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アメリカ大統領選
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環境省は、東京電力福島第一原発事故で拡散した放射性物質で汚染された土壌を取り除いた、いわゆる「除染土」について、福島県内外で新たな動きを見せている。環境省の環境再生・資源循環局の中間貯蔵チームによれば、福島県内で汚染土の再利用の実証事業を飯舘村と二本松市で始める。また、同省の除染チームは県外での最終処分のやり方を検討する会合を開始した。 飯舘村では帰還困難区域に帰還を促す実証事業 飯舘村では、1)中間貯蔵施設が未だできないために仮置きしている村内の8000ベクレル以下の除染土を使い、2)「帰還困難区域」である長泥地区に造成地をつくり、3)覆土した上で農地に転用して花を栽培する実証事業を行う。 何故、被ばくを伴う実証事業を「帰還困難区域」でわざわざ行うのか。驚いて尋ねると、中間貯蔵チームは、これは、福島復興再生特別措置法に基づいて、県の申出により国(復興庁)が決定する「特定復興再生拠点区域復
紅葉の季節に吾妻渓谷を訪れた。谷が狭まったところに、八ッ場ダム堤体が工事中だ。赤白のクレーンが上流側の「八ッ場大橋」から見える。 2017年10月29日筆者撮影 工事が計画通り進めば2019年度に完成、事業費は5320億円となるが、八ッ場ダム基本計画は5回の変更を経たもので、当初は「1985年度完成、事業費2110億円」。小さく産んで大きく育てる事業(*1)の、これも事例だ。 この日、「紅葉のダム予定地見学会」を催したのは八ッ場あしたの会。雨模様だった。八ッ場ダム予定地の他、ダムに流れ込む強酸性の水を「中和」する事業地などを回った。 2017年10月29日筆者撮影 移転済みの川原湯温泉の共同浴場「王湯」の跡(上写真)では、湯船の左脇下からお湯がまだ湧き出ていた。その向こうに続く川原湯温泉街は跡形もない。 かつての王湯(2014年9月13日筆者撮影)王湯跡(同じ角度から2017年10月29日
千葉商科大学(原科幸彦学長)が日本初の自然エネルギー100%大学となるという目標を発表した。 野田市にあった同大学の野球場跡に作ったメガソーラー発電所の発電量と市川キャンパスの消費電力を2018年度までに同量にする。また、省エネなどを進め、2020年度までにはガスなどによる熱供給も含めた総エネルギーと同量にする目標だ。 「達成イメージ」原科学長発表スライド資料より(11月13日筆者撮影)「きっかけは、2014年7月に環境NGO『エコ・リーグ』から『千葉商科大のメガソーラーは、大学単体では日本一大きいと教えてもらったことでした』と語ったのは、同大学政策情報学部の鮎川ゆりか教授だ。 ゼミの学生と発電所を見に行き、2014年度の発電量がキャンパスで使う電力の77%に相当すると知り、補助金を使って可能性調査を開始した。省エネなどで残り23%をどうカバーできるかだ。サステナジー株式会社や株式会社テク
トランプ米国大統領がアジアを歴訪中の11月6日に、国際的な法律家団体が、米韓日の大統領と首相に、軍事的緊張の解消に向けた行動を求める共同声明を発表した。 「トランプ米国大統領の日韓訪問に関する共同声明」は、国際民主法律家協会(IADL)、アジア太平洋法律家協会(COLAP)、日本国際法律家協会(JALISA)、民主社会のための弁護士会・米軍問題委員会(NINBYUN、韓国)、ナショナル・ロイヤーズ・ギルド(NGL、米国)の5団体が11月6日付けで発表した。 その趣旨を語ったのはIADL副会長の笹本潤弁護士だ。 「トランプ米大統領は今年9月の国連総会で『北朝鮮を完全に破壊する』との発言を行ったが、国連創設の目的は戦争を繰り返さないことであり、国連憲章には問題解決に武力を使ってはならないと書かれている。朝鮮戦争は休戦し、休戦協定により中国軍は撤退したが、米国は未だに撤退せず、そればかりか済州島
11月6日、立憲民主党は「森友・加計学園問題プロジェクトチーム(PT)」準備会を開催した。 座長となった逢坂誠二衆議院議員は、「モリカケ問題を特別国会で追及しようという声に対して、『終わっている』『ケリがついた問題だ』という人もいるが違う。2つの本質的な問題を抱えているからだ。一つは行政の私物化。一つは民主主義の根幹を揺るがすこと。適切な情報がなければ判断を誤る。情報が隠蔽廃棄され、優秀なはずの官僚がウソ、誤魔化しを連発する。これは単なるスキャンダルではない」とPT設置の意義を述べた。 PT事務局長に就任し、衆議院予算委員会および内閣委員会の筆頭理事である阿部知子議員は、「枝野代表の指示で国会対策委員会と予算、文科、内閣、財金、国交、決算、6部門の合同で行う」と説明。 文部科学委員会の筆頭理事である川内博史議員、国土交通委員会の筆頭理事である矢上雅義議員、決算行政監視委員会の筆頭理事である
復興庁によれば、47都道府県に8万4千人が避難を続けている(2017年9月現在)。2011年以来、原子力災害対策特別措置法に基づく「原子力緊急事態宣言」は、現在も発令中だ。その解除の見込みがない中、その体制下で制定された放射能汚染物質対処特別措置法は、多くのダブルスタンダードを国民に強要している。 第1のダブルスタンダードは「原子力緊急事態宣言」そのものにある。 原子力緊急事態宣言によって避難すべき地域を指定したが、下図にまとめたように、1)放射能汚染地域と、2)除染を必須とした地域と、3)原子力緊急事態宣言による避難地域は一致していない。 2)の除染は公衆の被ばく限度である年間1ミリシーベルトの基準をクリアすることを目標に行われるもので、年間20ミリシーベルトを超える地域の住民は避難、1~20ミリシーベルトの言わば「仮想非汚染地域」(実際は汚染地帯)の住民は、1ミリシーベルトの目標達成ま
防衛省の沖縄防衛局が本体工事に着手したとする普天間飛行場代替事業について、衆議院が解散した9月27日に市民集会「辺野古の工事、いまどうなっているの?」が開催され、稲田朋美防衛大臣(当時)が6月に、「返還条件が整わず、普天間飛行場の返還がなされない」可能性を言及した問題も問われた。 仮設工事であることが開示請求で判明 集会は「辺野古・高江を守ろう!NGOネットワーク」などの主催で参議院議員会館講堂で開催。前半は沖縄から北上田毅さん(沖縄平和市民連絡会)や山城博治さん(沖縄平和運動センター)を論者に行われた。 北上田さんは、「本体着工と華々しく見せているのは、仮設工事であり、台風シーズンが終わったら取り除くものだということが情報公開で分かった」と図面を解説。また、沖縄防衛局が県に提出した埋立承認願書では、サンゴ類の移植は「事業実施前に」行うとあるのに、沖縄防衛局は「事業実施と平行してやる」と主
改憲と安保法制賛成が公認の要件の少なくとも一部であるらしい「希望の党」の規約案が10月1日に、明らかになったという時事通信の報道を見て、それが公開され次第、入手しようと、希望の党のホームページを探したが「ない」と気づいた。 希望の党にはホームページがない(10月2日時点) それならばと、創設メンバーの若狭勝・前議員の地元事務所に電話をしたが留守電になる。党規約を入手したいとメッセージを残したが、折り返しはないだろう。 都民ファーストの会(都ファ)なら何か分かるかとホームページを見ると、電話番号がなく、メルアドならある。 仕方が無い。東京都庁の代表電話から都議会の都ファの議員控え室につないでもらうと、受付担当が、確かに希望の党にはまだホームページがないと言う。連絡先も知らない、「メルアドなら」というが、教えてくれたのは都ファのものだ。 何か連絡手段はないかと尋ねると、受付担当は、小池百合子か
ジャーナリストの菅野完(すがのたもつ)氏が「野党は臨時国会冒頭に、内閣不信任案を提出すればよいのではないか」とツイートした後、現在までに、そのアカウントが凍結となっているが、これは興味深いアイデアなので、それが物理的に可能なのかを探ってみた。 解散詔書は天皇→内閣総務官→官房長官→事務総長→議長 憲法第7条に基づいて天皇は「内閣の助言と承認により、国民のために」衆議院を解散するが、まずその具体的な流れを、本会議の裏方である衆議院議院運営委員会の事務方に尋ねてみると、次の通りである。 天皇の書く「解散詔書」を内閣総務官が国会まで持ってくる。それを菅義偉官房長官に渡し、官房長官がそれを向大野新治事務総長に渡し、事務総長がそれを大島理森衆議院議長に渡して、議長が読み上げると「解散」となる。あっけない手続である。 「動議」は出せるのか 続いて、後に解説する「動議」による「内閣不信任案」提出のチャン
9月20日、安倍首相は、国連総会における一般討論演説で「安保理が通した「決議2375」のインクも乾かぬうち、9月15日に北朝鮮はミサイルを発射した」と批判し、次のように述べた。 対話による問題解決の試みは、一再ならず、無に帰した。なんの成算あって、我々は三度、同じ過ちを繰り返そうというのでしょう。北朝鮮に、すべての核・弾道ミサイル計画を、完全な、検証可能な、かつ、不可逆的な方法で、放棄させなくてはなりません。そのため必要なのは、対話ではない。圧力なのです。(太字は筆者加筆)
9月2日、日経新聞は、日立製作所が英国で建設する原発の建設資金(銀行融資)を、日本貿易保険が全額補償する旨を報道した(「政府、原発融資を全額補償 まず英の2基 貿易保険で邦銀に」)。そんなことがあり得るのか。事実関係を追った。 原発輸出リスクを政府が丸抱えか? 元々、貿易保険は、政情不安な途上国に輸出する日本企業の海外展開を応援する制度だった。英国はそのようなカントリーリスクを持つ国ではない。また、先進国でのビジネスで経営破綻リスクが先方にあるなら、そのリクスは日立や、融資を決める銀行が負うべきものだ。原発ビジネスがリスキーであることが東芝の失敗、とりわけ海外原発事業からの撤退で証明された今は、なおさらだ。 もし、今回の報道が本当なら、日立が東芝の二の舞となりえるリスクを国民が丸抱えして、原発輸出を促進するという話である。日本貿易保険は政府が全額を出資(約1694億円)、つまり、国民の税金
8月3日の就任以来、約1カ月が経過したが、中川雅治環境大臣は原子力防災担当大臣でもあり、かつ環境官僚トップの経歴を持ちながら、東京電力福島第一原発事故以後に発症している小児甲状腺がんについて、自らの言葉で語ることができない程度にしか関心がないことが分かった。 がん件数の過小評価「報告を受けた」だけ 子どもの甲状腺がんは100万人に1~3人とも言われきた。 しかし、東京電力福島第一原発事故後、福島県立医科大を中心に行われてきた1巡目の検査では約30万人の受診者のうち116人、2巡目では約27万人中71人、現在進行中の3巡目では約12万人中4人、計191人が甲状腺がんまたはその疑いがあると報告されてきた。 この多発については、現在に至るまで、県も国も事故との因果関係を認めていない。 しかし、この191人でさえ過小評価であることが、2017年6月5日(第27回)に行われた福島県の県民健康調査検討
「安倍晋三に会いたい」それが島袋文子さん(88歳)の第一声だった。 「 辺野古の“文子おばぁ”がやってくる!島袋文子さんを迎え沖縄に連帯する市民のつどい 」は、8月17日、参議院議員会館の講堂で、「辺野古・高江を守ろう!NGOネットワーク」、「辺野古への基地建設を許さない実行委員会」、「一坪反戦地主会・関東ブロック」、「沖縄への偏見をあおる放送をゆるさない市民有志」、「安保関連法案に反対するママの会@東京」らの協力で開催された。 「安倍首相は『国民の命と財産を守る』ときれいごとを言うが、どう守るのか。私は沖縄戦で親兄弟を救いきれなかった。安倍さんはあの弾の中を、国民をどう守るんですか」 「自衛隊の命も安倍晋三の命も余分な命は一つもないんですよ。余分な命を持っている人、誰かいますか。命の予備を持っている人はいますか。私は持っています。私は一度死んでいます。 もし日本が負けずに勝っていたら私は
「日本医師会よりも歴史が古い、(日本における女性医師第一号の)荻野吟子からはじまった会なんです。このメンバーのところに(甲状腺がんの子ども達が相談に)行けるというのが、私の夢だったんです」と語ったのは青木正美医師だ。 青木医師は、「 3・11甲状腺がん子ども基金 」(以後、「基金」)の顧問で、47都道府県に支部のある「 日本女医会 」の東京都支部連合会の副会長でもある。 今年4月からは同支部連合会長の渡邉弘美医師を誘って、共に基金の療養費給付事業「 てのひらサポート 」の電話相談(★)も受けている。 青木正美医師(7月18日筆者撮影) 「東京支部でやっているなら、お手伝いするわと、日本女医会か基金に寄付をくださることになった。」(青木医師) 「心細い思いをしないように」 7月18日には日本女医会東京都支部連合会が納涼会に合わせて、東電事故以来、甲状腺検査を行ってきた牛山元美医師(基金顧
防衛省・自衛隊は、情報の隠蔽が最もあってはならない組織の一つだ。(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ) 防衛省が27日に公表した「 特別防衛監察の結果について 」は、重大な事実を明らかにした。 昨年7月に開示請求された時点で、中央即応集団(CRF)副司令官が隠蔽を指示、その後も、陸上幕僚監部(陸幕)と共に隠蔽を組織的に続けたという事実が、つまびらかにされている。囲みと太字でそれを示して、解説する。 (1)隠蔽の指導 7月19日付の開示請求における不適切な対応( 報告 12枚目) CRF副司令官(国際)は、本件日報の開示請求と関連する平成28年7月19日付の開示請求において、行政文書としての日報を含んだ複数の該当文書について報告を受けた際、 日報が該当文書から外れることが望ましいとの意図をもって 、日報以外の文書で対応できないか陸幕に確認するよう 指導 した。 【解説】つま
東京電力ホールディングス(以下、東電)は、福島第一原発から20km圏内で採取したクロダイから、これまでに最高値となるストロンチウム90を検出し、その分析結果を7月13日に 発表 した。 「魚介類の核種分析結果<福島第一原子力発電所20km圏内海域」(東電2017年7月13日)より 東電は毎月、福島第一原発の「港湾内」(例えば 2017年6月 )と「20km圏内海域」(例えば 2017年6月 )の魚介類を採取し、放射線の濃度を発表している。 通常は、セシウム134(半減期約2年)とセシウム137(半減期約30年)のみを分析。広報によれば、今回は、2016年度第四4半期分でセシウム濃度の高かった上位5試料(クロダイ、キツネメバル、シロメバル、カスザメ)について、ストロンチウム90(半減期約29年)の濃度を分析してみたと言う。時々行ってきたストロンチウムの測定は、今回の報告分を含めて2016
2001年に 脱ダム宣言 をした田中康夫長野県知事は、長野県治水・利水ダム等検討委員会の開催などを通して、8つのダム事業を中止した。唯一止められなかったのが浅川ダムだ。 その浅川ダムが完成し、明日(7月24日)竣工式を迎える。このダムは何のために建設されたのか。吉村→田中→村井→阿部と4知事の県政を内部から見つめてきた元県幹部の話を聞くことができた。 変遷を重ねた浅川ダム(2017年7月10日筆者撮影) 「日本全国をダムで固めようという時代がありましたね。長野県の場合、浅川ダムに関しては、一端、諦めかけたんです。至るところで(地質)調査をしたけど、危険な箇所が多いということで・・・」 7月10日、退職後10年目の田山重晴さんは、その後の経緯を話し始めた。 五輪道路が欲しかった~1985年 「ところが、昭和60年、1985年に、県議会や市町村会が1998年のオリンピックを招致しようと決議
安倍内閣の支持率は危険水域に入ったと言われが、誰が組閣しようとも、見極めるべきは「誰を」ではなく「何を」させるかだ。環境大臣の任命を考えるにあたっては、多発する子どもの甲状腺がんは最重要課題の一つだ。 なぜ「子どもの甲状腺がん」か? 1986年に起きたチェルノブイリ原発事故によって生じたさまざまな健康被害のうち、放射線による被害であることが唯一認められたのが、内部被ばくによる小児甲状腺がんだった。子どもは滅多に発症しないために、多発が否定できなかったからだ。 そのことから、東京電力福島第一原発事故後には、福島県が「 県民健康調査 」の一つとして福島県立医科大学に委託、県内の18歳以下に甲状腺検査が行われてきた。 福島県「県民健康調査」検討委員会資料より筆者作成 福島県「県民健康調査」検討委員会資料より筆者作成 事故後3年間の調査を「事故前の調査」と 現在、3巡目となるが、見ての通り、1巡目
ある大臣秘書官経験者がこう語る。 「 どうして野党は安倍さんを『国家公務員倫理規程』で攻めないのだろうか。倫理規程には『利害関係者とゴルフをしてはいけない』とハッキリ書いてある。安倍さんは加計学園の理事長とゴルフをしていますよね。それに飲食ですら『1万円を越えたら届け出』が要る。安倍さんは理事長とご飯も食べていますよね 」 その通り、安倍首相と加計孝太郎氏のゴルフは何度も報じられ( 日刊ゲンダイ )、それどころか、3月13日の 参議院予算委員会 (参議院動画)では、福島瑞穂議員の質問に逆ギレして、自ら「彼は私の友人ですよ。ですから会食もします。ゴルフもします」と答弁したぐらいだ(★)。 また、元大臣秘書官が言うように、 国家公務員倫理規程 第3条と第8条には次のようにある。 (禁止行為) 第3条 職員は、次に掲げる行為を行ってはならない。 7 利害関係者と共に遊技又はゴルフをすること。
SNS(ソーシャルネットワークサービス)のツイッターで「#安倍政権に退陣を求める緊急デモ」や「#0709SHINJUKU」などのキーワードで呼びかけられたデモを取材に行くと、どんな人々が集ったのかは、掲げられたプラカードが物語っていた。 デモを呼びかけたウェブサイト「 March For Truth (真実を求める行進)」 にはこうあった。 6月19日、安倍晋三内閣総理大臣は記者会見においてこう発言しました。 <何か指摘があればその都度、真摯に説明責任を果たしていく。(中略)国民の皆様から信頼が得られるよう、冷静に、一つ一つ丁寧に説明する努力を積み重ねていかなければならない。その決意をこの国会の閉会に当たって新たにしております。> その当日、加計学園問題の新たな文書の発覚、さらなる告発があっても、与党自民党は臨時国会の要請を拒否し、安倍首相は一向に説明責任を果たそうとしません。 国会が閉会
問題は下村疑惑だけではない。パーティ券代の入りのチェックは無法地帯になっている(写真:ロイター/アフロ) ヤミ献金の温床ではないか、と誰もが思っても不思議はない。 誰がなぜ11人から計200万円を集める? 政治資金規正法 では「政治資金パーティーごとに20万円を超えるものについては、支払者の氏名等を報告しなければならない」とされている。その10倍の200万円の代金を1人から受け取りながら、それが政治資金収支報告書に記載されていなければアウトである。 もし、受け取った側が文部科学大臣で、払った側が加計学園の人間なら、なおさら問題だ。 しかし、自民党の下村博文幹事長代行の場合、文部科学大臣時代のそんな疑惑を取り沙汰されると( LITERA )、本人が6月29日に会見を開き( 東京新聞 )、200万円は、加計学園の秘書室長が個人や企業11者から取りまとめたものだ、と説明したという。 下村氏の言っ
加計問題に関する文科省の文書の扱いに拍手喝采した国民は多いが、大臣は・・・(写真:つのだよしお/アフロ) 危うい事件が起きた。松野博一文部科学大臣が加計学園に関する行政文書を巡って厳重注意した内容は、専門家から「 不当・不正 」であると批判されているだけではない。具体的にどの文書の扱いが注意を受けたのかについて、人事課は「 つまびらかにしていない 」(計画調整班服務係)、総務課は「 報道で知った 」(文書情報管理室)と言い、注意を受けた3人の幹部のうち1人はすでに 異動 が決定した。 口頭注意 であるため、これでは菅義偉官房長官でさえ「 怪文書扱い 」ができない。いや、口頭で独り歩きする危うい状態なのである。 「評価」こそすれ、厳重注意「あってはならない」 7月6日に、 情報公開クリアリングハウス の三木由希子理事長が、「 加計学園文書の取り扱いを不適切とする口頭厳重注意は不当・不正であり
自民党の性質か、安倍晋三内閣総理大臣・自民党総裁の人事問題か。 今回は「森友学園」名誉校長を務めていた 安倍昭恵夫人 による「格安国有地払い下げ口利き疑惑」(通称「アッキード事件」)から始まった。「安倍内閣総理大臣の夫人が内閣総理大臣の公務の遂行を補助することを支援」すると質問主意書答弁で理屈付けした官僚5人を従えた自らの妻を「私人」と称した事件だ。夫人付職員が公務時間に作成した文書を「個人メモ」だと言い張った( 既報 ) 菅義偉官房長官 の数々の失態は記憶に新しいため、ここで詳述するまでもない。 安倍首相は、自らが議長を務める国家戦略特区諮問会議では、獣医学部新設の特区を決めるにあたり、「行政上の意思決定について、その内容及び過程が国民にとって明らかであること」を 目的 とした行政手続法で意見公募をしたのに関わらず、それとは違うルートで 山本幸三地方創生担当大臣 に要請された「1校のみ」
東電元幹部3人を被告とする刑事裁判が6月30日に始まった。54席の傍聴券を求めて東京地裁に集まった人は717人だったと報道( 産経新聞 )されている。 その一部、傍聴券を求めて訪れた人に「リストバンド(抽選のための整理券)を見せて。撮らせて記事を配信させてください」と頼んで撮らせてもらった。 「なんで?並ばせてどうするの?」と聞いたのはフリーランス・ジャーナリストの木野龍一(上写真、中央)さんだ。「裁判所は中継を許可すべきだ、という記事を書くのだ」と説明すると、 アワープラネットTV の平野隆章さん(同左)が「あぁ、白石(草)さんに聞きましたよ。大事です」と一瞬、真顔になった。また、福島原発告訴団の武藤類子原告団長(同右)んが笑顔で応じてくれた。 裁判の報道と言えば、開廷前の様子が映し出されるか法廷画で、ほとんどの人は「そういうものだ」と思い込んでいる。最近では再現CG(コンピュータ・グラ
山本地方創生担当大臣は行政手続法を理解しているのか、疑問が浮かび上がってきた(写真:Natsuki Sakai/アフロ) 「12月8日の要請で、1カ所1校のみというのを入れた。もう11月9日に『広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域に限り』となりましたから、実際に『加計』かどうかは書いていませんが、ほぼ決まったと。 パブコメは「反対」で出したが、次々とできるのは困るので、苦渋の選択として、『1カ所1校のみにしてくれ』というのを12月8日に出した。これは以前、成田市で国際医療福祉大学の医学部新設が国家戦略特区で認められた時に、(告示に)『1校に限り』と書いてあったんですね。私たちもその前例に倣って出したのが12月8日です。」 そう筆者に語ってくれたのは、公益社団法人「 日本獣医師会 」の境政人専務理事だ。 既報「 総理大臣名の告示『1校に限り』を新たなご意向で『全国展開』か 」に対して
なんのための告示だったのか。「1校に限り」という告示を巡り奔走した人々は、馬鹿馬鹿しくなっているのではないか。 安倍首相は、官邸での会見に引き続いて、神戸「正論」懇話会(6月24日)で 講演 し、次のように語ったと言う。 「国家戦略特区は民間メンバーが入った諮問会議や専門家を交えたワーキンググループにおいて、議論をすすめ、決定されています。議事は全て公開しています」「私の友人だから認めてくれ、などという訳のわからない意向がまかり通る余地などまったくありません。」( 産経新聞 ) 「まずは1校だけに限定して特区を認めました。」「すみやかに全国展開を目指したい。地域に関係なく2校でも3校でも、意欲あるところにはどんどん獣医学部の新設を認めていく。」( 産経新聞 ) 議事は「原則非公開・非公表可」 しかし、その「説明」や「ご意向」には首を傾げざるを得ない。第1に、「議事は全て公開」とは言えない。
森友学園への国有地売却の交渉記録を「不存在」とした財務省、近畿財務局、大阪航空局に対し、その決定を取り消すための情報公開法訴訟が、 情報公開クリアリングハウス によって提起された。7月19日(水)に東京地裁でその第1回口頭弁論が始まる前に、その経緯と見通しについて、理事長の三木由希子さんに話を聞いた。 5月19日に提起。どんな訴訟ですか? 2月の終わりに、財務省の財務局長が森友学園への国有地売却記録を「廃棄しました」と国会答弁したという話を聞きました。しかも、「保存期間が1年未満の文書だから問題はありません」と。その話を聞いて、一つは「あるはず」だと、もう一つは「廃棄しましたと言えば、やったもの勝ちになるのはおかしい」と思いました。 政治的、社会的に批判を浴びても、「やったもの勝ち」になる傾向は一般的にある。 そこで、情報公開請求をして「不存在」という決定が出ることも織り込んだ上で、あえて
通常国会で明らかになった問題は数々ある。 公文書管理問題 安倍首相が自ら浮き彫りにさせた課題の一つは「公文書管理」問題だ。 行政職員が作成・取得し、組織共有し、保有するもの、という「行政文書」の定義を満たしているにもかかわらず、「私文書」だ「個人メモ」だと強弁する「定義」の不当解釈はその最たるものだ。 森友問題では財務省が「ない」と言い張り、加計問題では当初は「隠蔽」させ、文科省から出てくると「怪文書」、より明らかになると菅官房長官が「『怪文書』という言葉が1人歩き」と誤魔化した。一貫してそれは最初から「行政文書」だった。 国会が閉じた今、首相が真っ先に指示すべきは、二度と同様の問題が繰り返されないように、すなわち、政権や行政職員による不当解釈の防止を目指すための「公文書管理法」と「情報公開法」の運用改善と法改正の準備に与野党とも着手すべきだ。 一つは、公正な行政活動を促せるよう国民が監視
「加計学園」問題の焦点は、岩盤規制に穴を開けたのは誰かである( 既報 )。それは、加計学園だけが通った穴だったからだ。しかし、関係文書を辿ると、「 国家戦略特区 」制度とは、本当に「 規制改革 」のためのものなのかという根本的な疑問が浮かんできた。 「省益」に代わる「総理益」リスク このような「特区」制度は、小泉内閣が2002年に始めた「 構造改革特区 」が最初だ。謳い文句は「 実情に合わなくなった国の規制が、民間企業の経済活動や地方公共団体の事業を妨げている 」というもの。本来は、官僚による規制(=省益)を一律に改革するのが王道だ。だが、政官の抵抗勢力によりそれができず、特定の民間事業や地方公共団体が提案し、官邸主導の会議が認定するという邪道が、突破口として設けられた。 一方、「 国家戦略特区 」は、第二次安倍内閣発足(2012年12月)1年後の2013年12月に国家戦略特別区域法で創設
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