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ドラクエ3
roumuya.hatenablog.com
さる5月16日に開催された第18回新しい資本主義実現会議で、「三位一体の労働市場改革の指針」が決定されました。以下になります。 https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/pdf/roudousijou.pdf 昨年10月に公表された「「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」の実施についての総合経済対策の重点事項」の中で「リスキリング、すなわち成長分野に移動するための学び直しへの支援策の整備や年功制の職能給から日本に合った職務給への移行など、企業間・産業間での労働移動円滑化に向けた指針を来年6月までに取りまとめる」としていたものですね。これに関しては当時連合の芳野会長から「リスキリングとは本来、社会環境や働き方の変化等により、新たな業務をこなす上で必要となる知識やスキルを習得するために行うものであり、成長分野に労働移動
もう2週間くらい前になりますが、日経新聞の「ホワイトすぎ 若手が離職」という記事が話題になっておりました。 「職場がホワイトすぎて辞めたい」と仕事の「ゆるさ」に失望し、離職する若手社会人が増えている。長時間労働やハラスメントへの対策を講じる企業が増えたほか、新型コロナウイルス禍で若手に課される仕事の負荷が低下。転職も視野に入れる彼らには成長の機会が奪われていると感じられ、貴重な人材に「配慮」してきた企業との間で食い違いが起きている。 リクルートワークス研究所の調査によると、…働き方改革によって増えた「ゆるい職場」がかえって若手の不評を買っている。 同調査では大企業に勤める就業3年未満の若手社員の49%が「別の会社や部署で通用しなくなるのではないか」と不安を募らせる。職場を「ゆるい」と感じるとした若手社員の16%が「すぐにでも退職したい」と答え、41%が「2,3年は働き続けたい」と退職も念頭
ということで見逃し配信を視聴しましたよ。9月18日に放送された表題の番組です。まずもって申し上げますと想像以上にいい内容の番組で、時間の無駄になりそうだとか書いてNHKに謝らないといかん。まことに申し訳ございませんでした(←見てないと思うけど)。JILPTとの共同調査も随所で効果的に使用されており、きちんとした研究機関・研究者と組んで調査するという姿勢も立派なものと思います(番組中では駒村康平先生が解説を務めておられます)。明日(9/25)第2回があるらしいのでそれを見てからとも思ったのですが放送時には視聴できそうもなく録画視聴になりそうなので現時点での感想を書いておきます。 特にいいと思った点を先に書いておきたいと思いますが、私が先日「「この25年で約130万円減少」ってかなりの部分は高齢化と世帯人員の減少で説明できるんじゃねえかとか思う」と書いた点については、ちゃんと「単身世帯、高齢世
本日の日経新聞「経済教室」欄に阪大の佐々木勝先生が登場して労働市場と人事管理について論じておられます。お題は「「適所適材」雇用で生産性向上 賃上げへの課題」となっていますね。ちょうど春闘も本格化するタイミングでもあり、賃上げにも触れていますが、論点の中心はミスマッチです。 まずは日本の労働生産性が伸び悩んでいる、低いというお約束の話があり、次いでこう述べられています。 長期的に賃金を引き上げるには…労働市場全体の構造改革に取り組まなければならない。本稿では構造改革の一部として、企業と労働者のミスマッチの解消とジョブ型雇用の採用に焦点を当てて論じたい。 雇用のミスマッチとは、企業が求めている能力やスキルと労働者が有する能力やスキルがかみ合わないことだ。かみ合わないがゆえに、本来の生産力が発揮できず、非効率的な生産活動に陥ってしまう。 川田恵介・東大准教授によると、12~16年の間で、新規雇用
年の瀬も押し迫りまして今年も恒例のこれを。相変わらずというかいつにも増してというか(笑)雑多というか脈絡のない代物になっておりますが勝手選書なのでそのようにご了解を、ということで例年どおり1著者1冊・著者名50音順となっております。 いっくん『数学クラスタが集まって本気で大喜利してみた』 数学クラスタが集まって本気で大喜利してみた 作者:数学を愛する会 会長 いっくんKADOKAWAAmazon 著者は数学を愛する会会長で早稲田大学の学生さんとか。twitter上で「ケーキを三等分せよ」「ハートのグラフを描け」「1=2を証明せよ」などの「お題」を提示し、それに対して数学クラスタの面々がより面白い、エレガントな解答を競い合う「大喜利」をやっていて、それをまとめた本ということです。まあ正直なところ文系の私にはまったくお手上げの領域もあるのですが(笑)、しかし感心させられる解答も多々提示されてい
本日も最近の日経新聞から。先週は富士通の連載記事が掲載されていましたが、その中で例の「ジョブ型」の呼び物である「公募」が紹介されていたので見てみたいと思います。本質とは無関係な個人のエピソードはばっさり割愛しましたので少々読みにくいですがご容赦を。さて。 「5Gバーティカル・サービス室長を社内ポスティングにて公募する」… …国内企業で初となるローカル5Gの商用免許を20年3月に取得した富士通。社長の時田隆仁(58)は「プラットフォームづくりが我々のような大企業の使命となる」と、社を挙げてローカル5G事業に注力する方針を打ち出している。 そんな次代の成長を担う重要事業のけん引役を、当時まだ手探り状態だった「ジョブ型雇用」で決めるとの発表に、社内はざわめいた。 …グループ全体から手を挙げた26人。…20年4月に国内約1万5000人の管理職にジョブ型を導入した富士通で、ポストの公募は今回が第1号
読書タグのエントリしか書かないままにすでに2月に突入してしまいました。あれやこれやでなかなか落ち着かない状況ではあるのですが(言い訳)、昨日、リクルートのオンライン講演会で海老原嗣生さんの「「間違いだらけのジョブ型雇用 ~かつての「成果主義」「コンピテンシー」と同じ轍を踏まないために~」という講演を聴講しました。相変わらずの熱く鋭いお話でしたのでご紹介のうえコメントしたいと思います。 端的に言えば演題のとおりのお話で、まず第一は「間違いだらけのジョブ型雇用」、つまり今一部の日本企業が「ジョブ型」と称して実施しようとしていることは欧米の一般的なジョブ型とはまったく異なるもので「間違いだらけ」だ、という話です。特に間違っているのが、「ジョブ型」はジョブディスクリプションをその中心にしようとしているところ、欧米ではホワイトカラー、特に上級職のそれはタスクを具体詳細に書くことができなくなり、かなり
もう一月近く前の話になりますが、11月10日に開催された「中央大学ビジネススクールワーク・ライフ・バランス&多様性推進・研究プロジェクト」成果報告会に参加してまいりました。例年同様に非常に充実した内容で有意義だったのですが、今回は特に思いがけずきわめて貴重な知見をいくつか得ることができました。 そのひとつが富士通の人事の方から同社の人事制度改革についてのお話を聞けたことで、資料が以下で公開されているのでぜひご覧いただければと思います。話の中心はテレワークとオフィス改革であってジョブ型がメインではなかったのですが、これまで同社や日立製作所さんのいわゆる「ジョブ型」人事制度についてはその背景やコンセプトはたびたび報じられてきましたが、その具体的な内容についてはほとんど情報がなかったので、今回のこの報告はたいへん貴重なものだったわけです。 そこで富士通さんの報告資料をもとに、いわゆる「ジョブ型」
なにかというと月曜日の日経朝刊に掲載されていた「ダイバーシティ進化論」です。書き手は先日同じ欄で高卒不要論を開陳された出口治明立命館AP大学長で、お題は「テレワークで360度評価に 個人の能力分かりやすく」となっております。 テレワークが広がると、一人ひとりの能力はわかりやすくなる。例えば資料を作ってほしいと上司が部下に依頼する。できあがったら資料が送られてくる。それを共有すれば部下の出来不出来は誰にでも分かる。 かつての典型的な大企業では部長が課長に「資料が欲しいから手分けして作ってくれ」と丸投げする。そうすると優秀な部下数人が手分けして仕上げて課長に渡す。部長は誰が何をやったか分からない。 成果評価は難しいという人もいるが、みんなが見れば妥当な評価に落ち着くだろう。テレワークでは360度評価が可能になり、上司の好みを消すことができる点も大きい。もちろん、業務によって比較が難しい場合もあ
JIL雑誌の「平成の労働市場」特集を読んでいていろいろと感慨深いものがあったのですが、ふと思ったのは私も往々にして「私昭和の人なんでねえ」とか気取ったり開き直ったりしているわけですが実際には人生の半分以上が平成であり、ましてや成人してからは大半が平成であるわけで、「平成の人」以外のなにものでもないよなあと。 世間ではなにやら「7日間ブックカバーチャレンジ」なるものが流行っているという話もあるらしい(それはそれでフェイスブックでやりはじめたりもしている)ので、まあエントリのネタとしても差し障りが少なかろう(笑)ということで毎年やっている「今年の10冊」の応用編として「平成の10冊」を選んでみました。一著者一冊で順位等はなく、自分が関わった本は選ばないというのは例年の10冊と同じですが、掲載順は発行日順にしてみました。いずれも定評ある名著なので特段のコメントはしませんが、驚いたのは飯田『経済学
『キャリアデザインマガジン』12月号(通巻145号)に寄稿した書評を転載します。内閣府の「人間中心のAI社会原則」は(タイトルどおり)「AIは道具」と断言していますし、最近人工知能学会などが発表した「機械学習と公平性に関する声明」も「機械学習は道具にすぎません」と言い切っているわけですが、しかし現実には「人でも物でもないAI」といったものが登場しないという保証もありません。想像をたくましくすれば、選挙以外の方法で指導者が選ばれている一党独裁国家なんかだと一定以上の国家指導者層が軒並みAIになってもあまり違和感なく世間は動くのではないかなどと妄想しなくもない(本当に人間並みAIができて選挙権を持つようになれば選挙で選んでもそうなるかも?)。 なお本書では「人でも物でもないAI」を考える補助線として動物倫理学が参照されており、私は動物倫理学については「まあクジラやイルカは人間と同じだと考える人
昨日開催されたので聴講してまいりました。日本キャリデザイン学会における私のボスである脇坂明先生の『女性労働に関する基礎的研究-女性の働き方が示す日本企業の現状と将来』がJILPTの労働関係図書優秀賞を受賞された(おめでとうございます)のでその記念講演とタイアップした企画とのことです。約300人収容の大会場だったのですが立ち見も出る盛況で、まだまだ女性労働に対する社会的関心は高いものがあるようです。今のところ機構のサイトにはプログラムしか掲載されておりませんが(https://www.jil.go.jp/event/ro_forum/20191105/index.html)、いずれ当日資料なども掲載されるものと思われます。 ということでまずは脇坂先生が「女性活用『短時間正社員』の重要性」と題して基調講演に立たれました。まずは日本企業の人事管理の特徴である「遅い選抜」を行っている企業と、そうで
小池和男先生が逝去されました。ご冥福を心よりお祈り申し上げます。 それを機にhamachan先生がブログで「日本型雇用システム論と小池理論の評価(再掲)」と題して、かつての「小池ファンは小池理論を全く逆に取り違えている件」というエントリを再ポストされていますので、まあタイトルには批判と書きましたがそこまでのものでもなく、若干の感想を書きたいと思います。小池先生の諸著作に当たり直すほどの時間は現実的にありませんので多分に記憶に頼った議論になることはご容赦願えればと思います。 さて、小池先生の所論が一貫して(「欧米型は実は日本型と同じなんだ」とまで端的にいえるかどうかは別として)「日本型とされるものは決して日本独自のものではなく欧米でもふつうにみられるもの」というものであったことには私も同感です。それが(hamachan先生も慎重にカギ括弧をつけられているように)「常識はずれ」の理論であったか
経団連会長があれこれ放言問題提起して以来、いわゆる「終身雇用」なるものに関する議論がかまびすしいわけですが、有意義な論調も見られるのに対して、率直に申し上げてストライクゾーンを外れたところでバットを振り回しておおいに空振っている人というのもいるかなあという印象です。まあそもそも「終身雇用」なんて用語は専門家はあまり使わないわけであってな(いやもちろん「いわゆる終身雇用」ということで定義付きで使う人はいるわけですが)。 ということで、今日は昨日の櫻田謙悟経済同友会代表幹事の記者会見を材料にこのあたりを検討してみたいと思います。経済同友会のウェブサイトに会見録がアップされているのですが( 櫻田謙悟経済同友会代表幹事の記者会見発言要旨 | 経済同友会 )、これに関連する質疑応答はふたつあります(別途高齢者雇用に関する質疑応答もある)。まず1問め、終身雇用についての見解を問われてこう答えておられま
一昨日久々に長めのエントリを書いたところ読者の方からネタ提供をいただいたので書きたいと思います。いや城繁幸氏なんですが、就職氷河期世代についての総括(就職氷河期世代とはなんだったのか)がウェブに掲載されているとのことでしたので読んでみました。以下若干のコメントを。 まず前段の「就職氷河期世代はなぜ生まれたのか」から「就職氷河期世代はなぜ固定されたのか」までについては、概ね業界のコンセンサスになっている事項が要領よくまとめられていて案外まともです。 ただまあ合格点かというとやや微妙な点もあり、なにかというと城氏の常としてご自身の論旨に好都合な誇張が目立つのですね。たとえば「日本企業はただ新卒採用を抑制することで雇用調整を実施し続けました」と書かれていますが、もちろん企業は「ただ新卒採用を抑制」していただけではなく、他にも早期退職や希望退職、あるいは(これは城氏ご自身が直前に言及しているのです
年度初めで入社式、新入社員の季節ですということか、日経新聞は1面で「一歩踏み出すあなたに(1) 」というインタビュー記事を掲載しています。(1)ということは連載になるんでしょうな。その記念すべき?初回はファーストリテイリング会長兼社長の柳井正氏が登場しておられます。 自分が経営者になったつもりで仕事をしてみてはどうだろう。単純な労働者になった途端、仕事は時間を消費する作業に変わってしまう。仕事に付加価値をつけるため色々な人に会い知識を吸収する。工夫を凝らす癖をつければ応援してくれる味方が増えるはずだ。 …日本は少子高齢化が進み、外国人労働者が入ってくる。若い人たちは国内だけで考えるのではなく、世界の中の自分という視点を持つべきだ。同じ仕事をする世界中の人と競争し、どう自分は戦えばよいかを理解してほしい。 日本では会社に入ると社内のことしか考えない社員が少なくない。当社は「グローバルワン・全
中西会長会見での見直し発言から1か月そこそこという拙速さもとい迅速さで経団連の採用活動ルール廃止が決まったようです。日経新聞から。 経団連は9日、大手企業の採用面接の解禁日などを定めた指針を2021年春入社の学生から廃止することを決定した。今の指針は大学3年生が該当する20年入社が最後の対象になる。新たなルールづくりは政府主導となり、大学側や経済界と月内に策定する。経済界が主導するルールがなくなることで、横並びの新卒一括採用を見直す動きが企業に広がる可能性がありそうだ。 経団連の中西宏明会長が定例記者会見で、21年春入社以降のルールはつくらないと正式に表明した。「経団連は会員企業の意見を集約して世に訴えていくのが主な活動だ。ルールをつくって徹底させるのが役割ではない」と説明した。 指針の廃止に踏み切ったのは、経団連に入っていない外資系企業や情報技術(IT)企業などの抜け駆けが広がり、人材獲
週末の日経新聞にこんな記事が掲載されました。 吉野家ホールディングスが5日発表した2018年3~8月期連結決算は最終損益が8億5000万円の赤字(前年同期は13億円弱の黒字)になった。主力の牛丼店「吉野家」は増収を確保したが、人手不足を背景にした人件費高騰が響いた。吉野家は外食業界のなかでもコスト全体に占める人件費の割合が比較的高く、人件費上昇が業績に与える影響は大きくなっている。安さを売りにした戦略の限界に直面しつつある。 …人手不足に弱い損益構造を考えると、「業績回復には値上げなど、より踏み込んだ策が必要になるのでは」(国内証券アナリスト)との声もある。 …吉野家のシステムを支えてきたのは熟練の店長やアルバイトたちだ。…ただ、店舗の運営に優秀な従業員を大量に必要とするビジネスモデルは「高度経済成長期の豊かな労働力を前提にしたもの」(河村社長)だ。…この逆境をどうはね返すのか。模索が続く
あらかじめお断りしておきますがネタです。今朝の日経新聞から。 2019年10月の消費増税と同時に導入される軽減税率を巡り、コンビニエンスストアの店内飲食への対応が焦点に浮上してきた。コンビニで販売する飲食料品は税率を8%に軽減する対象になるが、最近はイートインコーナーを設置する店が増えているためだ。小売店でも店内で食べるなら税率は10%になるので、軽減税率で買った食品を顧客が店内で飲食しないよう徹底できるかが課題になりそうだ。 …多くのコンビニが消費増税後もイートインコーナーを続けるとみられるが、コンビニと競合する外食業界には、…軽減税率で買った食品が飲食されることを警戒する声がある。外食は持ち帰り品を除いて税率10%が適用されるので、競争上不利になりかねないためだ。 (平成30年10月5日付日本経済新聞朝刊から) 正直私は税制のことはよくわからないので感覚的な話に過ぎないのではあるのです
月曜(1日)夜のテレ東ワールド・ビジネス・サテライトで内閣改造について報じられているのを見てははあと感じ入った件がありましたのでその後のフォローも含めてご紹介したいと思います。1日夜の段階ではこう報じられました。WBSのウェブサイトから。 …閣僚人事では、柴山総裁特別補佐、石田真敏議員、山本順三議員、岩屋毅議員の初入閣のほか、安倍総理を支える二階幹事長の二階派から吉川貴盛議員、桜田義孝議員、片山さつき議員の三人の初入閣が固まりました。一方、総裁選で争った石破派に所属する齋藤農水大臣は交代。また、沖縄県知事選での敗北を受けた人心一新として福井沖縄北方担当大臣も交代の方向です。安倍総理はすでに麻生副総理兼財務大臣、茂木経済再生担当大臣など主要閣僚の留任をすでに決めていています。 http://www.tv-tokyo.co.jp/mv/wbs/newsl/post_163691/ 翌日(2日)
お訊ねをいただきましたので簡単にコメントしたいと思います。もちろん統計については素人で詳細に論じることはできませんのでそのようにお願いします。 さてこれに関しては先月西日本新聞が「ローテーション・サンプリングに変更したら賃金上昇率が高くなった」みたいな記事を掲載していて何の話だろうと思ったところ案の定追随も続報もなかったのでまあそうだろうなあと思っていたわけですが、西日本新聞の親分(?)格である東京新聞が週末にこんな記事を掲載していたわけです。 厚生労働省が今年から賃金の算出方法を変えた影響により、統計上の賃金が前年と比べて大幅に伸びている問題で、政府の有識者会議「統計委員会」は28日に会合を開き、発表している賃金伸び率が実態を表していないことを認めた。賃金の伸びはデフレ脱却を掲げるアベノミクスにとって最も重要な統計なだけに、実態以上の数値が出ている原因を詳しく説明しない厚労省の姿勢に対し
ワークス研究所の中村天江さんにお招きいただきましたので標記イベントに参加してまいりました。ワークス研究所が一昨年にスタートさせた大規模パネル調査「全国就労実態パネル調査(JPSED)」の結果にもとづくシンポジウムで、今年のテーマは社会人の「学び」です。 最初に同所の大久保幸夫所長からシンポジウムの趣旨とJPSEDの特徴について説明があり、その後、同所の萩原牧子、孫亜文、坂本貴志の各氏から今回調査の分析結果が報告されました。当日配布された資料は同所のウェブサイトにも掲載されています。 http://www.works-i.com/pdf/180807_jpsedmanabi.pdf まず自己学習(自分の意志による仕事に関わる知識や技術の向上のための取り組み)の実情について、昨年1年間に自己学習を行った人は33.1%(正社員36.9%、非正社員27.0%)という低率にとどまるという実態が紹介さ
さて大会も終わり期間中の積み残しもほぼ片付いたということでこの間のできごとについて書きたいと思います。本日はまず、御意見照会を頂戴していることもあり、連合が朝日新聞に激おこの件を取り上げます。私としてはかなり珍しいことに(笑)これに関しては連合に相当に同情的なので、なぜ同情的なのか少々書きたいと思います。途中毒を吐きますのでムカつく方もおられると思いますがあらかじめお詫び申し上げておきます。 さて連合のお怒りの筋はこれですね。 連合見解 2018年07月23日 7/21(土) 朝日新聞朝刊9面掲載『「働き方」国会・余録 下』と題する記事について 7/21(土)朝日新聞朝刊9面掲載の『「働き方」国会・余録 下』と題する記事は、働き方改革関連法案に対する連合の対応に関する内容が記載されているが、その内容は、朝日新聞社が当会へ取材を行ったにもかかわらず、事実と異なる内容が含まれている。 連合は事
これについても意見照会をいただきましたので書きたいと思います。骨太の方針に織り込まれたのをふまえて検討組織を設置するという流れになっているようですね。 菅義偉官房長官は11日の記者会見で、外国人労働者の受け入れ拡大をめぐり、必要な法整備などを話し合う関係閣僚会議を月内にも設けると表明した。「受け入れ業種や日本語教育の強化などを政府全体で検討する。7月中にも立ち上げたい」と述べた。2019年4月から外国人労働者の新たな在留資格の運用をめざす方針も示した。 菅氏は記者会見に先立ち、都内で開いた講演で「一定の専門性、技能を持った即戦力の外国人材を幅広く受け入れられる仕組みをつくりたい。来年4月から実現できるよう早期の法案提出を準備している」と話した。新たな在留資格に関しては「単純労働者ではなく、移民政策とは異なる」と強調した。政府は今秋の臨時国会にも入国管理法改正案を提出する。 (平成30年7月
意見照会をいただきましたので若干の感想など。詳しいウラ取りはしていないのでややあいまいなところがありますがご容赦ください。 日本郵政グループが、正社員のうち約5千人の住居手当を今年10月に廃止することがわかった。この手当は正社員にだけ支給されていて、非正社員との待遇格差が縮まることになる。「同一労働同一賃金」を目指す動きは広がりつつあるが、正社員の待遇を下げて格差の是正を図るのは異例だ。 同グループは日本郵政、日本郵便、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の4社でつくる。廃止対象は、原則として転居を伴う転勤のない条件の正社員(約2万人)のうち、住居手当を受け取っている約5千人。毎月の支給額は借家で最大2万7千円、持ち家は購入から5年間に限り6200〜7200円で、廃止で年間最大32万4千円の減収になる。 廃止のきっかけは、民間の単一労組で国内最大となる日本郵政グループ労働組合(JP労組、組合員数約
私のツイッターのタイムラインに流れてきたので読売教育ネットワークの「異見交論43 国立大への税金投下に「正当性なし」冨山和彦氏(経営共創基盤 代表取締役CEO)」という記事(http://kyoiku.yomiuri.co.jp/torikumi/jitsuryoku/iken/contents/43-ceo.php)を読んでみましたよ。ちょうどHRmicsの大学教育改革特集を読んだばかりで、結論的には似ていなくもありませんでしたので(立論としてはHRmicsのほうがはるかにしっかりしているわけではありますが)。 でまあこれは編集した記者の問題もあるでしょうが、それにしてもここまで他人への蔑視と憎悪をむき出しにした文章を名前と顔写真入りで公開できるというのはすげえ神経だと思ったわけですがそれはそれとして、なんかいろいろと間違いがあるように思ったので重箱の隅をつつくようですがそれだけ書いてお
前回、前々回のエントリには多数の反応があり(ありがとうございます)、中でも多かったのが「監督強化や厳罰化が必要」とのご意見でした。これについては、このブログを以前から読んでいただいている方はご存知のとおり、私もほぼ同意見であって監督強化については繰り返し訴えているところです(たとえばhttp://d.hatena.ne.jp/roumuya/20141130#p1、http://d.hatena.ne.jp/roumuya/20140430#p1、http://d.hatena.ne.jp/roumuya/20111129#p1、 http://d.hatena.ne.jp/roumuya/20110822#p1、http://d.hatena.ne.jp/roumuya/20160401#p1あたり。他にもあると思います)。厳罰化についても悪質事案は送検すべきとは繰り返し主張しています。
なんか日経新聞は裁量労働制拡大先送りにいたくご不満なようで、本日朝刊でも総合面(3ページ)で大きく記事化したうえに社説でも取り上げていて、若干評価を改めたところもありますがうーんやはりダメかなあ。 なにがダメかというと生産性生産性と連呼しているところで、いやもちろん中長期的にはホワイトカラー・エグゼンプションは生産性向上に寄与することが期待されることはもちろんなのですが、それはこうした自由度の高い働き方が技術革新をもたらすことで社会全体の生産性が上がるという形でもたらされるものでしょう。実際、働き方改革実現会議の議事録を見ても、生産性については繰り返し議論されていますがそのほとんどは賃上げ・労働時間短縮・非正規の処遇改善には生産性向上が必要という話であり、具体的な方法論としてはテレワークの普及や情報通信技術の活用といったものが中心で、裁量労働制や高プロが労働時間を短縮して時間生産性が上がる
国会でだいぶん紛糾しておりましたが、どうやら裁量労働制の範囲拡大については今国会での成立は断念ということになったようです。今朝の日経新聞が1面トップで大々的に書きたてておりますな。高プロについては成立させるという意向のようですがさあどうなりますか。 政府・与党は28日、今国会に提出する働き方改革関連法案に盛り込む内容について、裁量労働制の拡大に関する部分を切り離す方針を決めた。裁量労働制に関する法案は今国会への提出を断念する。裁量労働制を巡る不適切データ問題への批判が強まる中で、世論の理解が得られないと判断した。働き方改革を通じた生産性向上が遅れる恐れがある。 …働き方改革関連法案は残業時間を年720時間とする規制や勤務間インターバル導入の努力義務といった長時間労働の是正に、裁量労働制の拡大などの生産性向上の対策を組み合わせて構成している。足元では人手不足が日本経済の深刻な課題となっており
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