中国は電気自動車(EV)や再生エネルギー、そして航空機まで全方位で製造強国路線を掲げ、それが「過剰生産」につながっていると批判を浴びる。中国が安くて良い物を多く作ることの何が問題なのか。過剰生産は世界にどんなインパクトを与えようとしているのか。中国が猛烈な勢いで米欧を追う象徴的な産業の一つ、航空機業界から見てみたい。 中国西部の中心都市、四川省成都市。中心部から西へ車で30分ほど走った青羊区郊外の幹線道路沿いには「天府(成都の別称)の動力源 成都青羊航空新城」と書かれた巨大な看板が掲げられていた。 進む国内部品メーカーの育成 周辺では、航空関連の企業団地の建設が相次ぐ。「青羊区航空産業園」では、7~8階建ての真新しいビルに既に窓ガラスが張られるなどほぼ完成しており、出入りしていた建設作業員は「今年中に使用開始されるだろう」と話した。隣接する「航空スマート製造産業園」も一部は緑色の工事用の壁