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トランプ2期目の発足により、世界の経済成長を支えてきたグローバル化が危機に瀕している。英経済紙「フィナンシャル・タイムズ」は、この激動の時代を生き残るため、明治維新と戦後復興という二つの転換期を乗り越えた日本の「生存本能」に注目すべきだと論じている。 あの素晴らしきグローバル化が、明らかに揺らいでいる。 政治指導者や企業の経営トップ、米政治学者フランシス・フクヤマの著書『歴史の終わり』(自由民主主義が広がれば、安定した政治体制が作られて歴史は終わると説いた)を支持した歴史家が行動原理としたこの概念は、長きにわたって世界に君臨し、その役目をみごとに果たした。 ところが昨今、米国のJ・D・バンス副大統領は「安い労働力は麻薬」と移民を非難し、彼のボスであるドナルド・トランプ大統領は関税を至高の美とあがめている。「チャンスがあふれる世界の実現」を謳った英金融大手HSBCホールディングスのマーク・タ
※本記事は『スパルタを夢見た第三帝国 20世紀ドイツの人文主義』(曽田長人)の抜粋です。 質実剛健のポリス 古代のスパルタはギリシアのペロポネソス半島南部、ラコニア地方に存在した。ギリシア神話の英雄ヘラクレスの子孫が北方から帰還してスパルタに移住した、ということが伝えられてきた。 スパルタは自立したポリスとしては、前8世紀から前2世紀にかけて存立した。前6世紀から前4世紀にかけてはペロポネソス同盟の中心としてギリシア最強の軍事力、質実剛健を誇った。スパルタ建国の祖で立法者のリュクルゴスが国制を規定したと言われ、それが長年、維持されるに至る。 以下、身分の三層構造、スパルタ市民の教育、自給自足体制、文学に詠われた軍事面での活躍という四つの観点から、スパルタのあり方をまとめてゆく。 身分の三層構造 スパルタの構成員は、以下の三つの層に分かれていた(古代の慣例により、女性や子供はその構成員に含ま
幼い我が子にいろいろな経験をさせてあげたい──そう願う多くの親を惹きつけるプログラムが、日本で展開されている。海外の子供たちを受け入れる「保育園留学」だ。香港紙「サウス・チャイナ・モーニング・ポスト」が取材した。 親子で日本に飛び込んだら 2024年初頭、インスタグラムを見ていたジョイス・チェンは、とある広告に目を引かれた。「ジャパン・プリスクール・エクスチェンジ」というプログラムの広告だ。家族で日本へ行き、そこで1週間から3ヵ月間、子供を保育園に通わせることができるのだという。 詐欺かもしれないと思ったチェンは、このプログラムについて聞いたことがあるか、友人たちに尋ねてみた。誰もが知らないと答えたが、それでも彼女は思い切って問い合わせのメールを送ってみることにした。 返信が届き、そこに書かれていた情報に安心した彼女は、3歳になる娘のエブリンをプログラムに参加させることを決める。2024年
ドナルド・トランプ米大統領が放った関税措置は、テスラにとって勝利のように見えた。保護主義の強化は、中国のライバル企業、とくにBYDが急速に勢力を拡大するなか、米国の電気自動車(EV)メーカーにとってタイミングの良い盾となるはずだった。 だがトランプはBYDの競争力を制するどころか、BYDがテスラを追い抜くために必要な優位性を与えてしまったのかもしれない。 BYDには守るべきものがない
ウクライナでゼレンスキー大統領による権力の独占が進み、戦争に影響を及ぼしかねないと英誌「エコノミスト」が警鐘を鳴らす。政敵の排除、メディア統制、活動家の弾圧など、プーチンの独裁国家と変わらない様相を呈しているとの声も──。 自給自足に近づく軍事力 ウクライナの首都キーウにある何の変哲もない建物の中で、ドローンや巡航ミサイルを大量生産しているのは、建築家、科学者、映画監督、ビデオゲーマーといった多様なメンバーから成るチームだ。 3年前は月にドローン30機ほどを生産するので精一杯だったが、いまは月に1300機まで増えた。外国製のものに比べてコストはかなり安く、オープンソース設計を基に作られているため、他国から提供されたドローンのような使用制限に縛られない。 2022年にロシアが侵攻してきたとき、ウクライナの軍事力は米国と欧州からの供給に完全に依存していた。だが大統領顧問のオレクサンドル・カミシ
ネットフリックスのドラマ『アドレセンス』が3月の配信直後に大ヒットを記録し、その反響はいまも続いている。13歳の少年による少女殺害事件を描いた同作は、ネットにあふれる女性嫌悪的なコンテンツが子供に与える影響について世界中で議論を巻き起こした。 その少年ジェイミー・ミラーを演じた新星オーウェン・クーパーと、彼の父親役とプロデューサーを兼任した俳優スティーヴン・グレアムに、米紙「ニューヨーク・タイムズ」が話を聞いた。 学校に戻ったら、ちょっとした騒ぎに… 『アドレセンス』の配信が始まってから約3週間後の月曜日、15歳のオーウェン・クーパーは、一躍「時の人」になってから初めて学校へ戻った。 初日は低学年の生徒たちから注目され、「少しヤバかった」とクーパーはビデオインタビューで語った。火曜日はまだましで、「ちょっと煩わしい」程度だったという。 すると、彼の父親役を演じ、同じくインタビューに参加した
クーリエ・ジャポンのプレミアム会員になると、「ウォール・ストリート・ジャーナル」のサイトの記事(日・英・中 3言語)もご覧いただけます。詳しくはこちら。 愛国心あおる中国、米に貿易戦争の責任転嫁へ 【北京】今月、米中の間で関税の応酬が激化する中、中国共産党の機関紙・人民日報は、米国との長期にわたる闘いに備えるよう国民に呼びかけた。中国の指導者らはこの闘いで勝利を約束している。 「米国の包括関税はわれわれに打撃を与えるが、『天が落ちてくることはない』」と、人民日報の1面の論評は述べている。中国は強く、党に信頼を置くことで「われわれは課題を機会に変える」という。 貿易戦争が激化する中、中国指導部は国民に愛国心を呼びかけている。この戦略は中国の経済問題の多くを米国のせいにしようとするものだ。
米マサチューセッツ州ケンブリッジで、同地にあるハーバード 大学にトランプ政権の要求に屈しないよう求める人々 Photo: Erin Clark / Getty Images ドナルド・トランプ米大統領は、優秀な移民にとって「チャンスの国」とされてきた米国の評判を落とそうとしているようだ。 ここ数週間、米移民局は有効なビザを保有する外国人の大学院生や講師、エンジニア、医師たちを拘留している。政府は研究機関への助成金を削減し、テクノロジー企業は外国人従業員に対して、帰国できなくなる恐れがあるため米国から出ないよう警告している。 トランプ政権が優秀な人材を国外に追いやる一方、他の国々は彼らを自国に引き入れる計画を立てている。英誌「エコノミスト」が、米国の頭脳流出から最も恩恵を受ける国がどこかを分析した。 まずは米国を含めた魅力度ランキングから エコノミストは世論調査会社「ギャラップ」のデータをも
イヴァンカやメラニアをはじめ、トランプ政権で閣僚を務める女性たちなど、トランプファミリー風の「MAGAメイク」がSNS上で話題になっている。米国女性たちの心をつかむ、彼女たちを真似した新たなコンサバスタイルとは。 MAGAメイク メイクアップアーティストのステファニー・ルイーズにとって、トランプ大統領の義理の娘ララ・トランプのメイクを担当することは、キャリアの大きな転換点だった。そのときララは、共和党全国大会の共同委員長として政治の舞台に足を踏み入れる瞬間を迎えていた。 ルイーズは「セクシーな目元ではありません、品格のある目元メイクよ!」とインスタグラムのメイク講座で呼びかけた。このメイクは大きな注目を集め、その後ララ・トランプは米メディア「フォックス・ニュース」で自身のゴールデンタイム番組を獲得した。 いま、米国女性の間で、トランプファミリーのメンバーを真似する「MAGAメイク」が人気を
地元に愛される書店 米ミシガン州の、人口5300人ほどの小さな町チェルシーにある小さな書店が移転することになったとき、多くの常連客が「何か手伝えることはない?」と尋ねた。 店の移転先は100メートル離れた場所で、それほど遠くない。そのため、店のオーナー、ミシェル・タプリンは多くの人に手伝ってもらおうと考え、SNSやポスターで引っ越しのお手伝いを募集。予定のプレッシャーを与えたくないため、申込用紙などは作らなかった。 タプリンは、多くの人が参加してくれるだろうとは期待していたが、その数は読めなかった。当日、彼女が出勤したとき、予想もしなかった光景に驚いた。なんと300人もの人たちが、店の前にずらりと並んでいたのだ。
日本台湾交流協会がおこなった最新の世論調査の結果、台湾人が「最も好きな国、最も親近感を持つ国、そして最も旅行したい国」のなかで、日本が1位にランクインした。 「台湾ニュース」によると、この調査は「日本台湾交流協会の委託を受け、ピアソンデータ社が2024年12月27日から2025年1月5日まで」実施したものであり、対象は20歳から80歳の台湾人だ。この調査は、2008年から定期的におこなわれている。
「自分は優れた散文作家であったことなどない」 最近、映画『名もなきもの/A COMPLETE UNKNOWN』でティモシー・シャラメ演じるボブ・ディランを観たというイシグロは、ディランは自分がアコースティックギターではなく(エレキギターの)ストラトキャスターを選ぶことで、どれほどの驚愕を引き起こすか意識していたのだろうか、それは彼のある種の無邪気さが発揮された結果だったのだろうか、と疑問を口にした。 「私にはまったくわからないんです。ディランの心は読めませんね」 自身の作品のスタイルが変わってきたことに関しては、単に「より内面的なものを追求してきただけです。『裏切り者』と呼ばれてやろうと思って狙ったわけじゃないですよ」とのことだ。 怒れる群衆がイシグロに挑みかかるというのは想像しがたい。どんなときも丁寧かつ控えめというだけでなく、自己欺瞞と矛盾に陥る人間の性を描くことについては一貫している
「我々は自らの運命をきちんと受け入れられない」 私がロンドンの中心部にあるカズオ・イシグロのマンションを訪れたのは、暗く冷え込んだ吹雪の日だった。家の中に招かれると、すぐに心地よい静けさが私を包んだ。控えめの照明に、白を基調とした家具。温かくて美味しいコーヒーは、イシグロの妻ローナが映画に出かける前に淹れておいてくれたものだ。 70歳を迎え、ノーベル文学賞にナイトの称号まで持つイシグロだが、ケーキを手ずから出してくれたかと思うと、すぐにこちらを気遣うような質問をはじめる。寒くないですか? お腹は空いてないですか? 会話がちゃんと録音できるか確認しなくていいですか? ちょっとした日々の些事にまで向けられるこの細やかな気遣いは、どの作品にもあらわれている。『充たされざる者』から『日の名残り』まで、どこまでも人の不安を煽る忘れがたい物語を、イシグロは40年にわたり生み出してきた。 だが、彼の作品
オーストラリアのメルボルンにあるビクトリア美術館(NGV)で開催中の草間彌生展が、同国史上最も多くの来場者を記録した有料美術展になったと、英「ガーディアン」紙が報じた。同紙によれば、わずか4ヵ月で来場者数は48万人を超え、2017年にNGVで開催された「ゴッホと四季展」の46万2262人を大きく上回る記録となった。 物価が高騰するなかで、なぜ草間彌生展は美術館にこれほどの人を集めることができたのか。
この記事は、ベストセラーとなった『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』の著者で、ニューヨーク大学スターン経営大学院の経営学者であるスコット・ギャロウェイによる連載「デジタル経済の先にあるもの」です。月に2回お届けしています。 正気の沙汰ではない 国家はこれまで長い歴史の中で、戦略的に重要な産業を守るため、あるいは不公正な貿易慣行に対抗するために関税を活用してきた。特定の状況においては、対象を絞った関税措置には正当性がある。ドナルド・トランプは前政権時代、中国製品に対して数千億ドル規模の関税を課した──そしてこの関税政策は、ジョー・バイデンもほぼ完全に引き継いだ。 しかし、現在われわれが目の当たりにしている大規模な一律関税は、かつての医療で使われたヒル虫療法のようなものだ。時代遅れで効果のない戦略に過ぎない。 「解放の日」関税を通じて、トランプは世界経済秩序を爆破し、中国から
安楽死や自殺幇助に関する議論で、誰もが意識しつつも、誰も口に出そうとはしないタブーな話題がある。それは、安楽死が持つ経済的な影響だ。厄介なのは、それが議論で外せない重要な論点となっていることだ。 そんな状況のなか、シンクタンクのフランス政治刷新研究所が、この問題を正面から取り扱う思い切った報告書を公表した。その報告書『人生の終末期に関する議論で語られない経済的・社会的側面』の著者パスカル・ファーヴルに話を聞いた。 ──なぜ人生の終末期における社会的・経済的側面に関心を抱いたのですか? 私は医者ですが、いまは博士課程に籍を置き、安楽死の問題を研究しています。医者が安楽死にどう関わるのか、そのとき医者にどんな責任があるのか、ということに関心を持っています。 研究のなかで、安楽死が合法化されたときにどんなことが起きるのか、他国の事例を調べることになります。ベルギーとオランダでは2002年から、ケ
299人に対するレイプと性的虐待の罪で起訴されているフランス人外科医ジョエル・ル・スクアルネック。2025年2月24日から始まった裁判では、彼が長年にわたって記録し続けていた、犯罪と妄想の日記──「黒いノート」の内容が明かされた。 紙には、「読まずにすべて破壊すること」とだけ書かれるはずだった。そしてその紙は3、4台のハードディスクとUSBメモリの上に置かれ、子供たちは父親の死後、それを見つけるのだ。もちろん、彼らは父親の遺志に従ったことだろう。 ところが、2月24日以降、USBメモリとハードディスクは密閉され、フランス西部の街バンヌにある刑事裁判所の法廷前の大きな容器に入れられている。 ジョエル・ル・スクアルネック医師(74)は299人の被害者(そのほとんどが被害当時未成年者)に対するレイプと性的暴行の罪に問われている。この外科医が30年間密かにつけていた「日記」がそこに納められているの
「人工知能(AI)開発」と聞くと、米国と中国による、次なる最上位モデルの構築を目指した熾烈な争いを思い浮かべるかもしれない。実際、2024年に発表された主要なAIモデル数は、米国(40)が最も多く、次に中国(15)、フランス(3)が続いているという。 そんななか、英経済紙「フィナンシャル・タイムズ」は、世界的なAI競争の裏で、静かに業績を伸ばしている日本企業に注目。ソフトウェアではなく、AIを稼働させるための「物理的なインフラ」に関わる企業として、ニデック、山洋電気、村田製作所の三社の名前を挙げた。
55年ぶりの大阪万博 「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマとする大阪・関西万博が2025年4月13日に開幕した。158の国と地域、7つの国際機関が参加し、社会課題の解決に向けた次世代の技術や、伝統、文化などを半年間にわたってアピールしていく。 万国博覧会の開催は、日本にとって20年ぶり、大阪では55年ぶりとなる。前回の大阪万博には6400万人が訪れ、現在も記念公園に残る「太陽の塔」や、アポロ12号が持ち帰った月の石を見ようと多くの人が集まった。
「残りの人生をかけて…」 英ヴァージン・グループの創設者リチャード・ブランソンは、実業家時代のドナルド・トランプから一対一の昼食に招かれた際の記憶を自社サイトのブログで綴っている。 会食の場所はマンハッタンのトランプ邸。ブランソンいわく、それは当惑と不安に満ちた食事であったという。 「前菜が運ばれてくる前から、トランプは、直近の破産をめぐって知人たちに金銭的な支援を要請したが、5人に断られたと話しはじめた」 続けてトランプはこう宣言したという。 「残りの人生をかけて、その5人を破壊してやる」 このとき、両者は初対面。ブランソンは、なぜ自分に呪詛めいた誓いをトランプが聞かせるのか理解に苦しむ。もしかすると自分にも経済的な助け舟を出してくれと切り出すのではないかと身構えたものの(その場合、自分は断った「6人目」になっていたと述懐)、それもなし。 結局、デザートを平らげるまで、トランプはひたすら
中国政府が自国の省の一つだと主張している台湾は、常に中国からの圧力と立ち向かっている。ほぼ毎日のように中国機が防空識別圏に侵入し、中国船が接近するだけでなく、台湾は世界で一二を競うほどの「サイバー攻撃」の標的になっているのだ。 2025年2月、AIサミットの機会に、台湾無任所サイバー大使のオードリー・タンがパリを訪れた。タンは、このハイブリッドな紛争の最前線に立ち、AIによって加速されたフェイクニュースと戦ってきた。「レクスプレス」誌がその貴重な証言を聞く。 「台湾はサイバー攻撃を世界でいちばん受けている国」 ──タン大使のご意見では、米国のAIと中国のAI、どちらが未来にとって危険なものでしょうか。 何よりも危険なAIは、「自我を持って行動するAI」かもしれません。自分のことを独自の存在とみなし、生存本能を持ったAIです。SFのように思えるかもしれませんが、これから10年くらいのあいだに
いま全米最大の政治集会を各地で開いて脚光を浴びているのは、政治キャリアが終盤に差しかかった83歳の上院議員と、その弟子である35歳の下院議員だ。 ロサンゼルスでの集会には、およそ3万6000人が参加。デンバーでの集会には、3万4000人以上が参加。カリフォルニア州サクラメント近郊での集会には、3万人ほどが参加した。 主催者発表で計20万人以上にもなる観衆が集まり拍手喝采を送っているのは、「寡頭政治と闘う」ツアー中のバーニー・サンダース上院議員(無所属)とアレクサンドリア・オカシオ・コルテス下院議員(民主党)が語る激烈な反トランプ、反億万長者のメッセージだ。 サンダースは4月12日、野外音楽フェス「コーチェラ」にも登場し、観客たちを驚かせた。 民主党が活気を取り戻そうと模索するなか、このふたりの進歩主義者がその火付け役を担っている。ドナルド・トランプ大統領の返り咲き以来消えていた闘魂を、打ち
料理メニューよりも「グッズ制作」が先だ! 「味は4割です」 米国で「雰囲気重視」の飲食店が増える切実な理由 ラミレスの経営する飲食店「パパ・サン」では従業員がオリジナルグッズを着用している Photo: Lanna Apisukh / The New York Times
インターネットにおける性的コンテンツは長らく問題視されてきた。普通のサイトを開いただけなのに性的な広告が表示されたり、XなどのSNSをスクロールしていたらセンシティブな動画が流れてきて驚いたりといった経験をしたことがある人は、日本にも多いだろう。当然、子供たちも同じように性的コンテンツに触れているはずだ。 こうした事態に対応すべく、世界では厳しい規制を設ける国が増えつつある。 4月11日に施行された新法により、フランスではアダルトサイトで性的なコンテンツを閲覧する際、厳格な年齢確認を求められることになった。公的な身分証明書の提示を求めたり、ユーザーが顔を自撮りすれば年齢を推定できるツールを導入したりするなど、強力な年齢確認システムを利用することがポルノサイト側に義務付けられている。 米メディア「ポリティコ」によれば、この法律はまず、フランスのポルノブランドDorcelのような国内発ウェブサ
米国の関税政策によって、世界の自動車産業が動揺している。だが当初、トヨタをはじめとする日本の自動車メーカーは、トランプ大統領の就任を肯定的に受け止めていたと、米紙「ニューヨーク・タイムズ」は指摘する。 関税政策が具体化した後、「楽観」はどのように「懸念」に変わったのか。同紙がトヨタの関係者やアナリストに取材した。 2024年に世界が米大統領選の行方を注視していた頃、トヨタをはじめとする日本の自動車メーカーは、ドナルド・トランプが再び政権に返り咲けば、状況は自分たちに有利になると考えていた。 トランプは当時、ジョー・バイデン前大統領が掲げた電気自動車(EV)推進政策を撤廃することを公約に掲げていた。それはトヨタや、ガソリン車およびハイブリッド車を主力商品とする他の自動車メーカーが長年望んでいたことでもあった。 トヨタは1月の大統領就任式の際、100万ドル(約1億5000万円)を寄付した。さら
命の危機に瀕した際、心を落ち着かせ、道しるべを示してくれる、その場にいないはずの「誰か」を見たという報告は多い。それは、緊急事態を生き抜くために我々の脳がそなえているメカニズムなのだろうか? 「3人目」の登山者 イタリアの登山家、ラインホルト・メスナー(南チロル・ブリクセン在住の80歳)は、史上最も偉大な登山家に数えられる。 ギネス世界記録は2023年に取り消されてしまったが、彼は世界ではじめて14座ある8000メートル峰のすべてを酸素補給なしで登頂することに成功した人物だとみなされている。また、2018年のアストゥリアス女王賞スポーツ部門の受賞をはじめ、数々の受賞歴がある。 メスナーが彼にとって最初の8000メートル峰、パキスタンのナンガ・パルバットに挑んだのは1970年、まだ25歳のころだ。世界最大の標高差、約4600メートルを誇るルパール壁の登攀を試みた。彼は1歳年下の弟ギュンターを
達人が教える、物事を本当に「見る」方法 本質を見抜く“観察力”を身につければ、人生も社会もさらに豊かになる クリスチャン・マスビアウ:人文・社会科学を基盤とした戦略コンサルティング会社ReDアソシエーツの共同創業者。主著に『センスメイキング』『心眼』がある Photo: Courrier Japon データや数値が重視される世の中。科学・技術・工学・数学といったいわゆる「理系」の重要性がますます高まっているといわれる一方、文学・歴史・芸術・人類学などいわゆる「文系」の不要論が唱えられるようになり、いくつかの国の教育政策に反映されるようにもなった。 しかし、世界を動かし、そのなかで活動するのは人間である。その人間のことを真に理解するためには、人文・社会科学の知識や教養も重要だ──そのような思いから、人文・社会科学を基盤とした戦略コンサルティング会社を創業したクリスチャン・マスビアウは、人文・
泥沼化しそうな米中貿易戦争。我慢くらべのチキンゲームで分があるのはトランプよりも習近平だと米紙は報じる。その理由とは──。 ドナルド・トランプ米大統領は、世界に課した関税が株式市場の売りを誘発しても、まったく意に介していないようだった。 相互関税が発動された4月9日の朝、トランプは「落ち着け! すべてはうまくいく」とSNSで米国民に告げた。 ところが、同じ日の午後に相互関税の90日間停止を発表。金融市場の混乱、とりわけ米国経済の基盤を揺るがしかねない国債利回りの急上昇を見て、トランプは慌てたのだ。 そして11日夜には、中国から輸入するスマートフォンやコンピュータなどの電子機器を相互関税の適用から除外すると発表した。 つまりトランプは、このチキンゲームの相手である中国の習近平国家主席に、ある種の譲歩を見せたといえる。 一方の習は、敵の痛いところはどこであるかを知った。 習の支持者も批判派も同
トランプ政権がNATOやウクライナを突き放し、ロシア寄りの姿勢を見せたことは、アジアにおける米国の同盟国に衝撃を与えた。自分たちも突然、見捨てられるかもしれない──。 英誌「エコノミスト」は、米国不在のリスクは欧州よりもアジアのほうが深刻だと指摘し、日本が取るべき選択肢について報じている。 トランプが習近平や金正恩と「取引」する可能性 ロシアが2022年にウクライナへの侵攻を開始すると、当時の岸田文雄首相は「今日のウクライナは明日の東アジアかもしれない」と繰り返し警鐘を鳴らした。これは中国が台湾を武力統一する可能性を示唆するものだった。 だが3年後のいま、ドナルド・トランプ米大統領がウクライナへの圧力を強めるなか、そのフレーズは新たな意味を帯びるようになった。米国がアジアの同盟国・友好国をも見捨てる恐れがあるとしたら──。
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