博覧強記の料理人、美味の迷宮を東奔西走す! 日本の「おいしさ」の地域差に迫る連載。 前回まではラーメン編をお届けしました。 今回からは、和食の肝とも言える「味噌と醤油」について考えてみます。 醤油と味噌① 濃口醤油と薄口醤油 僕が20代のころ修業した、ちょっと高級な和食店では、「濃口醤油」「薄口醤油」という言葉はほぼ使われていませんでした。では、ここでクエスチョンです。それらはその店では何と呼ばれていたでしょ〜か? ……ヒントが無さすぎて、少し難しかったかもしれません。答えは「ヤマサ」「ヒガシマル」です。つまり、使っていた醤油の銘柄が、そのまま呼称になっていたということです。当時僕は、何だかそういうのっていかにもプロっぽくてカッコいいな、と思っていました。なので、最初は自分もこの呼称を使うことが少し面映くもありましたが、すぐに慣れて自然に口に出せるようになりました。 後にわかったことですが