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広告と購読を支える価値の高い読者基盤をどう成長させるか? SNS やニュースアグリゲータと協業を通じた購読者養成プロセスなど、 Axios 読者開発部門のリーダーが実例を語る 2016年に鮮やかなデビューを飾った新鋭メディア Axios 。経営者をはじめとするビジネスプロフェッショナルに焦点を当てるメディアです。 本稿では、そのビジネスの中核である読者基盤について、オーガニックな読者獲得活動の担当責任者の発言を見ていきます。 Axios の経営・ビジネス戦略、特に広告および購読に関するビジネスモデルについては、本稿の前編に当たる「Axios:広告とサブスクリプション、融合は可能か?」で詳しく論じています。 今回、参照する情報は、The Idea のインタビューシリーズ「Q&A: Christine Roberts, Director of Audience Development @ Ax
彗星のように誕生した、新コンセプトのプロ向けメディア Axios 開設初期からサブスクリプション志向ながら、広告でも絶好調 その融合の可能性を、創業者らが語る。 米国では、収益化を広告に、そして成長(グロース)戦略を Facebook に依存してきたメディアの周辺に暗雲が立ちこめています。 早々に身売りを決めざるを得なかった Mic を筆頭に、BuzzFeed や Vox Media、そして、Yahoo! や HuffPost、TechCrunchらを傘下に置く Verizon Media など、人員削減や事業の見直しに入ったオンラインメディアには、枚挙の暇もありません。 だからこそ、というべきか。今、事業モデルとして、サブスクリプション(購読制)に邁進する老舗の New York Times、新興の The Information が注目を集めます。さらに、“マス”は狙わず、収益性の高い
ページビュー至上主義は、「購読者」を離反させる 驚くべきは、多くの記事の精読を追求することさえ、離反を招く 衝撃的な研究結果から、メディアの採るべき選択を探る 国内では、もちろん日本経済新聞 電子版、米国では New York Times 電子版が示した、「ペイウォール」「サブスクリプション」(電子版購読制)での躍進。いまや多くのメディア運営者にとり、購読制は、あたかも新大陸、希望の地とさえ映っているかもしれません。 けれど、広告主を頼みとするメディア運営と、購読制、つまり読者からの直接的な支出に頼むメディア運営とは、共存もしくは全面的な転換は可能なのでしょうか? 広告を基盤とするメディア運営については、その知見やノウハウが蓄積されてきています。もっといえば、広告収益へとメディア運営を最適化したアプローチに、われわれメディア運営者は、知らず知らずに水浸しにさえなっているかもしれません。 そ
スタート当初には、だれもが懐疑的だったネットメディアの購読制(サブスクリプション)。これを成功裡に推進する New York Times。 その背後には、確かな優れたデジタル戦略とマーケティング(グロース)戦略が貫かれている。 読者グロースを外部プラットフォームとの協業によって推進するキーパーソンの仕事を紹介しよう。 愛読者を購読者へと転換する。その購読者の減少は極力食い止めつつ、新規獲得を増やす。読者からの収入を基盤を盤石となれば、デジタルメディアにおける収益構造において、読者からの直接収益比率を高め、不安定な広告依存度を下げることができる——。 2011年に現在の購読制を開始して以降、シンプルなこの戦略を徹底して実践してきたのが、米国 New York Times であることは、よく知られています。 その成果は、2018年11月にはデジタルのみの購読者が300万人を超えたことからも、見
目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2017年9月25日から29日まで。 Shan Wang Social video giant NowThis gets a “Newsroom,” working out its real-time reporting in public Ken Doctor Facebook Subscriptions: ‘Tokenism’ or a Real Test? Ricardo Bilton All the news that’s fit for you: The New York Times is experimenting with personalization to find new ways to expose readers to stories 田中善一郎 「グーグル」と「FB」が支配するデジタル広告市場、驚くべき寡占
目に止まったメディアとテクノロジーに関する“トピックス”。2017年9月11日から22日まで。 Ross Benes Side effect of the pivot to video: audience shrinkage Shan Wang What makes people willing to pay for news online? Quality content; a clean, convenient reading experience Priyanjana Bengani What iOS 11 means for news publishers and readers Shan Wang What newsroom execs around the world think should be the next big areas of focus for their c
たった3年前には、負け組であった老舗新聞社の Washington Post。 Amazon 創業者 Jeff Bezos 氏による同社買収の後、同社内部で何が起きたのか? 伝統的ジャーナリズムが、どのようにして成長メディアへと転じたのか? 同社で起きた“革命”を、同社の誇るテクノロジーリーダーらが語る Amazon の Jeff Bezos が2013年に2億5000万ドルで買収した新聞社 Washington Post(以下、WaPo)。 1800年代に創業以来、長くファミリービジネスに守られ、ウォーターゲート事件報道に代表されるように、栄光ある歴史と伝統を体現する一方、メディア事業としてはじり貧が抜け出せずにいた同社。いよいよ旧態依然のメディア経営で立ち行かなくなり、Bezos 氏個人にメディア事業を単体で売却されて以降、オンラインメディアへの急激な転換とその加速ぶりは、よく知られて
Facebook、Microsoftらが会話型ボット技術を開発者に公開、 「会話型メディア」の構想に現実味が生じている。 会話型メディアにどのような戦略的意義があるのか。 メディアが現在、直面する課題の整理を通じて考えてみよう。 消費者は、かつてないほどの情報取得の経路(情報流通路)の多様化に直面しています。 その結果として、消費者は一意の情報や特定の流通路に固着する動機をますます希薄化させています。 一方で、デジタルな情報流通路と、知人や家族らとの交流(コミュニケーション)の場とが融合を始めていることもあり、消費者は、情報接触についてさらなる多様性へと引き込まれている状況にあります。 メディアを運営する人々は、この状況を「価値ある情報を収集する場と、その都度生起しては消滅していくような情報交流の場を同一視はできない」と座視してもいられなくなりました。状況は、消費者の情報活動一般という総量
3月11日・12日の開催が近づく 「デジタルジャーナリズム・フォーラム2016」。 その出発点とは何か。何を求めているのか。 そして、何に注目すべきなのか。運営スタッフのひとりとして、解説する。 業界や業態の壁を壊す変化 ——聞き手(以下、Q): そもそも「デジタルジャーナリズム・フォーラム2016」(DJF2016)って何ですか? 何をめざしているんですか? 藤村: 新聞、放送、出版、ネットメディアに、一様にデジタル、特にモバイルの大きな変化が、押し寄せてきています。私自身は2000年からネット専業メディア、つまり、デジタルメディアの設立や経営に携わってきた経験があります。でも、その自分にとってさえここ数年の変化の早さに驚かされます。 このような変化の大きな要因、背景には、モバイルデバイスの普及があるでしょう。広義にはテクノロジーの影響が大きいと言えます。ソーシャルメディアの発展も見逃せ
ニュースメディアに求められる価値は2つあるはずだ。 ニュースがもたらす2つの価値観を基底にすえ、 ニュースメディアの未来を構想してみよう。 数年先、たとえば2020年までを射程に、メディアの将来、特にニュース(ジャーナリズム)の行方を考えてみたいと願っています。 そのためにも、まず、メディアビジネス(とりわけ、ニュースメディアビジネス)をめぐる基本的視点を、ここで整理しておきたいと思います。 うまくそれを手に入れることができれば、これからのニュースメディアの歩むべき道が見えてくるはずです。 基本的視点とは、ニュースが価値をもたらすその根本理由についてです。 筆者は、次の2点をその中心と考えています。 事象を知る……驚き、感動、怒り、悲しみなどの感情面の刺激に始まり、それを理解する、対処するなど、知見のひろがりと行動を喚起する価値 事象を深く理解する……事実の背景、そのもたらす影響などを客観
モバイルとソーシャルの時代を迎えたメディア。 その新たな環境へと架橋する存在として、 モバイルエディタが台頭している。 モバイルエディタとはなにか。 そして、その存在理由を問う。 つい最近、著名な英国の雑誌社 Condé Nast でデジタル部門を統括する人物が、衝撃的な発言をしました。同社 Web サイトを来訪するデスクトップ(PC)ユーザーは、来訪者全体のたった 4% に過ぎないというのです。 Digiday に掲載された取材記事は、同社がデジタルコンテンツのパフォーマンス向上を果たすべく実施したデザインリニューアル、共通 CMS 再構築などについて追ったものです。その中から発言をもう少し紹介しましょう。 Web ページをデザインしようとすると、われわれはデスクトップ(PC)用サイトの見え方をどうするかに取り憑かれてしまう。(しかし)われわれの PC 用 Web サイトの読者は、われわ
インプレッション型広告をめぐる数々の課題が急浮上している。 ビューアビリティ問題からクリック詐欺、 そして、広告ブロックと表示速度問題。 デジタルメディア=Web メディア であった時代の終えんが加速する。 そこに関わる要素を整理し次の時代を考える。 毎年、消費者のメディア接点を統計的に追っている調査に、メディア環境研究所による「メディア定点調査」があります。従来の“四マス”メディア、すなわちテレビ、ラジオ、新聞、雑誌に加えて、パソコン、タブレット、そして携帯電話・スマートフォンなど、新たなメディア基盤と消費者の接点の変化を、継続的に追うことができる貴重なものです。 2015年に行われた調査結果について、メディア環境研究所の新美妙子氏は、次のような解説を加えています(「生活者のメディア接触は『量』から『スピード』へ~メディア定点調査2015 最新データより~」)。 情報爆発以降、情報量は拡
新たなジャーナリストとして、そして、新興メディア陣営の旗手として、 自らユニークなメディアである Vox.com を率いるEzra Klein 氏が、 プラットフォームとの共存の可能性とその是非を述べる。 すべてのメディアは、分散型メディアとなることなのかを検討しよう。 筆者が、BuzzFeed がプラットフォーム、特に Facebook を狙って積極的なコンテンツ拡散戦略を練っているのを指して、「分散型メディア」と紹介したのは、1年前のことでした(「“バイラル”の次にくるもの/『分散型 BuzzFeed』構想の衝撃」)。 “分散型メディア”とは、当時参照した記事「The Next Big Media Company Might Have No Website Or App At All(きたるべきビッグなメディアは、Web サイトもアプリも、何も持たないかもしれない)」中にあった”Buz
Facebook、Apple など各種プラットフォームが、 自らの閉鎖空間に直接コンテンツをホスティングするよう求めるアプローチを、いっせいに見せている。 自らの Web サイトを軸にして、コンテンツの公開や課金制を組み上げてきた既存メディアは、 これにどう対応すべきか? Wall Street Journal などを擁する大手メディアグループトップのオピニオンを紹介しよう。 Facebook が、そして Apple が、進展するニュースアプリのトレンドに参入し、パワープレイでパートナー開発に着手していることは周知のとおりです。また、2社に続き Google もまた同様のアプローチを準備中であるとも、メディア業界では伝えられています。 これまでに米大手メディア各社が Facebook が提案する Instant Articles にコンテンツを提供しています。また、Apple News に
Facebook や Apple などプラットフォームが、ニュース閲覧分野を攻め始めた。 メディア各社も新たなニュースアプリをリリースする一方、 注目を浴びてきた専用ニュースアプリ Circa が事業を停止、老舗の Flipboad にも買収の噂が流れる。 新たしい競争段階を迎えるニュースアプリをめぐる状況を概観し、 求められる要件とは何かを整理する。 2011年にデビュー、斬新なコンセプトで注目を浴びてきたニュースアプリ Circa が事業停止を発表しました。その斬新なコンセプトとは何だったのでしょうか? そして、それがついに成功を果たせなかったのはなぜだったのでしょうか?The Verge 米国西海岸駐在編集の Casey Newton 氏は、「Why Circa failed(なぜ、Circa は失敗したのか)」 で次のように書いています。 Circa は、モバイル Web が遅く、
英国の老舗メディア The Economist が 印刷・デジタル(そしてモバイル)両面で新アプローチを示す。 同誌編集幹部が示す独自のメディア戦略、 “蒸留”と“読了可能性”について考察しよう。 創刊が1840年代、つまり170年強の歴史を誇る英国の週刊新聞 The Economist の動きが活発です(Economist のスタッフ諸氏は、自らを「Newspaper」呼ぶのですが)。同誌の歴史上初の女性編集長が2014年末就任、また、積極的な印刷およびデジタルの購読制を推進する中、日刊ニュースアプリ「Espresso」をやはり昨年同時期に立ち上げるなどです。 特に Espresso は、自らの専用ニュースアプリを考えるニュースメディアにとっては参考にすべきアプリです。その基本は、週刊本誌の有償購読者に日刊情報を届けるニュースアプリですが、無償購読、すなわちトライアルユーザーにも1日1本
「分散型 BuzzFeed」構想のリアリティが増してきた。 BuzzFeed をしのぐ急展開を示す動画ニュース NowThis News は、 自社サイトを閉鎖し、「ホームページ」の死滅を宣言、メディアビジネスの新段階に入る。 分散メディア革命の先端を紹介する。 「“バイラル”の次にくるもの/「分散型 BuzzFeed」構想の衝撃」 で、米 BuzzFeed がめざすのは、コンテンツの実質の閲覧者と閲覧数の獲得が重要であり、それは自社サイト上における閲覧数の獲得に優先する、と論じたのは2014年8月のことでした。 記事の“さわり”を、過去においては検索エンジンに、最近では Facebook その他ソーシャルメディアへと露出する(分散)、それをテコに自社サイトへの集客手段する(集中)という、メディア業界人に広く知られたコンテンツマーケティングの定石を超えた発想が、萌芽としてそこにありました。
“ジャーナリズム黄金期”と呼ばれ、 テクノロジー界からの投資が相次ぐメディア業界。 同時に、そこではテクノロジーによる文化とジャーナリズムが築いてきた文化が、 激しい渦流を生み出してもいる。 その激突から何が生まれるのか。課題を考える。 メディアビジネスをめぐる潮目の変化という視点で、2014年は特別の年になりました。 Amazon、eBay、Facebook などで活躍してきた創業者らが、次々に伝統あるジャーナリズム、メディア企業へと投資を行っています(厳密には2013年10月辺りがこのブームの起点になりそうですが)。また、それまでメディアに関心を示してこなかった、大物投資家 Mark Andreesen 氏が、新興メディアに巨額な投資を行ってもいます。 また、伝統メディアの中から出現したジャーナリズムの新星たち、たとえばNate Silver 氏(元 New York Times)やE
メディアがアンバンドル化される時代。 実はアンバンドルの次が始まっている。 メディア新時代の担い手を分析しよう。 新聞、雑誌、書籍、そして放送、音楽・映像……。 ながらく安定的な配信、流通基盤を背景にしてきたメディア事業者にとり、“アンバンドル”(分離)は、メディア事業者の基盤を揺るがす不吉なサインといえます。 “アンバンドル”は、ひとまとまりであった情報群を分離してしまうことをさしますが、そのスコープは受け止め方によりさまざまです。 たとえば、購読制を採った衛星放送などは、多チャンネルをいくつもの束にして販売しています。いまでも宅配の販売方式を維持する新聞社もまた、バンドル販売の名残を残しているといえます。楽曲販売においては現在もなお、“アルバム”という形式が生きています。 以上は、ビジネスモデルをめぐるとらえ方ですが、アンバンドルをもう少し根源的な動きとしてとらえることもできます。 た
モバイル OS の変化、モバイルをさらに拡張するウェアラブル分野の勃興。 ニュースの閲読体験の未来とはどのようなものか? 新たな視点を踏まえた試論を提示する ニュースコンテンツを閲読するスタイルの変化が進行しています。 もちろん、その大きな駆動要素はモバイルです。 モバイルは、消費者の細切れな“時間”を活性化します。これは、コンテンツの提供者にとっては、中期的な市場の拡大を意味するはずです。 つまり、モバイルは消費者の時間消費の潮目を変えようとしているのです。 同時に、モバイルがもたらす別の影響も見逃せません。 モバイル化の影響は、ニュースを時間だけでなく、物理的にも細切れにする作用をもたらします。 すなわち、小さなスクリーンでひとまとまりのコンテンツを消費するための、最適なニュース形式を次に生み出す可能性があるのです。 ニュースの閲読体験に大きな影響をもたらしているのは、モバイルだけでは
バイラルメディア旋風の中心、BuzzFeed。 同メディアは発行人に、まったく新しい職能をすえた。 テクノロジーメディアの中心で、新たなタレントがハイライトを浴びる 大型資金調達とともに世界展開を推進中のバイラルメディア BuzzFeed。良きにつけつけ悪しきにつけ話題にこと欠かない同メディアが、またまた話題を提供しました。 同社にとっては新設のポジションである“発行人(Publisher)”に、2年前に参画したばかりの若干40歳、アジア系女性の Dao Nguyen 氏をすえると発表したたのです(参照 → この記事)。 一般に、伝統的なメディア企業においては、発行人とはメディア事業における最高責任者であり、社主がそれを兼ねるケースもあります。 もちろん、ここで“話題”とは、その年齢でも性差でもありません。そのバックグラウンドにあります。Nguyen 氏が発行人に就任するまでの同社でのポジ
コンテンツを価値あるものと考えれば考えるほど、 読者の情報ニーズから乖離していく背理がある。 本稿は、コンテンツ中心主義に対し、 新興メディアらの背景にあるサービス中心的思考に着目する。 米テック系メディア GigaOM の常連寄稿者 Mathew Ingram 氏が、米国で成功裡に成長を続けるいくつかのメディアに共通する思考を取り上げています。 「One secret to the success of Quartz, BuzzFeed and Gawker: They look at news as a service(Quartz らメディアの成功の秘密:かれらはニュースをサービスとして考えている)」がそれです。 その思考とは、メディアビジネスをコンテンツ中心で考えるのではなく、サービスを中心にとらえようというものです。 Quartz、Gawker、BuzzFeed、そして Tumb
Facebook が大規模なユーザーの心理実験を行う、 Twitter がタイムラインにアルゴリズムによるフィルターを導入する(という報道)など、 ニュース編成における課題は新たな段階に入っている。 本稿では、アルゴリズムの背景にある設計者へのヒアリング調査などに触れ、 “新しい時代の編集者”に焦点を当てる。 イーライ・パリサー氏が『閉じこもるインターネット――グーグル・パーソナライズ・民主主義』で、“フィルターバブル”問題を世に問うたのは2011年でした。 同書は、アルゴリズムによる情報のフィルタリングが、多様かつ潤沢な情報を取捨選択(フィルタリング)することで、結果としてソフトな情報操作をなしていると指摘しました。 同時に、フィルタリングされていない生の情報流通を、“情報過多”(Information Overload)として苦痛に感じ、適度にフィルターされることをユーザーが快適と受け
業界に大きな話題と影響を与えた、New York Times「イノベーション・レポート」。 そこでハイライトを浴びた「読者開発」(Audience Development)とは何か。 その意義と変化を通じて、メディア界の重要課題を検討する。 今年春、メディア業界に衝撃をもたらした New York Times(NYT)の内部文書「イノベーション・レポート」。 それは業界の最新トレンドを分析しつつ、同社内部の課題に容赦なく自己批判の刃を当てるものでした。 ていねいに考察すべき論点が、いくつもそこには盛られていますが、中でも注目を浴びたコンセプトに「読者開発」(Audience Development、AD)がありました。 平和博氏「『読者を開発せよ』とNY タイムズのサラブレッドが言う」参照 AD は、日本ではなじみの薄い概念だったためか、「イノベーション……」が打ち出した新奇なコンセプトか
50億円もの資金調達を実施した米 BuzzFeed。 日本をはじめとする海外への展開を本格化するが、 その影で、メディアビジネスの将来を左右する構想がリークされた。 まだアイデアレベルながら重要なコンセプト「分散型 BuzzFeed」について、検討する。 米 Business Insider のテック分野担当記者 Alyson Shontell 氏の「The Next Big Media Company Might Have No Website Or App At All(きたるべきビッグなメディアは、Webサイトもアプリも、何も持たないかもしれない)」は、短い論ながら、これからのメディアビジネスを構想する際の重要な思考実験に触れたものです。 本稿では、このコンセプトに着目してみたいと思います。 併せて同記事が参照する、NYTimes.com 掲載の Mike Isaac 氏「50 Mi
デジタル広告の一大潮流となったネイティブ広告。 本格的なアプローチを行う米 Washington Post の担当幹部が語る その成功、そして課題とは。 いまでは、デジタル広告の一大潮流と化したネイティブ広告。 2014年に入って、米国新聞業界にとって、目立ったトレンドがこのネイティブ広告への取り組みの広がりです。 つねにトレンドセッターである New York Times は、この分野でも目立っており、業界スタンダードづくりにも着手しているようです。 同様に老舗新聞の Washington Post(WaPo)も積極的です。本稿は米 AdExchanger が WaPo の「広告イノベーション/製品戦略 事業責任者」との肩書きを有する Kelly Andresen 氏に行ったインタビュー「Defining Native Advertising Success At The Washi
米国では新聞メディアのペイウォール化が急進展している。 だが、ペイウォール化には読者固定化と機能や記事の過剰化というリスクがつきまとう。 ペイウォール化の“旗手”米New York Timesはどう取り組んでいるのか。 ユニークなニュースアプリ「NYT Now」を事例に考える。 Wall Street Journal や New York Times(NYT)が意欲的に取り組んだ結果、米国の新聞業界では“ペイウォール”化(コンテンツ閲覧を、有料もしくは無償の会員読者に制限する仕組み)が大きな流れになっています。 わが国でも日経新聞および朝日新聞が、このペイウォール化に意欲的であることは周知のとおりです。 問題は、ペイウォール化が進んで以降、新聞社のデジタル戦略でどこに成長性のタネを見定めるかとなります。 成長性のタネとは? ペイウォール化を果たしたメディアに、一方でオーガニックな成長をあわ
米国では、既存メディアを離れて続々 新たに特徴的なメディア、ジャーナリズムが誕生している。 本稿は、そのような起業家精神に満ちたジャーナリストを魅了する、 注目の出版技術の動向について触れる。 先ごろ、米 Vox Media は、事業を停止した Web サービス Editorially の中心メンバーら4人を迎え入れたことを発表しました。 Vox Media は、傘下に Vox.com、The Verge、SB Nation、Eater など、各分野で特色と実績を誇る7つの成長メディアを擁したメディアコングロマリットベンチャーです。 特にこの4月には Washington Post(WaPo)を離れて自らの新メディア開設をめざしていた著名ジャーナリスト Ezra Klein 氏を主幹にすえた Vox.com をフラグシップとすることでさらに話題性を高めています。 一方の Editorial
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