変貌する政治献金の新時代 2024年の米大統領選は、前例のない規模で政治献金の構造的変化を鮮明に示している。トランプ陣営の14人、ハリス陣営の21人の億万長者支援者たちが、選挙戦の資金的基盤を形成し、両陣営の政策や方向性に大きな影響力を持ちつつあるのだ。トランプ陣営ではカジノ王の未亡人ミリアム・アデルソンが1億ドルを提供し、ハリス陣営ではフェイスブック共同創設者ダスティン・モスコビッツやジョージ・ソロス親子などが巨額の献金を行っている。 この変化の転換点となったのは2010年のシチズンズ・ユナイテッド対FEC裁判である。この判決により、政党が持っていた資金力の中心的役割が個人に移行した。この点について、トム・デイビス元下院議員は、この変化が政治の極端化を加速させていると警告している。従来、政党は中道的な政策を促進する役割を果たしてきたが, その力が失われつつある。 米国では、政治献金の性質