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「もしかして間違ってる? 芽出しのやり方」コーナーより ホウレンソウは水に浸けてから播く。 野菜苗はセルトレイでビシッとかっこよく……。 でもそのやり方で本当にいいの? 常識を疑ってみると、 もっとタネがよろこぶ播き方が見えてくるかも。 (依田賢吾撮影) 何でもかんでも 水に浸ければいいってもんじゃない 市川啓一郎 筆者(65歳)。昭和25年頃創業の市川種苗店2代目店長。 店頭にはオリジナルのタネの小袋がズラリと並ぶ 栽培情報とともにタネを売る 長崎県佐世保市のタネ屋です。店に来るお客さんは地元で少量多品目を栽培する直売所出荷の農家がほとんどです。うちでは大袋や缶入りのリッターで仕入れた種子をオリジナルの小袋に小分けし、佐世保の気候にあった解説書を入れて販売しています。昔の量り売りに近い売り方です。 また、6、7年前からインターネット販売もしていて、今では店の売り上げの3分の1にまで成長し
続々「�農家の自家増殖、原則禁止」に異議あり! 種苗法の誕生秘話 兵庫県の農家が自家採種しているタネ(依田賢吾撮影) 「種苗法」や「農家の自家増殖」を巡る議論が、いよいよ熱を帯びてきた。今や、一般の消費者や国会議員をも巻き込んだ議論となりつつある。しかし、やっぱりこの問題は農家と一緒に考えたい。まずは簡単に、これまでの経緯と問題点のおさらいから――。 種苗法や農家の自家増殖を巡る議論 ●これまでの経緯と簡単なおさらい そもそも、農家の自家増殖は原則自由だ。新しい品種をつくって登録すると、育成者にはその品種のタネを増やしたり売ったりする権利「育成者権」が与えられる。登録品種のタネや苗を、苗屋さんが勝手に増やしたり売ったりするのは禁じられているのだ。ただし、農家は例外。登録品種においても、自分の畑に播くためにタネをとったり挿し木をして増やしても許される。これは農家の特権なのだが、一部、その効力
「誘引・仕立てでガラリッ」コーナーより 風に強い、病気に強い ズッキーニの立体栽培 群馬・小宮拓也 ズッキーニの立体栽培 ハウスの早出しがきっかけ 平成9年、標高650mの中山間地に就農し、原木シイタケとコンニャクをつくり始めました。現在は露地畑でズッキーニのほか、アスパラ15a、タラの芽70aを栽培しています。90%が市場出荷で、直売所にも出荷しています。 葉柄を支柱に固定して立てたズッキーニ。 下葉はどんどんかいていく ズッキーニ栽培は今年で10年目になります。最初は10aから始めて3年目に60aまで広げ、現在は110a栽培しています。5月から8月まで、年間4回くらいに分けて植え付けています。 ズッキーニは当初、普通に地這い栽培していました。立体栽培に取り組んだのは、早出し用にハウスで栽培した際、密植するために茎をヒモで吊って立ててみたのがきっかけです。露地栽培でも密植できないかと、最
「おいしくきれいに仕上げる最新研究」コーナーより 干し野菜 紫外線でうま味と健康成分がアップ 青木秀敏 天日干しでハクサイ、ダイコンがおいしくなるのはなぜ? 「ある日本料理の料理長が、ベランダに2~3時間くらい置いて天日干ししたハクサイを調理すると、料理がおいしくなるという。食の専門家に聞くと、乾燥によって味が濃縮したからだとのこと。ところが料理長は納得しない。濃縮ならば室内で乾燥すればよいので、何かしら太陽の光が影響しているのではという。太陽光が味に影響するかどうか実証してほしい」という依頼を、某テレビ局から受けた。 確かに野菜を天日で数時間干しただけでも水分が抜け、甘さとうま味がグンと濃くなり、しんなりしなやかになる。本当に料理長のいうように太陽の光が関与しているのだろうか? 著者らは愛知県渥美半島の西山農園の協力を得て、昨年3月に約5mmの太さに千切りにしたダイコン(品種:千都)を、
農作業で大量の汗を かいたあとに、 至福の一杯。 疲れがとれて、 元気の補給ができる、 わが家の夏ドリンク、大集合! 好物のジンジャーエールが手作りできる あっけないほど簡単で、美味しさにもびっくりの手作りサイダーを楽しんでいます。もともと、ジンジャーエールが好きだったので、ハチミツが入手できると、夏の楽しみのひとつとして作っています。 きっかけは、『夏を乗り切る暮らし術』(農文協)という本を図書館で見かけたことです。電気依存生活、化石燃料依存生活を永久に続けることはできないと考え、夏に涼しい家、エアコンのない生活を目指していたので、借りて読みました。 その中に「生姜で作るジンジャーエール」の作り方が書いてあったのです。ちょうど、材料となる(高価な)ハチミツを、養蜂をしていた義叔父からもらったところでした。これはやらねばと、さっそくショウガを買い込んできました。アルコール発酵は学校で
植物が自己防衛しようと、生み出す成分。 抗菌、抗酸化、抗アレルギーから防水効果まで、 じつはそのエグミにこそものすごい力が隠されていた。 カキ、クリ、マツなど、身近なもので身体も作物も健康に。 「夏は柿渋」コーナーより 柿渋の作り方 夏は柿渋を仕込む季節。8月の旧盆明けから9月初め頃の青柿が、柿渋の成分であるタンニンの含量が一番多くなるからだ。
解説・鈴木修武 植物油の商品開発に長年携わる。2005年に(株)J-オイルミルズを退職し、鈴木修武技術士事務所を開設。 著書に『油の絵本』(農文協)など ごはんが釜や機械に付着…… コンビニおにぎりのごはんのかけらを水に入れると、油が浮いてきた。油は添加物ではなく食品としての扱いで、全体の5%以下の使用量なら表示義務はない(アレルギー物質を除く) コンビニおにぎりが爆発的に売れだしたのは平成のはじめごろ。影の仕掛け人は、私を含めた元の会社の開発部隊と自負しています。 おにぎりは、ベンダーといわれる食品工場でつくられます。製造工程は米の水洗⇒炊飯⇒ごはんのほぐし⇒おにぎり整形⇒包装。この工程で炊飯釜からごはんを搬出するときに粒が釜に付着し、作業員が一人ついて掻きとっていました。おにぎり整形機にもごはんが付着し、製品の歩留まりが低下。作業効率を高めるべく、当時の現場でも、米を洗ったあとにサラダ
筆者が作ったウッドガスストーブ(調理用コンロ)。ほんのひとつかみの木クズを燃料に、約1.5リットルのお湯が数分で沸く 驚きの火力 木っ端ひとつかみでお湯が沸くウッドガスストーブ 小池雅久 いま私たちの暮らしは大きな転換期を迎えていると感じている人は少なくないだろう。 四方を海に囲まれているとはいえ、この国の大半は山地である。かつて戦中から戦後にかけて、この国の山の木材資源は使い尽くされたものの、その後の植林と木材輸入の増大によって山に木は増え続け、いまや緑被率からすれば世界有数の森林大国に私たちは暮らしている。発展途上国の多くでは森林の伐採が進み、調理のために燃やす薪すら足りなくなる一方、私たちが暮らすこの国の森林資源はほとんど使われることがないまま荒れ果て、海外から大量の木材を輸入し続けている。私たちの暮らし方はこのままでよいのだろうか。 木ガスが燃料、調理用のストーブ わが家の薪
鼻の奥がスーッ、舌にピリッ。 辛いがうまい! さっぱりがうまい! クサイもうまい!? 暑い夏、食べると元気がわいてくる野菜たち。 大いにつくり、大いに食べて、大いに売りたい。 松島憲一 トウガラシといえば辛い、辛いといえばトウガラシ。その強烈な辛さは香辛料の中でも群を抜いている。しかし、トウガラシとあの辛さについては意外と知られていない秘密がいくつかある。最近の研究などからその秘密の一部を紹介しよう。 トウガラシが辛いのは鳥に食べてもらうため トウガラシが辛い果実をつけるのは、人の手によって辛く品種改良された結果であると思っている方も多いだろう。実際、我々が普段食べているリンゴやナシ、メロンにスイカは、酸っぱかったり苦かったりする野生の果実を人の手によって甘く品種改良してきたという経緯がある。 しかしトウガラシは野生種そのものが十分な辛さを持っている。我々の分析では、いくつかの野生種
巻頭言:飽食時代の世代交代(西田治文)/佐久間大輔:里山は林か草山か―統計や民俗から探る大阪の里山の実態―/増井太樹:草山利用の歴史的変遷:岡山県蒜山地域を事例として/天満和久:草原性生物が生き残る場所はどこか~大阪能勢のくり山景観~/小椋純一:房総丘陵と筑波山地における明治前期から後期にかけての草原の減少/横川昌史・増井太樹・飯村孝文:半自然草原の管理放棄に伴う植物種ごとの欠落パターン:栃木県日光市土呂部の例/大住克博・三谷絵理子:草山から里山林へ:里山のコナラ林はどのように成立したのか/大久保祐作・會場健大:p値とは何だったのか(Fisherの有意性検定とNeyman-Pearsonの仮説検定を超えるために)/書評―『奄美群島の自然史学:亜熱帯島嶼の生物多様性』/『生物科学』休刊のお知らせ/『生物科学』70周年記念パーティ(講演付き)のお知らせ
長野県塩尻市・高橋一男さん 「1カ月たってもウンともスンともいわないからもう1回、いや2回も3回も播き直した」なんて話がザラにある。発芽率が悪いことにかけては天下一品。そんなパセリの大産地・長野県塩尻市で、いつでもほぼ100%揃って発芽させる名人が高橋一男さんだ。
特集:次世代シーケンサーで何ができるか? ●巻頭言:次世代シーケンサーで何ができるか?(川原玲香)……129 ●用語解説……130 ●橋口康之・熊澤慶伯:脊椎動物嗅覚受容体遺伝子ファミリーの進化研究における次世代シーケンサーの活用……131 匂い物質のセンサーである嗅覚受容体は,嗅覚系の進化を考える上で重要である.しかし嗅覚受容体遺伝子は巨大な多重遺伝子ファミリーであるため,それらの進化を網羅的に調べることは容易ではない.本稿では,次世代シーケンサーを用いた嗅覚受容体遺伝子の網羅的な配列決定についての筆者らの研究を紹介しつつ,今後の嗅覚の進化研究における次世代シーケンサーの活用法について考察を行った. キーワード:嗅覚受容体遺伝子,脊椎動物,爬虫類,進化,遺伝子発現 ●小北智之:エコゲノミクスにおける網羅的遺伝子発現解析―魚類での研究例から―……141 近年の進化生態学における大きな進展と
グローバリゼーションとファーストフードが席巻する世界でつくられ続けてきた、世界の各地域の食(ローカルフード)。今こそ見なおそうスローフード、地域と民族の文化。世界の食から世界の文化が分かる。
『現代農業 2013年1月号』 特集:えひめAI列島増殖中 82歳の稲作ノート/薪暖房で冬を乗り切る/果樹の夢のような仕立て/青パパイヤを茨城の特産に/牛から学ぶ酪農の基本/畑仕事にGPS/売れるもち、ナルホドの技/果樹産地を守るには集落営農/TPP反対をパフォーマンスで終わらせてはならない ほか。 [本を詳しく見る] 『えひめAIの作り方使い方』農文協 編材料はすべて食品。納豆・ヨーグルト・イースト・砂糖から、誰でも簡単に手作りできる発酵液。中には微生物や酵素がいっぱい。田畑では「病害虫が減って農薬も減って、野菜がおいしくなる」「土着微生物が殖えて土がふかふかになった」と農家に好評。台所やトイレやペットのニオイ消し、油でギトギトの換気扇掃除、お肌つるつるになる入浴剤、川や配水管の浄化など、暮らし場面でも大活躍。月刊「現代農業」の特選記事に、新しい取材記事も加えて再編集。付属DVDでは「
森 源治郎 ホウセンカは、専門的な研究がほとんどされていない花。 『ホウセンカの絵本』は、花の専門家・森源治郎先生が、一からそだてて観察して、できあがった絵本です。(編集部) 私は、奈良の大和三山の一つ耳成山のふもとの農家で生まれ、子ども時代を過ごしましたが、そのころ、農家の庭の片隅でホウセンカがよく咲いており、子どもたちが果実に手を触れてタネを飛ばして遊んだものです。しかし、生活様式が変わるとともに、次々と新しい種類の植物が導入されたこともあって、いつのまにかあまり見かけなくなってしまいました。 そんなホウセンカが、小学校三年の理科の教材に取り上げられていることもあって、『ホウセンカの絵本』の執筆依頼をうけました。 執筆に先立って、まずホウセンカについての情報収集からはじめましたが、情報そのものがあまりにも少ないうえ、あっても内容の確かさに疑問をいだかざるを得ないものもありました。そこで
作家 石川 英輔 江戸時代の日本は「紙使用大国」 江戸時代の日本が「紙使用大国」だったことは、江戸時代後期に日本へ来た西洋人の記録に、日本人が紙をたくさん使うことに驚く場面がしばしばあるのでわかる。 あの時代のヨーロッパ人にとって、極東の島国の日本へ来るのは容易なことではなかった。開国前なら長崎の出島に来た人びとだけで、開国後でも、外交官やかなりの金持ちでないと高価な旅費を払いきれなかっただろう。つまり、日本の庶民の紙の使用量の多さは、そういう身分の人が見て、わざわざ書き残したくなるほどだったのだ。 出島の蘭館付きの医師として来日した医師のフォン・シーボルトもその一人で、文政九年(一八二六)に蘭館長に随行して長崎から江戸へ来る途中、駿河の蒲原で紙漉き場を見せてもらい、素朴な道具だけで紙が簡単にできるのを見てよほど驚いたらしく、日記に「日本人が紙を大量に使うのは、紙がこれほど簡単にできるから
82歳の直売所農法 トマトの連続摘心栽培で収量2倍 熊本・橋本脩弘 専業農家のトマトがなくなったあとをねらう 私のところでは、JAに出荷するトマトの専業農家は黄化葉巻病などの病害虫予防のため、6月末には出荷を終了します。私はそのあとから直売所出荷が始まるように、4月中旬にトマトを作付けます。出荷のピークは7月10日以降で、この時期の地元産トマトは一部の出荷者のものだけですので飛ぶように売れます。1パック当たり200g、トマトの出荷量が多いときは300g入れて、オール100円です。売れ残ることはほとんどありません。 今年作付けした品種は、ミニトマトは黄化葉巻耐病性の千恵、中玉はルイ60、調理用トマトのテイオクックです。顧客の要望に応えられるよう三品種作付けしています。 私も82歳。歳をとりましたので大きな面積は管理できませんが、小面積で大量出荷できる「連続摘心栽培」が楽しくてなりません
京都・浦辻克暢 野菜本来の味を目指して 農業をやりはじめて、ほぼ10年が過ぎました。僕の家族は、両親、妻、長女(9歳)、二女(5歳)の6人です。住んでいるところは京都府の南端、奈良市と接している木津川市の山間部、旧加茂町の当尾という地域です。一つ一つの畑は狭く、あちこちに点在していて、それぞれ日照時間、土質、水分などが違い、どうしたらいいのか。これが僕の農業を考えるスタート点でした。 要はこういう条件を生かし、利用する以外に方法はない。その畑に合った作物を多品目作付けして、大量流通している市販の野菜と差別化することが生きる道と考えました。そして、化学肥料も農薬も潤沢でなかった時代の農業に学び、本来の野菜の味・おいしさが宿る季節感あふれる野菜をつくりたいと思うようになったのです。 日々の畑での工夫、失敗を重ねてきた中に、今回紹介させていただく「牛乳と石灰の上澄み液」の話があります。 牛
苗を植える深さ、向き、栽植密度、作業のしかた…… 植え方の常識を打ち破ると 作物の生育も作業の手間も一変! 3月号「あっちの話こっちの話」で紹介したジャガイモの超浅植え栽培。じつは、全国で何人もの農家が実践していることが判明。まずは宮崎から――。 種イモの切り口を上に向け、覆土は不要 私のジャガイモの植え方は、種イモを半分にしたら切り口を上にして、切り口が土中に埋まらないよう少しだけウネに押し込むというやり方です。覆土はしません。イモの切り口が見えているウネにそのまま黒マルチを張ります。 ここまでの作業の手順は、 (1)イモを植える1~1.5カ月前に廃菌床を全面施用、軽く混ぜておく。 (2)植え付け当日~5日くらい前に種イモを半分にカット(宮崎では2月上~中旬に植え付け)。 (3) トラクタで耕耘した1.2m幅の平ウネに60cm間隔で3条植え。種イモの切り口を上に向け、黒マルチを張ると
「のらのら」ってなに? 「のら」とは、「野良」。つまり、家の近くの田んぼや畑、野原、山、川、海辺……、人がかかわる身近な自然のこと。 「のらのら」は、日常の暮らしのなかで、「のら」であそんだり、お手伝いしたり、お小遣いを稼ぐような生活力のある 「のらぼーず(農業少年)」や「のらガール(農業少女)」を応援する雑誌です。 ◆休刊のお知らせ 『のらのら』は、2017夏号をもちまして、休刊させていただくことになりました。 これまでご愛読いただき、まことにありがとうございました。 バックナンバーは、在庫のあるものは引き続きお買い求めいただけます。 気になる号がありましたら、お早目にお求めいただけますと幸いです。 なお、「バケツイネ選手権」については、今年から月刊「現代農業」にて開催いたします。詳しくは専用ホームページをご覧ください。 ◆「のらのら」で好評の特集が、装い新たに絵本と単行本になりました!
農水省が行なった放射性物質の除染試験の結果(9月14日公表)を受けて、ヒマワリには「除染効果がほとんどない」という報道が盛んになされた。だが、表土に蓄積した放射性セシウムを物理的に除去するようなやり方と比べて植物による除染の効果が劣ることは、試験をするまでもなく明らかだ。ヒマワリの有用性は揺らいでいないし、今後に期待の持てる結果も得られている。 耕した後に除染するには植物の力を借りるしかない 東京電力福島第一原発の事故が発生し、汚染が広範囲に広がった3月15日は、多くの農家が種モミの準備に入り、田んぼの耕起作業を始める時期でした。 水田土壌の汚染状況が発表され、放射性セシウムが土壌1kg当たり5000ベクレル以下の圃場では作付け可能との方針が出されたのが4月8日です。警戒区域(20km圏内)やホットスポットになった飯舘村は緊急避難で家を後にし、いまだに流浪の旅を強いられていますが、市の
手作りできるスーパーストーブとして爆発的に普及しつつあるロケットストーブ。「何でも薪に」するための強い味方だ。 煙突と燃焼室の断熱が大きな特徴 廃材を上手に使って手作りできるロケットストーブですが、なぜ燃焼効率がいいのでしょう。それはその構造に答えがあると思います。ヒートライザーと呼ばれる煙突とバーントンネルと呼ばれる燃焼室に特徴があります。 まずはヒートライザーと呼ばれる煙突です。これは必ず断熱します。すると煙突の中の空気はすぐに温められ、煙突内に強烈な上昇気流が生じます。つまり、長さが短くても引きの強い煙突になるというわけです。火をつけた後、焚き口から煙が出てこないのはこのためです。 また煙突内は蓄熱もされるので、薪が燃えて弱火になっても煙突効果を維持しやすい特徴も兼ねています。 次にバーントンネルという燃焼室です。これもヒートライザーと同様に断熱(蓄熱)します。すると燃焼室の
労力1/10 長ネギの土寄せはもういらない!? 長野県須坂市・大島寛さん/竹前欣二さん 石井圭子 土寄せは腰にくる重労働… 長ネギの白い部分は土の中にあるから白く柔らかくなるのです。何度も土寄せをし、徐々にウネを高く上げていくのですが、これが腰にくる重労働。この土寄せをしない画期的な栽培方法が考案されたと聞いたときは半信半疑でした。 従来とはまったく違う発想のこの方法は、10分の1ほどの労力にもかかわらず、高品質のネギが収穫されていました。食べてみると、甘くて柔らかいのに、歯ごたえがしっかりしていて本当に美味しい。 深い穴でも光を求めて上に伸びる 考案者は長野県須坂市の大島寛さん(68歳)と竹前欣二さん(63歳)。大島さんは10年ほど前に、ネギ苗を葉先が埋まるほどの深い穴に入れても、ネギは光を求めて土の表面まで伸び、それから肥大生長することに気づいていました。同じ集落で仲良しの竹前さんに
農産物貿易の自由化が許されない理由 関 良基 自由貿易を礼賛する言説を新聞やテレビで振りまく経済学者はウソを言っている。百歩譲って工業製品の自由貿易は可能でも、農産物は自由化に適さない。農産物、とりわけ穀物の生産を海外に依存することは、生産者と消費者の双方に著しい打撃をもたらす。 WTOからTPPへ――米国の世界戦略 農産物と工業製品では財の性質が全く違う。工業製品に関しては、労働基準や最低賃金、環境基準の国際的な適正化、国際的な独占禁止などの諸条件が整いさえすれば自由貿易を認めることも可能であろう(現実はその条件が整っていないので認められない)。しかし農産物(とくに穀物)に関しては、いかなる条件においても決して自由貿易の原理を当てはめてはならない重大な理由が多く存在する。最大の理由は、農産物の不足が人間の生命を直接的に脅かすことだ。 WTO(世界貿易機関)においてすら、農産物は工業製
●反響続々! 購入者の声 消費者団体役員「わかりやすい! TPPの問題点が簡潔に表現されていますね。最近新聞やテレビ等ではあまり報じられなくなってしまっているので、なおさらこうしたDVDを使ってみんなで議論していくことが大事です」 JA県中職員「農家への説明会で使いましたが、ISD条項など説明しづらいこともコンパクトに解説されていて、助かりました」 滋賀県の農家「阻止へ向けなんとか気運を盛り上げたいと思っていたところ、農協にあったこのDVDを視聴。これは! と思い自分でも1枚購入した。まずは自分の仲間に見てもらい、運動の輪を広げたい」
1 とうふの絵本 2 なっとうの絵本 3 みその絵本 4 もちの絵本 5 そばの絵本 6 アイスクリームの絵本 7 チーズの絵本 8 ソーセージの絵本 9 ジャムの絵本 10 パンの絵本 11 砂糖の絵本 12 塩の絵本 13 しょうゆの絵本 14 酢の絵本 15 油の絵本 16 わら加工の絵本 17 竹細工の絵本 18 草木染の絵本 19 火と炭の絵本_火おこし編 20 火と炭の絵本_炭焼き編 21 すしの絵本 22 かまぼこの絵本 23 うどんの絵本 24 こんにゃくの絵本 25 茶の絵本 26 藍染の絵本 27 和紙の絵本 28 麦わらの絵本 29 やきものの絵本 30 箸の絵本 31 漬けものの絵本(1) 32 漬けものの絵本(2) 33 梅干しの絵本 34 キムチの絵本 35 ピクルスの絵本 36 保存食の絵本1 野菜 37 保存食の絵本2 野菜 38 保存食の絵本3 野菜 39
「農家の底力で大災害を乗り越える」コーナーより Q&A 物理専攻農家の放射線解説 福島・東山広幸 今回の事故では、放射線の知識が少ない人ほど過剰反応で慌てふためいているように思う。放射線は確かに危険なものだが、種類によってはどんどん減っていくし、自然放射線量の10倍程度なら、中高年者への影響はほとんどないとも言える。放射能・放射線をよく知れば、無用な不安による免疫力の低下も避けられる。 今回の事故では、放射線の知識が少ない人ほど過剰反応で慌てふためいているように思う。放射線は確かに危険なものだが、種類によってはどんどん減っていくし、自然放射線量の10倍程度なら、中高年者への影響はほとんどないとも言える。放射能・放射線をよく知れば、無用な不安による免疫力の低下も避けられる。 今後の対応を判断するために 私は24年前に福島県いわき市で百姓をはじめた。その前は理学研究科・物理学専攻の大学院生で
刊行にあたって 今、やっておかなければならないことがある。今、やっておかなければ、永久に失われてしまうことがある。日本人がつくり上げた食事。それは、今、それを記録しておかなければ、永久に失われてしまう。 建築物・構造物・書画・骨董・民具等、形あるものは残る。しかし、日本人の伝統的食事の総体は、それをつくった人々がいなくなれば永久に失われる。 大正から昭和初期にかけて、食事をつくった人人、今、80歳前後の主婦達は、日本の食事を伝承した最後の人々であろう。この人々が、この世から去れば、その人々とともに日本の食事は永久に失われてしまう。 この主婦たちの食事つくりは、地域地域の自然の生み出した四季折々の素材を、調理し、加工し、貯蔵したものであった。 それは北と南では違い、西と東では違っていた。地域ごとに異なる自然の個性が、そこに住む人間の手によって表現された食事であった。当時の食事には、今日、われ
新自由主義的復興論を批判する 復興に名を借りた漁業権・農地所有権の自由化を許すな 目次 ◆規制緩和路線に沿った宮城県の復興計画 ◆集約化とは「あきらめる」人をつくること ◆経団連の火事場泥棒的「復興・創生」プラン ◆お門違いの高齢者農業・農地法犯人説 ◆日本的、農家的構造変革の息吹 ◆農地をむらから切り離してはならない ▲目次へ戻る 規制緩和路線に沿った宮城県の復興計画 東日本大震災から、はや5カ月が経とうとしている。 被災地の方々が復興に向けて必死に歩み出しているなかで、気になることがある。 復興を好機とみて、漁業や農業の規制緩和を進めようという動きがあからさまになってきたことである。 その典型が、村井嘉浩宮城県知事がすすめようとしている水産業の規制緩和=「民間参入を柱にした水産復興特区構想」だ。「宮城県震災復興基本方針(素案)」は、被災地を単なる「復旧」にとどまらず、県の農林水産業・商
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