーンや具体的な制作方法を通して、ボカロカルチャーの音楽シーンとしての一側面を紐解いていく。 第5回に登場するのは鈴木凹。ボカロ曲をサンプリングしてボカロ曲を制作する独自の活動を展開した後、パブリックドメインのクラシックをサンプリングした耽美的な楽曲を次々と発表。2018年からは自身で打ち込みや演奏を手がけている。名義を横断しながら展開されるコンセプチュアルな活動は、ボカロシーンで他に類を見ないものだ。また自身のブログ(note)では、ボカロ曲を含むオルタナティブな音楽についての読み応えある文章を執筆。豊富な知識と一貫した視点を持った音楽リ
女性のトラックメイカーを紹介する本インタビュー企画。前回お話を伺ったuyuniが「昔から好き」とラブコールを贈っていたのが、この道10年選手のTORIENAである。デビューは2012年、その間リリースしたアルバムは実に8枚。私立恵比寿中学はじめ様々なアーティストやアニメ、ゲームへの楽曲提供も幅広く行っており、数少ない女性のトラックメイカーの中でも最も息長く活躍しているひとりである。 TORIENAはデビュー直後からチップチューン界の若き旗手として注目を浴び、当時盛り上がっていたシーンの代表的な存在にまで昇りつめた。TORIENAといえばチップチューン、もしかしたら今でもそう思っている人は少なくないかもしれない。しかし、最新作『RAW』を聴いてみてほしい。そこには、音源チップを元に限られた音環境の中で創意工夫を重ねていたトラックメイカーがいよいよ自由を手にし、イマジネーションと感情の赴くまま
「制約があるからこそクリエイティビティが刺激される」 STEEEZO “EEE”に聞く、「OP-1」を使ったビートメイキングの魅力 DTM インタビュー ヒップホップ 機材 今年6月に、teenage engineeringが開発・販売するスピーカー内蔵の24鍵シンセ「OP-1」がリニューアル。新たに100の新機能を搭載した「OP-1 field」がリリースされ、大きな話題になりました。 2010年に発表されたOP-1は、8ビットからFMまで複数のシンセ・エンジンを搭載したシンセのほかに、リズム・マシン、テープ・レコーダー、ミキサーの4種類のメインモードを搭載。シーケンサーやサンプラー機能も兼ね備えているほか、DAWとの連携によりMIDIコントローラーとしても使用できるなど、コンパクトなサイズながらもマルチな機能を持つことで人気を博したteenage engineeringを代表するロング
Ultra Japanの復活で再び注目が集まる「EDM」とは? ジャンル内トレンドの変遷、制作TIPSをまとめてご紹介 コラム ダンスミュージック 2020年から世界中を混乱に陥れたコロナ禍。しかし欧米では昨夏ごろから収束傾向にあると捉えられており、開催延期を余儀なくされていた音楽フェスの多くが復活してきています。 その中でも注目したいのはEDMフェスです。昨年10月には「EDC Las Vegas」、今年3月には「Ultra Music Festival Miami」、7月には「Tomorrowland」が開催。それぞれに成功を収め、コロナ禍による空白の2年間を経たEDMフェスは見事復活を遂げているのです。そして、9月にはかつて日本を代表するEDMフェスとして知られた「Ultra Japan」の復活も発表。国内でも再びEDMに注目が集まりつつあります。 Tomorrowland 2022
連載企画【エッジーなエレクトロニック・サウンドを求めて】。この連載では、エレクトロニック・ミュージックシーンの先端で刺激的なサウンドを探求するアーティストにインタビューし、そのサウンド作りの心得やテクニックを明らかにしていく。 第10回のインタビューはquoree。サウンド・ギーク集団〈PAS TASTA〉(他メンバーはhirihiri、kabanagu、phritz、quoree、ウ山あまね、yuigot)にも所属するquoreeは、2019年より楽曲投稿をはじめ、2021年には〈Maltine Records〉よりEP『鉛色の街』を発表。オリジナル楽曲のほか、Tomggg「Misunderstand」、CYNHN「ごく平凡な青は、」、サ柄直生 & ねんね「かえりみち」などのリミックスも担当している。 初音ミクのボーカルを微細にエディットした透明度の高い空間的な表現は、ニコニコ動画内では
Kabanaguインタビュー 2ndアルバム『ほぼゆめ』制作の舞台裏(エッジーなエレクトロニック・サウンドを求めて 番外編) 【連載】エッジーなエレクトロニック・サウンドを求めて DTM インタビュー 連載企画【エッジーなエレクトロニック・サウンドを求めて】。この連載では、エレクトロニック・ミュージックシーンの先端で刺激的なサウンドを探求するアーティストにインタビューし、そのサウンド作りの心得やテクニックを明らかにしていく。 今回は番外編として、本連載第4回にも登場し、今年6月に2ndアルバム『ほぼゆめ』をリリースしたKabanaguを迎え、アルバム制作にまつわる話を伺った。 2018年に音楽活動を始め、futurecoreやチップチューンに由来する軽やかなトラックメイクを持ち味としてきたKabanaguだが、2021年にリリースした1stアルバム『泳ぐ真似』では「デジタルクワイア」を多用
2007年の初音ミク発売以来、広がり続けているボカロカルチャー。大ヒット曲や国民的アーティストの輩出などによりますます一般化する中、本連載ではそうした観点からはしばしば抜け落ちてしまうオルタナティブな表現を追求するボカロPにインタビュー。各々が持つバックボーンや具体的な制作方法を通して、ボカロカルチャーの音楽シーンとしての一側面を紐解いていく。 第2回に登場するのはヒッキーP。強く歪んだ音色やノイズを交えたサウンドコラージュといったオルタナティブな音楽性を展開する一方で、普遍的でキャッチーなメロディも得意とし、ボカロシーンにおいてアンダーグラウンドとオーバーグラウンドを接続するような、一際異質な存在感を放ってきた。 2012年には自身の楽曲が設立のきっかけになったというレーベル・GINGAより一般流通アルバム『Eutopia』をリリース。またボカロシーンの優れた観測者・キュレーターとしても
「オリジナリティを輝かせろ」――音楽の原体験 音楽制作を始めたきっかけ、またボカロPを始めたきっかけは何でしたか? さかのぼると幼稚園の頃からの話になるんですけど、その頃からずっといじめられっ子で。小学生のときに、ひとり遊びの延長でゲームブックみたいなものを作って遊んでいたらみんなが興味を持ってくれて、その間だけいじめられなかったんですよね。そんなことがあって、自分は何かを創作して人を喜ばせることでしか社会で身を立てられないのかなと思ったんです。 何か得意技を身に着けて、お金を稼いでいかないと死ぬかもという思いがあったので、音楽や絵、漫画、ゲーム制作などいろいろ試しました。そのなかで唯一飽きなかったものがDTMだったんです。だから、何かきっかけがあったというよりは、生きていくために音楽を仕事にしたというのが正確ですね。 ボカロPを始めたことに関しては、その後、大学を中退したり、入社した音楽
「町工場にはミニマルなグルーヴがある」――“工場の音”を電子音楽に生まれ変わらせるレーベル・INDUSTRIAL JPの活動に迫る インタビュー ダンスミュージック 日本の各地に点在する町工場。その工場内にあるアナログな製造機械が発する音を素材に音楽と映像を制作するレーベル「INDUSTRIAL JP」をご存知でしょうか? 2015年にスタートしたINDUSTRIAL JPでは、気鋭のトラックメーカーとコラボレーションし、これまでに数多くの作品を発表しています。また、この活動は工場マニアや音楽ファン、製造業界だけでなく、文化庁メディア芸術祭の優秀賞を始め、カンヌライオンズのデザイン部門でブロンズ、グッドデザイン賞でも金賞、ADC賞ではグランプリを獲得するなど、多方面からの注目を集めてきました。 また、昨年4月からは新たに町工場および製造機械が奏でる音のアーカイブを制作するプロジェクトとして
多数の「歌ってみた」が投稿されている人気曲「きゅうくらりん」(feat.可不) いよわ 幼稚園に入るか入らないかぐらいのときにリトミックという、「音楽で遊ぶ」みたいな教室に通っていて。ピアノの教室も兼ねていたので、その流れでピアノも習い始めたんです。もともと父親が音楽好きなので、その前から無意識では聞いていたとは思うんですが。 入江 お父さまはどんな音楽がお好きなんですか? いよわ 洋楽メインなんですけど、昔のものだけじゃなく流行りのものもiTunesのランキングを上から順に聞いていくような、偏食せずいろんな音楽に触れていくタイプの人ですね。 入江 ピアノを習い始めてからは、長く続けられたんですか? いよわ 続けた年数的には3,4年ぐらいです。引っ越しに伴ってやめざるを得なかったんですけども、ギャンギャンに泣きましたね。現在につながる技術的な面としては、やめてから家でキーボードを弾いて遊ん
https://soundmain.net/lp202303/?utm_source=blog&utm_medium=post&utm_campaign=202303 ダンスミュージックにおける代表的なジャンルのひとつとして、「ハウス(・ミュージック)」を挙げる人は少なくないと思います。しかし、一口にハウスと言っても、その中にはシカゴハウス、ニューヨークハウス、ディープハウス、フレンチハウス、エレクトロハウス、レフトフィールドハウス、ファンキーハウスなど、さまざまなサブジャンルが存在します。その中でも近年、特に人気を博しているのが「テックハウス」です。 例えば、音楽調査・分析プラットフォームのViberateが業界の現状を分析した最近のレポート「State of Music」によると、音楽配信プラットフォーム「Beatport」の2021年における人気曲上位100曲のうち、44%をテックハ
ウェブブラウザで音楽制作! 手持ちの音源からステム作成できる「音源分離」も――Soundmain Studioレビュー DTM コラム 最新テック 機材 Soundmainはソニーミュージックによる、【サウンドパック(音源素材)】【ウェブブラウザで動くDAW】【ブロックチェーンを用いた著作権処理の仕組み】を一括して提供することを目指し開発中のプラットフォームです。このうち【ウェブブラウザで動くDAW】が先日ついに「Soundmain Studio」としてローンチしました。現在も改良を重ねている最中ですが、「ウェブブラウザでDAWの基本的な機能が使える」「ソニーの目玉技術である“音源分離”が使える」というコアの部分については体験いただけるようになりました。 【PR】AIの進化を作曲しながら体験できるSoundmain Studio。ブラウザで手軽に使える音楽制作ツールが、今ならお得に試せるキ
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