量子コンピュータが古典コンピュータと一線を画するところは、情報を量子力学的に保存し、その情報を量子力学的に扱うことである。量子コンピュータにおいて情報は $$ \alpha |0\rangle + \beta |1\rangle$$ のように$|0\rangle$, $|1\rangle$ のどちらとも確定していない、重ね合わせの形で保存される。これが量子力学的な情報である。同じ情報を古典コンピュータで保存したいなら、重ね合わせの重みを表す数字である $\alpha$, $\beta$ をメモリ上に保持するほか無い。$|0\rangle$, $|1\rangle$ の2状態なら大したことは無いが、例えば使うビット数を 30 bit まで増やしてみよう。30 個の量子ビットを持つ量子コンピュータ上には、$|00\cdots 0\rangle$ ~ $|11\cdots 1\rangle$ ま