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細工は流々仕上げを御覧じろの解説 【読み方】 さいくはりゅうりゅうしあげをごろうじろ 【意味】 細工は流々仕上げを御覧じろとは、仕事のやり方は色々なのだから、途中でとやかく言わないで出来あがりを見てから批判して欲しいということ。 【注釈・由来】 「細工」とは、手先を使った細かい作業でものを作ること。 「流々」は、それぞれの流儀や流派の意味から転じて、物事には個々のやり方・方法があるものだということ。 【出典】 - 【例文】 部長、完成するまでは黙って見守っていて下さい。細工は流々仕上げを御覧じろですよ。 【注意】 「細工は隆々仕上げを御覧じろ」や「細工は粒々仕上げを御覧じろ」と書くのは誤り。 細工は流々仕上げを御覧じろの関連語 【類義語】 細工は流々仕上げを見よ/細工は流々仕上げが肝腎 【対義語】 - 【英語のことわざ】 - 【索引語】 細工/流々/仕上げ/御覧じる 【分類】 ・生活・暮ら
馬には乗ってみよ人には添うてみよの解説 【読み方】 うまにはのってみよひとにはそうてみよ 【意味】 馬には乗ってみよ人には添うてみよとは、何事も経験してみなくては本当のところはわからないのだから、やりもしないで批判したり評価したりするべきではないということ。 【注釈・由来】 馬には乗ってみなければ善し悪しがわからないし、人とは付き合ってみなければその人の性質はわからないということから。 何事も経験することによって、初めてそのよさがわかるのだから、始める前から軽々しく批判するのはよくないという戒め。 もともとは縁談を勧めるようなときに、実際に結婚してみなければ相手の本当の人柄はわからないとして言ったことば。 【出典】 - 【例文】 馬には乗ってみよ人には添うてみよだ、始める前から嫌がらないで、一度学校に通ってみたらどうだ。 【注意】 結果の善し悪しがわからないことに使うのだから、おめでたい席
門前の小僧習わぬ経を読むの解説 【読み方】 もんぜんのこぞうならわぬきょうをよむ 【意味】 門前の小僧習わぬ経を読むとは、日頃から見たり聞いたりしているものは、いつのまにか覚えてしまうものである。幼い頃の環境が人に与える影響の大きいことのたとえ。 【注釈・由来】 寺の門前に住んでいる子供や、いつも僧のそばにいる子供は、日頃から僧の読経を聞いているから、いつのまにか般若心経くらいは読めるようになることから。 人は自分の置かれている環境によって、無意識に影響を受けているという意味が込められている。 『江戸いろはかるた』の一つ。 【出典】 - 【例文】 門前の小僧習わぬ経を読むで、小さい頃から英語がペラペラだよ 【注意】 - 門前の小僧習わぬ経を読むの関連語 【類義語】 門前の小僧/寺の辺の童は習わぬ経を読む/智者の辺の童は習わぬ経を読む/鄭家の奴は詩をうたう/勧学院の雀は蒙求を囀る/学校の側の
五十にして天命を知るの解説 【読み方】 ごじゅうにしててんめいをしる 【意味】 五十にして天命を知るとは、五十歳になってはじめて、天から与えられた自分の使命を悟るようになる。 【注釈・由来】 孔子が晩年に振り返って言ったことば。 『論語・為政』の「子曰く、吾十有五にして学に志す、三十にして立つ、四十にして惑わず、五十にして天命を知る、六十にして耳順う、七十にして心の欲する所に従えども、矩を踰えず(私は十五才で学問を志し、三十才で学問の基礎ができて自立でき、四十才になり迷うことがなくなった。五十才には天から与えられた使命を知り、六十才で人のことばに素直に耳を傾けることができるようになり、七十才で思うままに生きても人の道から外れるようなことはなくなった)」に由来する。 【出典】 『論語』 【例文】 ・まだ三十代なのだから、自分の使命などわからなくて当然だ。五十にして天命を知ると言うだろう。 ・
張り子の虎の解説 【読み方】 はりこのとら 【意味】 張り子の虎とは、主体性がなく人の言うことにただ頷いている人や、首を動かす癖がある人のこと。また、弱いくせに虚勢を張っている人のたとえ。 【注釈・由来】 張り子の虎は、虎の形をした首の動くおもちゃのこと。 よく首が振り動く仕組みになっていることから、首を振る癖がある人や、ただ頷くだけの人のたとえとなった。 また、見かけは虎だが、紙で出来ていて中が空洞であることから、見掛け倒しの人をあざけっていう。 【出典】 - 【例文】 ・あの人はいつも自分の意見がなくて、まるで張り子の虎だ。 ・張り子の虎のように首を動かす癖が気になって仕方ない。 ・偉そうにしていても、所詮は張り子の虎だ。 【注意】 - 張り子の虎の関連語 【類義語】 張り抜きの虎/付和雷同/虎の威を借る狐/虚勢を張る/綺羅を張る/擬勢を張る/食わぬ腹肥やす 【対義語】 - 【英語のこ
病膏肓に入るの解説 【読み方】 やまいこうこうにいる 【意味】 病膏肓に入るとは、病気がひどくなり治療のしようがなくなる。熱中しすぎて、どうにも手がつけられなくなる。 【注釈・由来】 「膏」は、心臓の下の部分。 「肓」とは、横隔膜の上の部分のこと。 「膏」も「肓」も体の奥深いところにあり、薬も針も届かないので、治療が困難な場所である。 そこに病が入り込んだということから、病気が重くなって治療のしようがないことを意味し、転じて、趣味や道楽に熱中しすぎて手がつけられなくなることをいう。 病膏肓に入るは、『春秋左氏伝・成公十年』にある以下の故事に由来する。 晋の景公が病気になり、秦から名医を呼んだところ、医者が着く前に景公は、病気の精が二人の童子となって、膏と肓の間に逃げ込む夢をみた。 医者が到着し、景公を診察すると「膏と肓の間に病気があり、薬も針も届かないので治療のしようがありません」と言った
破れ鍋に綴じ蓋の解説 【読み方】 われなべにとじぶた 【意味】 破れ鍋に綴じ蓋とは、どんな人にもふさわしい相手がいるもので、似通った男女が一緒になるのがよいことのたとえ。また、両者が似通っていることのたとえ。 【注釈・由来】 「破れ鍋」とは、欠けたりひびが入ったりした鍋。 「綴じ蓋」は、壊れた部分を修理した蓋のこと。 壊れた鍋にも、それに合う修理した蓋があり、ぴったりと釣り合いが取れるという意味から。 「割れ鍋に綴じ蓋」とも書く。 『江戸いろはかるた』の一つ。 【出典】 - 【例文】 ・頼りない男性に見えるかもしれませんが、破れ鍋に綴じ蓋で、私には彼みたいな人が一番合うんですよ。 ・破れ鍋に綴じ蓋というもので、あの二人は似た者夫婦だ。 ・破れ鍋に綴じ蓋と言うだろう。理想の相手を探すよりも本当に自分と合う相手を見つけた方がいいよ。 【注意】 「破れ鍋に閉じ蓋」と書くのは誤り。 「破れ鍋(割れ
損して得取れの解説 【読み方】 そんしてとくとれ 【意味】 損して得取れとは、一時的には損をしても、将来的に大きな利益となるようにせよ。 【注釈・由来】 目先の得を考えるとかえって大きな損をすることがあり、逆に今の損を我慢すれば最終的に大きな得を得ることがある。 目先の損失は度外視して、将来の利益を確保せよということ。 主に、商売のコツとして言われる言葉。 【出典】 - 【例文】 経費もかかるし準備金もかかるが、良いものを作れば必ず見返りがあると信じている。損して得取れの精神で、これからも目先の利益にはこだわらないで商売していくよ。 【注意】 - 損して得取れの関連語 【類義語】 商人は損をして得を取れ/損をして利を見よ/損せぬ人に儲けなし/損は儲けの初め/損をすれば得をする/損と傷は癒え合う 【対義語】 一文惜しみの百知らず 【英語のことわざ】 ・Sometimes the best g
付和雷同の解説 【読み方】 ふわらいどう 【意味】 付和雷同とは、しっかりとした主義、主張を持っておらず、たやすく他人の意見に同調すること。 【注釈・由来】 付和雷同の「付和」は、自分にしっかりとした考えがなく、軽々しく他人のことばに合わせるすること。 「雷同」とは、雷がなると万物がそれに応じて響くこと。 『礼記』に「勦説する毋れ、雷同する毋れ(他人の説を盗んで自分の説としてはいけない、他人の意見にむやみに賛同するものではない)」とある。 「附和雷同」とも書く 【出典】 『礼記』 【例文】 ・あの政治家は、いつも多数派に付和雷同する。 ・彼はマジョリティに付和雷同することなく、自分自身に正直な人だ。 ・他人の意見を尊重することは大切だが、それは節操なく付和雷同することではない。 【注意】 「不和雷同」と書くのは誤り。 付和雷同の関連語 【類義語】 雷同付和/雷同/阿附雷同/付和随行/雷同一
仏作って魂入れずの解説 【読み方】 ほとけつくってたましいいれず 【意味】 仏作って魂入れずとは、いちばん肝心なものが抜け落ちていることのたとえ。 【注釈・由来】 仏像を作っても、魂を入れなければ、単なる木や石と同じであることから。 転じて、物事は仕上げが最も重要であり、それが欠けたときは作った努力もむだになるということ。 「仏造って魂入れず」とも書く。 【出典】 - 【例文】 ・詩も曲も仕上がったのに、タイトルだけがどうしても思い浮かばない。仏作って魂入れずの状態だ。 ・ここで止めてしまえば仏作って魂入れず。最後までやり抜きましょう。 ・これだけの大作なのに、仏作って魂入れずでは一般人の作品と同じになってしまいますよ。 【注意】 - 仏作って魂入れずの関連語 【類義語】 仏作って眼を入れず/仏作っても開眼せねば木の切れも同然/画竜点睛を欠く/九仞の功を一簣に虧く 【対義語】 - 【英語の
ミイラ取りがミイラになるの解説 【読み方】 ミイラとりがミイラになる 【意味】 ミイラ取りがミイラになるとは、人を連れ戻しに行った者が、その目的を果たさずにとどまって帰ってこなくなる。また、人を説得にようとした者が、逆に相手に説得されてしまうことのたとえ。 【注釈・由来】 ミイラを取りに行った者が、その目的を果たせずに自分がミイラになってしまうことから。 「ミイラ(木乃伊)」は、防腐剤として用いられた油のことをさす。 アラビアやエジプトなどで死体に塗る薬としてミイラは用いられ、この薬を布で巻いて箱に入れ棺におさめると死体が腐るのを防げた。 この薬を取りに行った者が、砂漠で倒れるなどして目的を果たせず、ついには自分がミイラになってしまったことが、このことわざの起源とされている。 【出典】 - 【例文】 ・弟を連れ戻しに行ったはずのお兄ちゃんまで入信してしまうなんて。ミイラ取りがミイラになっち
洛陽の紙価を高めるの解説 【読み方】 らくようのしかをたかめる 【意味】 洛陽の紙価を高めるとは、著書の評判が高く、飛ぶように売れること。 【注釈・由来】 晋の左思が『三都賦』を作った時、洛陽(中国の都市)では評価が高く、人々が争ってこれを書き写したために紙の需要が増した。 このため洛陽では紙の値段が高くなり、「洛陽為之紙貴」と書かれたという故事から。 【出典】 『晋書』文苑伝・左思 【例文】 これはまさに洛陽の紙価を高める小説である。 【注意】 「洛陽の市価を高める」と書くのは誤り。 洛陽の紙価を高めるの関連語 【類義語】 洛陽の紙価を高からしむ/洛陽の紙価貴し/洛陽の紙価を貴む/紙価を高める/紙価を高からしむ 【対義語】 - 【英語のことわざ】 ・To sell like hot cakes.(ホットケーキのように売れる=飛ぶように売れる) 【索引語】 洛陽/紙価/高める/紙/価 【分
孟母三遷の教えの解説 【読み方】 もうぼさんせんのおしえ 【意味】 孟母三遷の教えとは、子供の教育には、よい環境を選ぶことが大事だという教え。また、教育熱心な母親のたとえ。 【注釈・由来】 「孟母」は、孟子の母親。 「三遷」は、住居を三度移し変えること。 孟子の家族は、はじめ墓場の近くに住んでいたが、孟子が葬式ごっこをして遊ぶので、市場の近くに引っ越した。 市場の近くに住むと、孟子は商人の真似ばかりして遊ぶので、学校の近くに引っ越した。 すると孟子は礼儀作法の真似ごとをするようになり、孟子の母は「この地こそ子供にふさわしい」と言って、その地に落ち着いたという故事に由来する。 【出典】 『古列女伝』母儀・鄒孟軻母 【例文】 ・孟母三遷の教えというから、物心つく前に引っ越そう。 ・先祖代々優秀な家では、孟母三遷の教えを当然のことと考えている。 ・孟母三遷の教えというように、周りの影響を受けやす
鬼も十八番茶も出花の解説 【読み方】 おにもじゅうはちばんちゃもでばな 【意味】 鬼も十八番茶も出花とは、器量の悪い女性でも、年頃の娘盛りになれば、みな美しく見えるものであるというたとえ。 【注釈・由来】 「出花」とは、番茶や煎茶に湯をそそいだばかりのもの。 醜い鬼の娘であっても、十八という年頃になれば、色気が出て魅力的に見えるものだし、粗末な番茶であっても、一番茶は香りがよく美味しいということから。 昔は男女両方に言ったが、現代では女性のみに使われる。 【出典】 - 【例文】 鬼も十八番茶も出花で、うちの娘も年頃になり、なかなかのものだと親馬鹿ながら思います。 【注意】 醜い鬼や粗末な番茶にたとえたことわざなので、他人の娘に対して使うのは失礼である。 誤用例 「鬼も十八番茶も出花といいますが、娘さんもすっかりお綺麗になりましたね」 鬼も十八番茶も出花の関連語 【類義語】 鬼も十八/番茶も
韓信の股くぐりの解説 【読み方】 かんしんのまたくぐり 【意味】 韓信の股くぐりとは、将来に大志を抱く者は屈辱にもよく耐え、目先のつまらないことで人と争わないことのたとえ。 【注釈・由来】 「韓信」は、漢の天下統一に功績のあった名将。 韓信が若い頃、町のごろつきに喧嘩を売られたが、大志を抱く身であった韓信はごろつきと争うことを避けた。 股の下をくぐらされるという屈辱をあえて受けたが、その後、韓信は大成し、天下統一のために活躍したという故事から。 将来に大望のある者は、目の前の小さな侮りを忍ぶべきという戒めである。 「感心なことだ」の意味で相手を褒める際、「韓信」と「感心」をかけて「感心の股くぐり」と洒落て使うことがある。 【出典】 『史記』 【例文】 君に大きな夢や目標があるなら、韓信の股くぐりを座右の銘として、小事にとらわれることはやめなさい。 【注意】 - 韓信の股くぐりの関連語 【類
捲土重来の解説 【読み方】 けんどちょうらい 【意味】 捲土重来とは、一度敗れた者が態勢を立て直し、再び勢力を盛り返すこと。 【注釈・由来】 「捲土」は砂埃を巻き上げるという意味。「重来」は再びやって来ることで、捲土重来は、砂埃を巻き上げるごとく、すさまじい勢いで重ねてやって来るの意味から。 「巻土重来」と書いたり、「けんどじゅうらい」といったりもする。 【出典】 杜牧『題烏江亭』 【例文】 ・前回の大敗を糧に、捲土重来を果たした。 ・負けた悔しさをばねに、捲土重来を期して頑張ります。 ・今回の選挙も捲土重来とはいかず、落選してしまった。 【注意】 砂埃を巻き上げて襲来してくるという意味で使うのは誤り。 誤用例 「捲土重来しながら敵が攻めてきた」 捲土重来の関連語 【類義語】 土を捲いて重ねて来たる/起死回生/起死再生/煎り豆に花が咲く/七転八起/七転び八起き 【対義語】 再起不能/一蹶不
乾坤一擲の解説 【読み方】 けんこんいってき 【意味】 乾坤一擲とは、運を天に任せ、一世一代の大勝負に出ることのたとえ。 【注釈・由来】 乾坤一擲の「乾」は「天」、「坤」は「地」で、「乾坤」は「天地」の意味。 「一擲」はさいころを投げること。 天地をかけて一回さいころを投げるという意味から、自分の運命をかけて、のるかそるかの勝負に出ることをいう。 韓愈の詩「鴻溝を過ぐ」の「竜疲れ虎困じて川原に割ち、億万の蒼生、性命を存す。誰か君王に馬首を回らすを勧めて、真に一擲を成して乾坤を賭せん」に由来する。 【出典】 韓愈・詩「鴻溝を過ぐ」 【例文】 ・この勝負が乾坤一擲で、吉と出るか凶と出るかはわからないが賭けてみよう。 ・安定した暮らしを捨てて乾坤一擲の大勝負に出るつもりはない。 ・事業をしていれば乾坤一擲のような選択をしなければいけない時もある。 【注意】 - 乾坤一擲の関連語 【類義語】 一擲
燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんやの解説 【読み方】 えんじゃくいずくんぞこうこくのこころざしをしらんや 【意味】 燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんやとは、小人物には大人物の考えや大きな志などがわからないことのたとえ。 【注釈・由来】 「燕雀」は、燕や雀などの小さな鳥のことで、転じて、小人物。 「鴻鵠」は、大鳥や白鳥など大きな鳥のことで、転じて、大人物。 「安んぞ」は、疑問・反語を表すのに用いられる漢文訓読語で、下に推量を伴って「どうして」「なんで」の意味。 中国の陳渉が若いころ農耕に雇われていた時、その大志を嘲笑した雇い主に向かって言った言葉で、『史記』に「磋呼、燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや」とある。 【出典】 『史記』 【例文】 ・燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや、理解できないと言う者は放っておけばよい。 ・燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや、未熟者の彼らに私の考えなど理解できるはずがない。 ・あなたは自分
四十にして惑わずの解説 【読み方】 しじゅうにしてまどわず 【意味】 四十にして惑わずとは、四十歳にもなれば、道理も明らかになり自分の生き方に迷いがなくなる。 【注釈・由来】 孔子が晩年に振り返って言ったことば。 『論語・為政』の「子曰く、吾十有五にして学に志す、三十にして立つ、四十にして惑わず、五十にして天命を知る、六十にして耳順う、七十にして心の欲する所に従えども、矩を踰えず(私は十五才で学問を志し、三十才で学問の基礎ができて自立でき、四十才になり迷うことがなくなった。五十才には天から与えられた使命を知り、六十才で人のことばに素直に耳を傾けることができるようになり、七十才で思うままに生きても人の道から外れるようなことはなくなった)」に由来する。 【出典】 『論語』 【例文】 四十にして惑わずというが、五十を過ぎても迷ってばかりだ。 【注意】 「四十にして迷わず」というのは誤り。 四十に
盗人にも三分の理の解説 【読み方】 ぬすびとにもさんぶのり 【意味】 盗人にも三分の理とは、悪事を働いた者にも、それなりの理由はあるものだということ。また、どんな事にも理屈をつけようと思えばつけられるものだということのたとえ。 【注釈・由来】 「三分」は3割で、泥棒にも盗みをしたそれなりの理由や言い分が、3割くらいはあるということから。 【出典】 - 【例文】 盗人にも三分の理があるというから、一応話だけは聞いておくよ。だからといって私の考えは変わらないがね。 【注意】 「盗人にも三分の利」と書くのは誤り。 盗人にも三分の理の関連語 【類義語】 盗人にも三分の理あり/泥棒にも三分の道理/盗賊にも三分の理あり/乞食にも三つの理屈/藪の頭にも理屈がつく/理屈と膏薬はどこへでもつく/柄の無い所に柄をすげる 【対義語】 - 【英語のことわざ】 ・The wrongdoer never lacks
驕る平家は久しからずの解説 【読み方】 おごるへいけはひさしからず 【意味】 驕る平家は久しからずとは、思い上がった振る舞いをする者は長く栄えることはなく、いずれ滅びるというたとえ。 【注釈・由来】 『平家物語』に「驕れる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし」とあるのに由来する。 栄華をきわめた平家の天下も長くは続かず、権勢を誇り驕慢になった者は必ず失脚するものである。 勢いが盛んな時ほど慎まねばばらないという戒めを含む。 【出典】 『平家物語』 【例文】 彼はずいぶんと調子づいているようだね。周りから顰蹙を買っているが、驕る平家は久しからずというように、そのうち自滅することになるだろう。 【注意】 「奢る平家は久しからず」と書くのは誤り。 驕る平家は久しからずの関連語 【類義語】 驕る平家に二代なし/驕る平家は内より崩る/驕る平家の運の末/驕る者久しからず/栄枯盛衰/盛者必衰/月満つれ
男やもめに蛆がわき女やもめに花が咲くの解説 【読み方】 おとこやもめにうじがわき、おんなやもめにはながさく 【意味】 男やもめに蛆がわき女やもめに花が咲くとは、一人暮らしの男は不精で不潔な環境にあるのに対し、一人暮らしの女は身綺麗で華やかである。 【注釈・由来】 「やもめ」とは、本来は配偶者を失った者のことをいうが、適齢期を過ぎても独身の者に対してもいう。 妻を亡くした男性は、それまで家事をしてくれていた妻がいなくなって、自分が家事をするようになるが不慣れなため、家の中に蛆がわくように汚くなる。 対して、夫を亡くした妻は、夫の世話から開放されてますます綺麗にする時間が増えることから、部屋の中も清潔になり身なりにも気を使う余裕が出るので、花が咲いたように華やかになるということ。 【出典】 - 【例文】 男やもめに蛆がわき、女やもめに花が咲くで、離婚してから彼の家はゴミ屋敷のようになったそうだ
ペンは剣よりも強しの解説 【読み方】 ペンはけんよりもつよし 【意味】 ペンは剣よりも強しとは、言論の力は、権力や武力よりも大きな力を持っていることのたとえ。 【注釈・由来】 イギリスの政治家・小説家ブルワー・リットンの戯曲『リシュリュー』にある「The pen is mightier than the sword.」の訳。 「筆は剣よりも強し」と訳されたこともあるが、「ペンは剣よりも強し」の形で定着した。 文章で表現される思想は世論を動かし、武力以上に強い力を発揮するということ。 【出典】 - 【例文】 ・ペンは剣よりも強しで、新聞読者の記事が政治を動かした。 ・ペンは剣よりも強しというように、言葉の力は大きい。 ・ペンは剣よりも強しと信じて執筆したが、政府の圧力によって発行できなかった。 【注意】 - ペンは剣よりも強しの関連語 【類義語】 文は武に勝る/言葉は剣よりも強し/舌は刃より
天は二物を与えずの解説 【読み方】 てんはにぶつをあたえず 【意味】 天は二物を与えずとは、天は一人の人間に、いくつもの長所や才能を与えてはくれない。 【注釈・由来】 天の神様は一人の人間だけに、いくつもの美点を与えることはしないから、よいところばかり揃った完璧な人間などいない。 異なる二つの天賦の才を持つことは有り得ず、人にはそれぞれに長所も短所もあるということ。 【出典】 - 【例文】 天は二物を与えずで、彼女は相当に賢い女性だが、とてつもない運動音痴だね。 【注意】 - 天は二物を与えずの関連語 【類義語】 天は二物を下さず/天、二物を仮さず/角あるものは牙なく、牙あるものは角なし/美人に馬鹿あり 【対義語】 - 【英語のことわざ】 ・The water that came from the same spring cannot be both pure and salt.(同じ泉か
馬鹿と鋏は使いようの解説 【読み方】 ばかとはさみはつかいよう 【意味】 馬鹿と鋏は使いようとは、愚かな者でも使い方によっては役に立つこともある。 【注釈・由来】 馬鹿と鋏は使いようの「鋏」は、西洋バサミではなく和バサミのこと。 和バサミで切る時はちょっとしたコツが必要で、使い方次第で切れたり切れなかったりする。 そのハサミと同じように、愚かな者も使い方次第であるということ。 能力のない者を馬鹿にした言葉ではなく、使う側の力量や能力を言ったことばである。 【出典】 - 【例文】 馬鹿と鋏は使いようで、前の職場では能力を発揮できなかった彼も、今の社長の下に就いてから本領を発揮したようだ。 【注意】 - 馬鹿と鋏は使いようの関連語 【類義語】 馬鹿と剃刀は使いよう/鋏と馬鹿は使いようで働く/阿呆と鋏は使いようで切れる/阿呆と剃刀は使いようで切れる/剃刀と奉公人は使いよう/奉公人と鋏は使いようで
去る者は日々に疎しの解説 【読み方】 さるものはひびにうとし 【意味】 去る者は日々に疎しとは、死者は月日が経つにつれ忘れられていく。また、親しかった者でも、遠く離れ離れになれば日に日に親しみが薄れていく。 【注釈・由来】 ここでの「疎し」は、人との関係が疎遠になっていくこと。 死んだ者が月日とともに忘れられていくことや、親しかった者が遠く離れることにより縁が薄くなっていくことは、やむを得ないことだという人生の無常をいう。 『文選・古詩十九首』に「去る者は日に以て疎く、来たる者は日に以て親し(別れた者とは日増しに疎くなり、こちらへ近づいてくる者とは日増しに親しくなるものだ)」とある。 【出典】 『文選』 【例文】 ・今を生きている以上、去る者は日々に疎しとなるのは仕方のないことだ。 ・去る者は日々に疎しで、毎日のように一緒に遊び歩いていた友人のことも、めったに思い出さなくなるものだ。 ・去
枯れ木も山の賑わいの解説 【読み方】 かれきもやまのにぎわい 【意味】 枯れ木も山の賑わいとは、つまらないものでも、無いよりはましである。また、役に立たない者でも、いないよりはいたほうがましだというたとえ。 【注釈・由来】 何もない殺風景なはげ山よりも、たとえ枯れ木でもあれば山の趣を添えてくれ、風情を賑わしてくれるということから。 自分のことを謙遜して言うことばで、老人が若者に混じって何かをする際などに多く用いる。 【出典】 - 【例文】 ・枯れ木も山の賑わいと言いますから、私も参加させていただきます。 ・たいした作品ではありませんが、枯れ木も山の賑わいと思って投稿しました。 ・私など枯れ木も山の賑わいに過ぎませんが、少しでもお役に立てればと思いやって参りました。 【注意】 自分を謙遜して言うことばなので、目上の人に対して使うのは失礼にあたる。 誤用例 「枯れ木も山の賑わいと言いますから、
過ちては改むるに憚ること勿れの解説 【読み方】 あやまちてはあらたむるにはばかることなかれ 【意味】 過ちては改むるに憚ること勿れとは、過ちを犯したことに気づいたら、体裁や対面などにとらわれず、ただちに改めるべきだという戒め。 【注釈・由来】 「憚る(はばかる)」とは、ためらう、気兼ねするの意。 「なかれ」は、文語形容詞「なし」の命令形で、禁止をあらわす。 人は誰も過ちをおかすものだが、その過ちに気づいたらすぐに改めるべきだという教え。 『論語・学而』に「忠信を主とし、己に如かざる者を友とすること無かれ、過ちては則ち改むるに憚ること勿れ。(真面目で誠実であることを目標とし、自分に及ばない者を友としてはいけない。過失を犯したことに気づいたら、すぐに改めなければならない。)」とある。 【出典】 『論語』 【例文】 意地を張らずに謝って来い。過ちては改むるに憚ること勿れと言うだろう。 【注意】
犬が西向きゃ尾は東の解説 【読み方】 いぬがにしむきゃおはひがし 【意味】 犬が西向きゃ尾は東とは、当たり前すぎるほど当たり前であることのたとえ。 【注釈・由来】 犬が西を向けば、当然しっぽは東を向くことから。 【出典】 - 【例文】 そんな儲け話には誰もが食いつくよ。犬が西向きゃ尾は東だ。 【注意】 - 犬が西向きゃ尾は東の関連語 【類義語】 北に近けりゃ南に遠い/雨の降る日は天気が悪い/親父は俺より年が上/雉の雌鳥は雌/鶏は裸足/蛸に骨なし海月に目なし/唐辛子は辛くて砂糖は甘い/柳は緑花は紅/面は顔/横眼鼻直 【対義語】 - 【英語のことわざ】 ・When the crow flies her tail follows.(カラスが飛べば尾が後ろ) 【索引語】 犬/西/向く/尾/東 【分類】 ・状態・程度 > 明白・明確
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