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中東情勢
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慶應義塾大学でイタリア語講師も務める長谷川悠里による「イタリア通信」 から以下、転載で紹介する。長谷川氏はイタリアの高校・大学・大学院で教育を受けて育ち、現在、「エルゴン・ジャパン」でイタリアの⽼舗ブランドとのビジネス展開を手がける起業家でもある。 ナポリ出⾝カリスマシェフが頭を抱える「ナポリタン」の存在 日本で人気の料理「スパゲッティナポリタン」。実は日本独自の創作料理であることは周知の事実として知られています。ただ、近年はイタリアでもその特異な存在が知られるようになりました。イタリアの⼈気テレビ番組「MasterChef Italia」では、ナポリ出⾝のカリスマシェフ・カンナバッチュオーロ氏が、初めてそのレシピを知り、イタリア料理とあまりにかけ離れた内容に頭を抱える姿が放映されています! ナポリタンの調味料は、完熟トマトを煮詰めたものに、砂糖や塩、酢、スパイスなどを加える“ケチャップ”
西太平洋の島嶼国ソロモン諸島の議会(定数50)は5月2日、親中派のソガバレ前首相が後継者に推したマネレ前外務・貿易相を新たな首相に指名した。安全保障や経済の分野で中国に接近する路線を継承する見通しだ。 ただ、ソガバレ氏が率いる与党OURは4月の総選挙で15議席を獲得して第1党になったものの、過半数の26議席には届かなかった。著書『真相 中国の南洋進出と太平洋戦争』(龍渓書舎)など、パプアニューギニアやソロモン諸島をはじめとする太平洋の戦史研究で知られる田中宏巳防衛大学校名誉教授は「中国が太平洋島嶼国に進出して10年余になりますが、中国に対する現地の人々の警戒心が上がってきていると感じます」と語る。 太平洋地域はマーシャル諸島、ミクロネシア連邦、パラオなどの「ミクロネシア」、パプアニューギニア、ソロモン諸島、フィジーなどの「メラネシア」、そしてキリバス、サモア、ツバル、トンガなどの「ポリネシ
英国政府の各省庁は2022年11月、Hikvision(ハイクビジョン)やDahua(ダーファ)を含む中国製の監視カメラの使用を中止するよう命じられた。しかし、それから18カ月が経った今も、それらのカメラを撤去した政府機関は、全体の約半数にとどまっている。 これらの中国企業は、中国政府の出資を受けており、必要に応じて中国共産党とデータを共有する義務があると広く信じられている。 英国の内閣府は先日、これらの機器の撤去作業は、予定よりも早く進んでいるが、一部の監視カメラは来年の今頃まで残る可能性があると発表した。 「現在までのところ、機密性の高いサイトの大部分は、そのような機器を配備していないことが確認されている」と当局は述べている。しかし、問題のある監視デバイスが全面的に撤去されるまでには、あと1年が必要だ。 この問題は、中国のスパイ行為に関する最近の動きを考えると、特に深刻だ。例えば先日は
1枚の回路基板上にコンピューターとして最低限の機能を持たせたシングルボードコンピュータで知られる英国企業のRaspberry Pi(ラズベリーパイ)は米国時間5月15日、ロンドン証券取引所での新規株式公開(IPO)を準備中だと発表した。 2011年の販売開始以来、累計6000万台以上のラズベリーパイを販売してきた同社の評価額は、最大5億ポンド(約980億円)に達する可能性があると、このニュースを最初に報じたサンデー・タイムズ紙は述べている。 ラズベリーパイCEOのエベン・アップトンは、株式公開の意向を発表する声明の中で、「2012年に最初の製品をリリースしたとき、私たちの目標は、若い人たちが自信を持って所有し、探求できるような手頃な価格のコンピュータを提供することでした。ラズベリーパイの特徴である低価格コンピューティングに対する我々のコミットメントは今後も変わりません」と述べている。 ソニ
英国の兵器史家であるマシュー・モスは、数週間前にこうした展開を予想していた。「向こう数週間、亀戦車はさらに増殖することになりそうだが、ウクライナ側はそのうちこうした戦車とより効果的に戦うすべを見つけるだろう」 ロシア側にとって亀戦車の問題点は、この仕様は特定の技術的問題に対する技術的解決策だったということだ。特定の技術的問題とはもちろん、ウクライナ側が毎月、ロシア軍の部隊や車両に10万機差し向けている自爆型FPV(一人称視点)ドローンのことである。 たしかに、亀戦車の大きな甲羅はたいていの方向からFPVドローンをブロックできる。また、一部の亀戦車の甲羅にへばりついているジャマー(電波妨害装置)は、ウクライナ側のドローンの制御信号を妨害できるのかもしれない。 ウクライナ軍で最近まで最も重要な弾薬だったFPVドローンから身を守れる亀戦車は、比較的無傷でウクライナ側の陣地に近づくことができた。亀
AFP通信は今月、スロバキアのロベルト・フィツォ首相が11日、ウクライナ侵攻を巡る従来のロシア寄りの発言を改め、ウクライナの「領土保全」を尊重した平和的解決を呼びかけたと伝えた。フィツォ氏は昨年10月、ウクライナに対する軍事支援の停止を表明した。今年1月には、戦争終結にはウクライナによるロシアへの領土割譲が必要だとも発言していた。4月の発言は「ロシア寄りからの修正」とも受け取れるが、スロバキアの隣国チェコに在住する細田尚志チェコ国防大学インテリジェンス研究所助教は「フィツォ氏は態度を変えていません」と語る。 細田氏によれば、フォツォ氏は「ポピュリスト」だという。常に、スロバキア世論の支持獲得や与党の利益を最大化することを考え、実践している。外交政策は、どの国・地域に対しても良い顔をする全方位外交を基本とし、「誰に対してもリップサービスをしている」(同氏)という。 フィツォ氏が演じる「反ウク
Photo credit should read Yurii Rylchuk / Ukrinform/Future Publishing via Getty Images 2020年のある日、カリフォルニア州オークランドのアパートで、アサンカ・ウィクラマラッキと彼の2人の兄弟は、精神作用のあるキノコを使った食用品の製造工程を考えていた。マジックマッシュルームに含まれる成分のシロシビンは連邦政府によって違法とされているが、兄弟が実験していたのは、赤いカサに白い水玉模様が特徴的な毒キノコとして知られるベニテングタケから抽出される「ムシモール(muscimol)」と呼ばれる化合物を用いたものだった。 彼らがベニテングタケを選んだ理由は2つある。その一つは、このキノコには精神作用があることで、さらに重要なのは、他のサイケデリック・ドラッグのように米国麻薬取締局(DEA)によって禁止されていない点だ
ロシア軍によるウクライナ北東部ハルキウ北方面への越境攻撃が本格的な攻勢の始まりなのか、それともウクライナ軍の兵力分散を狙った陽動なのかは、まだはっきりしたことを言える段階でなない。 とはいえ、ハルキウの北東40kmほどにあり、ロシアとの国境からわずか数kmしか離れていないボウチャンシク市の住民にとっては、どちらであろうとあまり関係ないかもしれない。故郷が再び戦場になっているのだ。 ロシアの2022年2月の全面侵攻前におよそ1万7000人が住んでいたボウチャンシクは、侵攻開始直後にロシア軍に占領された。その7カ月後、ウクライナ軍の最初の反転攻勢の過程で解放された。だが今、ロシア軍の3個連隊の部隊に再び狙われている。数千人の住民が避難を余儀なくされており、なかにはこの2年あまりで2回目の避難になる人もいる。 ボウチャンシクの戦いは、ロシア軍による北方からの新たな作戦で最初の大きな戦いのひとつに
メッセージを「。」で終わらせると「怒ってるみたいで怖い」と言われる、いわゆるマルハラが話題になった。年配者には何のことやらサッパリな感じだろう。「マルを付けちゃいけないの?」みたいな空気が日本を覆ったわけだが、実際にどれほどの人がマルを怖れているのか。グローバルマーケティング事業やメディア事業を展開するFORIT(フォーイット)が全国の20歳から69歳の男女500人を対象に行った調査で、ホントのところが見えてきた。 まず、文末が「。」で終わっている文章を目上の人から受け取ったときにどう感じるかという質問に、全体で64.8パーセントとダントツで多かった答えが「あまり気にしたことがない」だった。次いで、24.6パーセントが「丁寧さ」を感じると答え、「威圧感」、「距離感」、「怒ってる」と否定的にとらえる人は合計で18.6パーセントと少数だった。 男女別で見ると、これらの順位は変わらないものの、威
インドネシアを拠点とするスマート農業プラットフォームのElevarm(エレバーム)は米国時間5月8日、苗木と有機肥料の生産を強化するため、シンガポールを拠点とするベンチャーキャピタルのインシグニア・ベンチャーズ・パートナーズから260万ドル(約4億円)を調達したと発表した。 この調達ラウンドには、エレバームの既存出資者でインドネシアの「スマート養殖のユニコーン企業」として知られるeFishery(イーフィッシャリー)創業者のギブラン・フザイファや、ECプラットフォームのエバーモスの共同創業者でCEOのアリップ・ティルタらも参加した。 「私たちの使命は、独自の研究や技術、ソリューションを通じて、農作物の収穫量を増やすだけでなく、長期的に循環経済に貢献する農業の必需品へのアクセスを民主化することだ」と、エレバームの共同創業者兼CEOのバユ・シエリ・ラクマットは声明の中で述べた。 ラクマットは2
前回のコラムでレポートしたBTSの所属事務所「HYBE(ハイブ)」の内紛騒動は、韓国ではさらに大きな広がりを見せている。 特に、HYBE傘下の子会社「ADOR(アドア)」のミン・ヒジン代表が、親会社に反旗を翻すような激烈な記者会見を開いてからは、世論の風向きが一気に変わってきている。 4月25日にミン代表が記者会見をする前は、HYBE側の主張だけがメディアで報じられていたため、彼女に対しては「HYBEの庇護のもとで育てたNewJeansというアイドルを、自分が育てたからと横取りしようとしている」という見方が一般的だった。 しかし記者会見後は、ミン代表に対する世間の見方が一変した。 会見の模様はネット配信でも流されたのだが、ラフな格好、尊敬語を交えたタメ口、感情が高ぶったときは俗語や上司への悪口、差別用語など、テレビ放送では絶対ありえないような型破りなものであった。ネットで視聴した人のなかに
KPMGの2024年米国CEO展望調査によると、米国の大企業の30%が週4日勤務(週休3日)などの新しい働き方を模索している。驚くことではないが、週4日勤務という考えは再び支持を得つつある。 バーニー・サンダース米上院議員は最近、給与を減らすことなく週32時間労働を実現する法案を提出した。その数日後、富豪の著名投資家スティーブ・コーエンが米CNBCテレビの番組『Squawk Box』に出演し、ゴルフの新リーグ「TGL」への投資について語った。コーエンは「週4日勤務の時代がやってくる」と信じている。週4日勤務制を採用する企業が増えれば、ゴルフ場が金曜日に今以上に混雑するのは当然だ。採用活動からもこの傾向がうかがえる。求人情報のIndeedのデータによると、週4日勤務をうたう求人広告の全体数はまだ少ないものの、ここ数年で3倍に増えているという。 従業員のバーンアウト(燃え尽き症候群)がこれまで
4月上旬、ウクライナ東部ドネツク市のすぐ西にある都市クラスノホリウカの郊外を監視していたウクライナ軍のドローン(無人機)操縦士は、車体と砲塔を粗雑な金属製の屋根で覆ったロシア軍のT-72戦車を見つけた。 ほどなくして、同じような格好をした戦車が、ロシアがウクライナで拡大して2年3カ月目に入る戦争の約1000kmにおよぶ戦線の各地に出没し出した。多くはドローン対策のジャマー(電波妨害装置)も備えるようになっている。この戦車はロシア側では「皇帝のグリル」、ウクライナ側では「亀戦車」などと呼ばれている。 ロシア軍の攻勢で運用され始めて2カ月目に入るなか、亀戦車はまた新たな進化を遂げたようだ。最新の映像では、甲羅のような硬い金属製外殻の上にもう一層、金属製の格子をまとっていた。 this thing is huge. If it's role is purely plow the mines, i
日本の大企業が注目するリサーチツールをご存知だろうか。3億件以上の研究論文から技術の相関性を瞬時に可視化できる「Memory AI」なるもので、2023年6月にプレベータ版をリリースすると、半年でキリンホールディングスや大正製薬など大手企業約20社が顧客になった。 注目される理由は、企業の研究開発や事業開発担当者が技術調査や分析にかかる工数を最大で9割削減できるからだ。日本は特許出願件数で2022年、28.9万件で世界3位。国・地域別のGDP(国内総生産)に占める研究開発費総額の割合が3.59%と高く、ここ20年間で世界最高レベルにある(※)。科学技術においてこれだけ充実した環境にありながら、大きな問題がある。研究開発の最初の工程となる調査や分析には短くて半年、長いと1年半もの時間が必要になる。この非効率性に着眼したのが、当時、ニューヨーク州立大学の学生だった畑瀬研斗が設立したMEMORY
人型ロボットを開発するスタートアップ、Figure(フィギュア)の創業者でCEOのブレット・アドコック(38)は、自社のロボットへの自信を深めているが、それには理由がある。 1月に同社はBMWとの協業を発表し、自社のロボットをサウスカロライナ州の製造工場で働かせることを目標に掲げた。そして2月29日、フィギュアはマイクロソフトやエヌビディア、OpenAIのスタートアップファンド、ジェフ・ベゾスなどから26億ドルの評価額で6億7500万ドル(約1060億円)を調達した。同社はまた、人型ロボット用の人工知能(AI)モデルを開発するための協業契約をOpenAIと締結した。 この調達によって、カリフォルニア州サニーベールを拠点とするフィギュアの約50%を所有するアドコックは、ビリオネアの仲間入りを果たした。彼が保有するフィギュアと以前のスタートアップの株式の価値の合計は、推定14億ドルに達している
日常会話やポップカルチャーでは、「サイコパス」と「ソシオパス」という言葉は同義語として使われることが多い。一般的には、どちらも危険で暴力的、または恐ろしく冷酷な人のことを指し、共感性に欠け、非道な行為を行うことができる人のことをいう。 しかし、心理学の分野ではこれらは異なる特徴と意味合いを持っている。違いは些細なことに思えるかもしれないが、これらの用語を混同することで、重大な判断ミスを招く可能性がある。 ソシオパスとは何か? 「Current Psychiatry Reports」に掲載された研究によれば、かつてソシオパスと呼ばれていたものは、現在では反社会性パーソナリティ障害(ASPD)として知られている。この障害は、他者の幸福に対する無視や侵害という特徴的なパターンで表れる。ソシオパスの行動は通常、幼少期または思春期初期に始まり、成人期に続くとされる。 研究によれば、この障害の一般的な
マウンティング(One-upmanship、優越感の誇示)は、人が他者に対する優位性を主張するために、微妙または露骨な競争心を見せる一般的な現象だ。人間関係の中で、この現象は、パートナーや仲間を追い越したい、影を薄くしたり貶めたいという絶え間ない衝動として現れる。 そのマウンティングの根底にあるのは、比較によって肯定と承認を求めるよう人を駆り立てる根深い不安なのだ。最初は無害な冗談や遊び心のあるライバル関係のように見えるが、その根底にある動機は不和と憤りの種をまく可能性がある。自分の価値や優位性を示す必要性が常にあることで、緊張と不信の雰囲気が生まれ、相互の尊重と理解の基盤が徐々に侵食されていく。 以下は、「マウンティング」の背景にある3つの心理学的説明と、それらにあなたの人間関係を侵食させないための予防策だ。 1. 劣等感 劣等感は、個人の精神に浸透している根深い不全感だ。多くの場合、幼
メンタルヘルスの苦しみを正しく描いてくれることを期待していた映画で、ハリウッド流のうわべだけの描写を見てがっかりしたことはないだろうか? 心の問題を抱えて生きることの複雑な現実を、センセーショナルにあるいは矮小化し、時にはまったく不正確に表現している映画があまりにも多い。しかし、よく探せば、ステレオタイプと決別し、人間の体験を忠実に描写している作品を見つけることができる。 次の3作品は、メンタルヘルスの問題とともに生きる現実を垣間見せてくれる。これらの映画は、演出や物語がすばらしいだけでなく、日々の問題の残酷でほろ苦く胸をえぐられるような現実という新鮮な何かに光を当てている。 1. 『ファーザー(The Father)』2020年 『ファーザー』は、認知症とそれが人間関係に与える影響を掘り下げた感動的ドラマだ。物語は認知症の父の視点で語られ、方向感覚を失わせる没入的体験を観客にもたらす。彼
ここのところ世間を騒がせた、大谷翔平氏の専属通訳水原一平氏の違法スポーツ賭博事件だが、その後大谷氏の新通訳としてウィル・アイアトン氏が就任し、実際に稼働を始めている。 おもしろいことに、水原氏、アイアトン氏両名の「通訳の流儀」には大きな違いがあるという──。大谷翔平「新通訳アイアトン」、水原一平と訳し方の差くっきり。実例で分析に続いて以下、国際交渉のコンサルティングを行うYouWorld代表取締役の松樹悠太朗氏が、水原氏の流儀を分析した後に、「2つの流儀」は、対話に実際にどう影響するかを考察する。 水原訳は「主張と本論の順番を入れ替える」 大谷翔平「新通訳アイアトン」、訳し方が水原一平と段違い。実例で分析したでは主にアイアトン氏の通訳の流儀について紹介した。 本稿では、過去の水原氏の通訳例も見ながら、2人の「流儀」を比較してみたい。 水原氏は「意訳スタイル」であると言われている。アイアトン
2024年2月、ベンチャーキャピタル(VC)大手のアンドリーセン・ホロウィッツが、シリコンバレーで開いたパーティーには、グンド・ブラザーズと呼ばれる若手起業家たちが大挙して詰めかけた。ほぼ全員がマレットヘア(側頭部を刈り上げて襟足部分を長く伸ばした髪型)の彼らは、エナジードリンクをがぶ飲みし、ニコチンパウチを噛んで、愛国的な歌を歌いながら、ツアーバスに乗ってやってきた。 グンド・ブラザーズという呼び名は、彼らが拠点とする米国最大の軍需産業の街、エル・セグンドに由来している。 2016年にグーグルが、従業員からの反発を受けて国防総省との契約を破棄して以来、VCは防衛テクノロジー企業に1000億ドル(約15兆6000億円)以上の資金を投入し、シリコンバレーの異端児として知られるパルマー・ラッキーが立ち上げた軍事ドローン企業のアンドゥリル・インダストリーズのようなスタートアップを台頭させた。 ラ
ロシア軍のドローン(無人機)対策のジャマー(電波妨害装置)はあまり効果を発揮していない。ロシア軍の防空システムは前線から何百kmも離れた基地や工場、製油所をウクライナのドローン攻撃から守るため、薄く広がった状態になっている。 だとすれば、ロシア軍の歩兵はウクライナ側がロシア側の陣地に毎月およそ10万機送り込んでいる自爆型のFPV(一人称視点)ドローンから、どうやって身を守ればよいだろうか。 この目的では散弾銃は案外悪くない。機体重量900gかそこらのFPVドローンは、大きさも飛ぶ速さも鳥くらいだ。すばやい射撃手なら、飛んでくるFPVドローンをカモのように仕留められるかもしれない。 じつのところ、ロシア軍はドローンからの防御用に散弾銃を少数ながら部隊に支給している。しかし、ウクライナに進駐している40万人規模の軍隊全体を守るにはとうてい足りない。そのため、少なくとも1人のロシア兵は母国の支援
映画は私たちを取り巻く世界を認識に対して強い影響力がある。しかし心理学に関していえば、ハリウッドはしばしば創造的な自由で、人々を誤解やステレオタイプへと導く。誇張された症状から、美化された精神疾患の描写まで、いくつかの映画はとても大きな誤りを犯している。 そうした作品は鑑賞には良いかもしれないが、たとえ意図していなくても、心理学やメンタルヘルスに対する誤った考えを観客にもたらしかねない。フィクションに着想を与えた真実を知れば、必ずしもエンターテインメントが現実と一致していないことがわかるだろう。 1. 『17歳のカルテ(Girl, Interrupted)』1999年 『17歳のカルテ』は、スザンナ・ケイセンの自伝を映画化したもので、1960年代に境界性パーソナリティ障害(BPD)と診断された彼女の体験と、精神科病院での入院生活を詳しく描いている。映画はメンタルヘルスと自己発見に関する重要
大谷翔平氏の専属通訳を務めていた水原一平氏の違法スポーツ賭博事件が世の中を騒がせる中、大谷氏の「新通訳」としてウィル・アイアトン氏が就任した。 実は、2人の「通訳の流儀」には大きな違いがあるという──。以下、国際交渉のコンサルティングを行うYouWorld代表取締役の松樹悠太朗氏が、以下、まずはアイアトン氏の流儀を実際の通訳例を用いて分析する。 「水原一平氏の訳し方分析」はこちら> 大谷翔平新通訳、水原一平とは全然別の訳し方。違いは「行間」 アイアトン訳、ネイティブには「1個1個がつながっていない」印象? 大谷翔平氏の通訳者が水原一平氏からウィル・アイアトン氏に変わってから、二人の通訳のスタイルの違いがテレビやオンライン記事で話題となっている。 専門的な視点や感覚的な違いに至るまで幅広く議論が展開される中、国際的なコミュニケーションのコンサルティングを専門にしている筆者にとって、特に印象に
インドで見つかった化石が、文字どおり怪物のような巨大なヘビの新種だったことがわかった。ヘビが苦手な方にとっては今すぐ車の中にでも逃げ込みたくなるような話かもしれない。 4月に学術誌「サイエンティフィック・リポーツ」に発表された研究によると、およそ4700万年前に生息していたこのヘビは体長が推定11〜15メートルもあった。大型肉食恐竜のティラノサウルス・レックスを上回る長さということになる。ジャンボ機の中で毒ヘビの大群が暴れまわる『スネーク・フライト』というパニック映画があるが、大昔にはジャンボ機の5分の1ほどの長さのヘビがうねうねと這いずり回っていたということだ。 このヘビは、すでに絶滅したマッツォイア(madtsoiidae)科という陸生ヘビの系統に属する。マッツォイア科のヘビは、現在の南米、アフリカ、オーストラリア、南欧、インドにまたがる広い地域に生息していた。およそ1億年存続し、平均
私たちはしばしば、人の成功をその人の知性、才能、特権、あるいは運によるものだと考える。これらの要因が重要な役割を果たしていることは間違いないが、その一方で「グリット(Grit、やり抜く力)」と呼ばれる、あまり知られていない資質が、理想の人生をつかむために不可欠な役割を果たしている。 グリットの概念は、心理学者のアンジェラ・ダックワースによって、「長期目標に向けた情熱と忍耐力の独特な組み合わせ」として紹介された。要するに、それは障害に直面しても前進し続ける能力のことだ。 2023年の研究で明らかにされた、グリットを使って目標を達成するための8つの方法を、研究に裏付けられた形で紹介しよう。 1. SMARTな目標を立てる 達成可能性が高い目標とは、具体的(Specific)、測定可能(Measurable)、達成可能(Achievable)、現実的(Realistic)、期限付き(Time-b
ウクライナ東部ルハンシク州のクバニ村は、ロシアがウクライナで拡大して2年3カ月目に入った戦争の前線から100kmほど離れている。ウクライナ軍のほとんどの対人兵器の射程から十分外に位置するため、占領しているロシア軍にとってかなり安全な場所だった。 5月1日かその前日、クバニ付近の野外に大勢のロシア兵らが堂々と集まっていたのも、そうした安心感からだったのだろう。もしかすると数百人いたかもしれない兵士らは、訓練のために集合していたようだ。 だが、ロシア軍にとって問題になるものがあった。米国からウクライナに供与されたATACMS戦術弾道ミサイルである。精密誘導されるこのミサイルはモデルによっては射程が300kmに達し、内蔵している擲弾(てきだん)サイズの子弾を数百個から1000個近くばらまく。 ロシア兵らが白昼、クバニ付近の原っぱを公然とうろつく様子は、ウクライナ軍のドローン(無人機)によってかな
旅の醍醐味(だいごみ)と言えば、新たな場所を発見することだが、気に入った場所を再訪することには特別な意味がある。これはまた、なぜそこが最高の場所なのかを如実に示す指標でもある。では、旅行者がもう一度訪れたい場所はどこだろうか? 英旅行保険会社インシュアランス・ゴーは、旅行者がもう一度訪れたい場所をランキング形式で発表した。調査では、世界約500の国や都市、観光名所について、米投稿サイト「レディット」やその他ウェブサイトに寄せられた数千件に及ぶコメントを分析し、再訪するのに最も魅力的な場所を明らかにした。 世界中の旅行者がもう一度訪れたい国の1位は、豊かな文化と多様な見どころで有名な日本だ。日本については、レディットに投稿されたコメントだけでも324件もの言及があり、東京の賑やかな通りから京都の落ち着いた街並みまで、伝統と現代性が見事に融合し、旅行者を引き付けている。 日本に僅差で続いたのは
ウォーレン・バフェットは、2023年4月に来日した際、「5大総合商社株の保有比率を引き上げる」と公言した。そこから約1年。各社の株価は軒並み上昇傾向にあり、上場来高値を更新。三井物産の2023年度決算は最終利益は1兆636億円(5月1日公表)、三菱商事の同利益は9640億円(5月2日公表)と、両社とも過去2番目に高い水準で、それぞれ1兆円前後の利益を叩きだした。 商社が躍進を続ける理由とは何か。自身も三菱商事出身かつ、伊藤忠商事グループのファミマでの経歴も併せ持つ植野大輔が、Forbes JAPAN ニュースレター「大胆不敵なキャリア戦略」コーナーで紹介した商社の強さの秘密を掲載する。 商社パーソンはスーパーゼネラリスト 以前、総合商社躍進の秘密の一つに、身銭を切った「ブラッディインフォメーション」による、事業投資だと書きました。ブラッディインフォメーションとは、「A社の商材の品質が落ちた
ロシア空軍は、FAB汎用航空爆弾にUMPK衛星誘導キットを装着した誘導滑空爆弾(ウクライナ側呼称「KAB」)を、毎月3000発もウクライナ軍部隊に向けて投下している。4月27日、ウクライナ側がロシア南部クラスノダール地方の航空基地方面に長距離ドローン(無人機)を数十機飛ばし、多数のUMPKが保管されていた倉庫を爆破したのはそのためだ。 ウクライナ南部の前線からおよそ200km離れたクショフスカヤ空軍基地への襲撃直後の動画や衛星画像には、焼け焦げた施設やUMPKの残骸の山が見える。衛星画像からは、スホーイSu-34戦闘爆撃機少なくとも1機が破壊された形跡もうかがえるようだ。Su-34はこのキットを付けた滑空爆弾の主な発射母機になっている機体だ。 Overnight, Ukrainian forces successfully struck Russia's Kushchyovskaya ai
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