斎藤元彦兵庫県知事の疑惑告発者の私的情報漏洩(ろうえい)問題で、県の第三者委員会に漏洩を認定された井ノ本知明氏は斎藤氏の最側近として知られた。第三者委の報告書や漏洩先となった県議の証言から浮かぶのは、斎藤氏らの指示の下、告発者をおとしめて疑惑を払拭しようと躍起になる井ノ本氏の姿。かつての側近の証言が「知事の指示」で一致する中、斎藤氏だけが否定を続けている。 第三者委の報告書によると、漏洩の経緯はこうだ。 総務部長だった井ノ本氏が昨年4月上旬、疑惑を告発した元県民局長の男性=昨年7月に死亡、当時(60)=の公用パソコン内に、男性の私的情報に関する文書があったと斎藤氏に伝えた。 「そのような文書があることを議員に情報共有しといたら」。井ノ本氏の報告を受けた斎藤氏はこう述べたという。さらに、この場に同席した県の理事(当時)が、片山安孝副知事(同)に斎藤氏から指示があったことを伝えると、片山氏は「